『白雪姫』に『シンデレラ』、『眠れる森の美女』。少女のころにドキドキしながら読んだはずのお伽話。その経験が、大人になってからの美意識に大きく影響していること、あなたは気づいていただろうか?

齋藤薫の官能コスメ。ジバンシイ タン・クチュール クッション ファンデーション
齋藤薫の官能コスメ。ジバンシイ タン・クチュール クッション ファンデーション

例えば、何が何でも毎日ハイヒールを履き、いつ誰が自分を探しに来ても大丈夫なように、毎日メイクを欠かさない、“手抜きのない自分”をつくり続けている人は、きっと、少女のころ『シンデレラ』を貪るように読んだはずだ。

一方で、年齢を重ねても“処女性”を大切にして、見た目にも、また精神的にも、“清潔感”というものを何より大切に生きている人は、きっと少女のころ、『白雪姫』に夢中になったはずなのだ。

そうした“少女向けのお伽話”は、ただ子どもの好奇心を満たすだけではない。少女たちが“とりわけ美しく優雅な大人”に成長していくことをテーマとして描かれたもの、と考えていいのかもしれない。

だから「“お伽話好き”は美人になる」、という法則が生まれていいはずなのだ。

そんなお伽話が、近年、ハリウッドで次々“大人向けファンタジー”につくり直されている。 ひどく残酷でエロティックな“裏お伽話”がある一方、ハリウッド映画は現代的な解釈による第三のお伽話の世界をつくりあげているのだ。

『白雪姫と鏡の女王』や『マレフィセント』『イントゥ・ザ・ウッズ』……今をときめく女優陣が憎み合い、競い合うような、女と女のドラマになっているのも特徴。でもこれらの映画は、いずれも驚くほど耽美的。主人公たちの美しさは半端じゃない。それらが、むしろ大人の女達の美しさを覚醒させるものとなっている気がしてならないのだ。

少なくともそうしたお伽話には、魔法がつきもの。それは、女が化粧品に対して求める魔法と同じ。本来、化粧品は女が夢を託すものなわけで、言いかえれば、化粧品を信じて、ちゃんと暗示にかかる人ほど“化粧品が効く”といってもいい。つまり、“お伽話を信じる心”の 持ち主こそが、化粧品の効き目を引き出す能力を持っているということなのだ。

そういう背景からか、最近は“大人のお伽話”をテーマにしたような化粧品が次々とデビューしている。

妖艶な怪しい森に迷い込んだよう…新生アナ スイの暗示にかかるほどに、キレイになる

まずなんといっても、アナ スイのリニューアル。若い層はもちろんのこと、大人の女性にも絶大な人気を誇ったアナ スイのコスメは、ともかく持っているだけでキレイになれそうという暗示力が極めて高い化粧品。発売以来の大きなリニューアルを果たしたアナ スイは、その暗示力をさらにパワーアップさせ、ハリウッド映画が作るゴージャスでセクシーなお伽話の魔法を形にしたものになった。まさに魔法の杖のようなブラシが、魔法の鏡にチャームのようについている、それだけで女は燃える。そうした魔法は、むしろ大人の方が素直に受け入れると考えていい。いや、あくまで素直に受け入れてとことんキレイになってほしい。

2016年 秋コレクション「ミステリアス フェアリー テール」アナ スイ アイ & フェイスカラー 各¥1,200・アイ & リップカラー 各¥1,200・メイクアップ パレット[限定販売]¥1,500ほか(すべて税抜)
2016年 秋コレクション「ミステリアス フェアリー テール」アナ スイ アイ & フェイスカラー 各¥1,200・アイ & リップカラー 各¥1,200・メイクアップ パレット[限定販売]¥1,500ほか(すべて税抜)

もともとが官能的、ちょっと毒のあるイメージが人気のアナ スイ。リニューアルによって、さらにその神秘性が増していて、 ラインナップもまた見事にドラマティックなものになった。 質感違いを6タイプ、肌でも目元でも。また頬でも唇でも。 自在に使えるというフェイスカラーを48色。一気に揃えて、 その中から自分だけのシークレットなパレットをつくっていく。 まさに、メイクキャリアを積んだ大人ならばこその、大人のお伽話コスメ。

シンデレラの魔法の杖? 本当の処方マジックが今、話題のハイブリッドコンシーラー

ボビイ ブラウン リタッチング フェイス ペンシル シャープナー付き[コンシーラー] 全7色 各¥3,900(税抜)
ボビイ ブラウン リタッチング フェイス ペンシル シャープナー付き[コンシーラー] 全7色 各¥3,900(税抜)

一方、処方として、“シンデレラの魔法の杖”という異名をとるのが、ボビイ ブラウンのリタッチング ワンド。これがコンシーラーでもファンデーションでもない、ジェルでパウダーコーティングするような特殊な処方で、つけたそばから明るさや透明感が増し、カバー力もあるのに透き通らせる力もあることから、不思議な立体感が生まれるのだ。

ボビイ ブラウン リタッチング ワンド[部分用ファンデーション] 全5色 各¥4,900(税抜)
ボビイ ブラウン リタッチング ワンド[部分用ファンデーション] 全5色 各¥4,900(税抜)

最近はこうした、明快なカテゴリーに収めることができない、未知なるオプションアイテムが増えている。これもそのひとつで、既成のアイテムとはやはりはっきり違う。コンシーラーとして、あるいはハイライトとして使ってほしいが、その仕上がりは今までになかったもの。明るく透明度が高い膜を作るのに、カバー力も高い。まさに矛盾した作用を併せ持つからこその魔法。

かぐや姫の輝くような艶肌に…まさに私に魔法かけてくれるクッション登場!

そしてもう1品、まさにその仕上がりにお伽話の世界を再現しようとするのが、ジバンシイ。クッションタイプのファンデーションが大全盛の中、ほかと一線を画すのが、“かぐや姫の肌”を再現するジバンシィのクッションなのだ。かぐや姫は、竹の中でも光が漏れるほど自ら発光している、文字通り“玉のような艶肌”をもったお姫様。まさにかぐや姫の肌を思わせる輝き肌を再現するファンデーションと考えてほしい。

ジバンシイ タン・クチュール クッション ファンデーション SPF10 14g ¥6,500(税抜)
ジバンシイ タン・クチュール クッション ファンデーション SPF10 14g ¥6,500(税抜)

クッションファンデーションが大ブレイクしているけれど、 少しだけ後発になったにもかかわらず、 大きな注目を集めているのがこのジバンシイのクッション。それもまず、いささか不衛生になりがちなクッションタイプに、きちんと金属のタフをつけ、ジバンシイマークの小さな穴からファンデーションを滲み出させるという、まったく新しい形状が受けに受けている。そして何より、かぐや姫を思わせるような発光肌仕上げ。 大人のクッションとして見逃せない。

どうだろう、手に取るだけで自分に魔法がかかる気がするはず。そう思えた人からキレイになる。秋の夜長には「大人のお伽話コスメ」を意識して選んでみたいのだ。

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この記事の執筆者
女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『大人の女よ!も清潔感を纏いなさい』(集英社文庫)、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。好きなもの:マーラー、東方神起、ベルリンフィル、トレンチコート、60年代、『ココ マドモアゼル』の香り、ケイト・ブランシェット、白と黒、映画
クレジット :
文/齋藤 薫 撮影/戸田嘉昭、宗高聡子(パイルドライバー)