極上のネイビースーツがあればよい
スーツは、大人の男の看板服である。
ビジネスマンであろうと、なかろうと、安っぽいスーツを着るぐらいなら、いっそスーツなんぞ着ないほうがいい。若い頃からスーツにだけは金を遣っている。投資すべき基礎部分にはケチらない。東京ジェントルマンならこうこなくては。
ビジネス・アタイアの世界基準でいえば、まずグレーのシェイドをライト、ミディアム、ダークとそろえるのが正攻法。無彩色の持つ真摯で、落ち着いた印象は、まさにビジネス・カラーの王者といえる。しかし、その一方、人間的なニュアンスに欠けるきらいがある。そこで登場するのがネイビーである。
ネイビーとは限りなく黒に近いブルー。その名のとおり、海を感じさせるが、昼の太陽を受けた海ではなく、夜の海だ。光が乏しければ黒く沈み込むが、光を受ければ清潔で、洗練された気品をキラリ波間からのぞかせる。
言うなら「めかした黒」。ビジネスは言うまでもなく、ナイトライフにも抵抗なくスライドしていく懐の深さが東京らしい。
Point1[仕立て]自然な肩のラインに沿ったやわらかな仕立ての絶品スーツである
Point2 [生地]光の加減によって豊かに表情を変えるネイビーの醍醐味
Point3[パンツ]細身でもなく、決して太くもない、ミディアムなラインがパンツの王道!
【Brioni/ブリオーニ】イタリアスーツ最高峰のツヤのあるネイビーを堪能せよ
1945年に創業以来、国際的な舞台で極上となるスーツを手がける。新しいモデルの『マディソン』は、ブリオーニ伝統の仕立てを受け継ぎながら、コンパクトに進化した伊達男好みの一着だ。ピンホールカラーのシャツと、絶妙なツヤを湛えたシルクのプリントタイで、ネイビースーツを色っぽく着こなしたい。スーツの基本色にして、応用範囲の広いネイビーこそ東京ジェントルマンのスタイルの核となる。
【Ralph Lauren Purple Label ラルフ ローレン パープル レーベル】ネイビースーツの保守本流
薄手のウールを使い、ていねいに仕立てた、シングル2ボタンのノッチドラペル。スーツの正統的なデザインを堂々と着こなせることが、紳士の条件であり、本物のスタイルを知り尽くした矜持でもある。白無地のシャツにネイビー基調のタイを合わせ、保守本流のネイビースーツの着こなしを表現する。足元は堅牢な黒靴がふさわしい。
【Kiton/キートン】ナポリが生んだ、世界に誇る極上のネイビースーツをまとう
しなやかな肩のラインや襟まわりから、体に吸いつくような軽い着用感を得られる、極上の手縫い仕立てがキートンの神髄である。若干青みを帯びたツヤのある生地が、絶妙な色気をかもし出す。ネイビースーツの伝統を受け継ぐ精神が、紳士ゆえの心得である。
※価格はすべて税抜です。※価格は2016年春号掲載時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
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- クレジット :
- 撮影/熊澤 透(人物)スタイリスト/櫻井賢之 ヘア&メーク/MASAYUKI (the VOICE)モデル/Yaron