「乃が美」をはじめ、高級食パンのブームは相変わらず続いています。そんななか、ブームよりもずっと前からこだわりのおいしい食パンを提供し続けている兵庫発の専門店が「bakery 点心」。

添加物と卵を一切使わず、「耳までふんわりやわらかい」と謳っているとおりフワフワの食感がたまらない食パンは評判を呼び、2018年10月に東京進出を果たしています。

今回は、そのおいしさの秘密と、よりおいしくいただくコツを教えていただきました。

「bakery 点心」の食パンを最もおいしく味わう方法

生でちぎって食べたあとは、トーストで違った食感を楽しむ

bakery 点心の店舗は、飾り気のないシンプルな外装で、店内には焼きたての食パンの良い香りが漂っています。お話を伺ったのは、bakery点心の代表、板野隆志さん。

bakery 点心の食パンは「ちぎって食べることをおすすめしています」ということですが、それはなぜかというと「切れないほどやわらかいから」なんです。

そのやわらかさのポイントは、形になるかならないかという限界まで生地を練り込んでいること。それによって、最高のふわふわ感が実現しているそうです。焼きたてを手でちぎってみると、フワッと湯気がたちのぼって、ちょっと強く持ったらすぐにつぶれてしまいそうなくらい、見るからにやわらかい生地でした。

そのため、基本は「生で、ちぎって食べる」ことを推奨していますが、1日2日たった食パンは「トーストする」ことでまた違った食感を楽しめ、おいしく食べられるとのこと。

元々中華のシェフだった板野さんがこだわっている中華的な手法として、油分を多めにして水と油の反応を生かしたサクサク感を出しているといいます。

ちなみに、買ってきた食パンを切って保存したい場合は、まず2時間ほど冷蔵庫で寝かせると切っても形が保てるそう。

「1枚ずつ切ってラップをしてアルミホイルを巻いて、冷凍庫に入れたら1か月くらいは保存できます。面倒だったらフリーザーパックに入れて冷蔵してもOK。冷凍保存した食パンは、そのまま出してトーストすれば買ってきたときの食感がよみがえりますよ」(板野さん)

もちろん焼きたてをすぐにいただきたいところですが、頻繁にお店まで行けない方や、通信販売で購入する方にとっては、一度にたくさん買いたいときもありますよね。保存次第で1か月ももつというのはうれしい情報です。

「誤解してほしくないのが、添加物がないということは、すぐダメになるということではなくて、余計なものが入っていないから、そのままでも実は1週間くらいはもつんです。ただ、買ってきたときの風味をそのまま保ちたいのであれば、早めに冷凍保存するというのがいいかと思います」(板野さん)

ラスクとサンドイッチもお店の看板商品!

さらに、bakery 点心の食パンに合う食べ物を伺ったところ、板野さんが挙げてくれたのは「りんごとアールグレーのジャム」。

これは、bakery 点心と兵庫・都ホテル ニューアルカイックのスイーツ職人とのコラボ商品で、年末~年始にかけて期間限定で販売される商品。残念ながらいつでも購入できるものではないですが、コラボ商品というだけあってbakery 点心の食パンと合っておいしいそうです。

点心のオリジナルラスクと、コラボジャム2種類と食パンがセットになって販売されるこちらの商品、今年の年末も要チェックですね。

bakery 点心の「ラスク」

ちなみに点心の人気商品でもあるオリジナルラスクとサンドウィッチも、点心の食パンを楽しむうえで欠かせない商品。

ラスクは、中華のシェフならではの発想でつくられています。

「夏祭りに参加してほしいと依頼があったときに、食パンを耳つきでコマ切れにしてオーブンで空焼きし、いもの飴だきみたいな感じで中華鍋で飴を絡めて出したらバカ売れしたのが始まりです。

今ではお店の看板商品で、パンが余ったらつくるはずが、ラスク用にパンをつくらなきゃいけなくなった(笑)。うちのラスクは油を使っていなくて食べやすいので、食べ過ぎてしまう人もいると思います。地方発送でラスクだけを頼んでくる人もいるくらいです」(板野さん)

bakery 点心の「オリジナルサンドウィッチ」

オリジナルサンドウィッチは、ひと晩寝かせた食パンを耳つきのまま9~10枚にスライスして、いろいろな具材を挟んだ人気商品です。卵サンドなどの定番商品に加えて、エビチリや鶏チャーシュー、豚ヒレハム、棒棒鶏など、中華のメニューがずらりと並ぶのが点心らしいところ。

豚ヒレハムは、刻んだアーモンドが入っており、変わった食感が楽しめます。棒棒鶏は、ピーナッツとマヨネーズを混ぜているところがポイントです。もちろんすべて手づくりで、本格中華の味が楽しめるとあって特にお昼どきは大人気。中華料理が食パンに合うというのは意外な発見でした。

一番人気の「食パン」

最後に、bakery 点心の原点について教えていただきました。

「10年前のコックからパン屋に転身する前、子どもができて、“食の安全”について考えるようになりました。その当時、中国の『段ボール肉まん』の報道があったりして、食の偽造が騒がれたときだったんです。それが嫌になり、安心・安全なものを提供したいと思ったのがパン屋を始めるきっかけでした。

ただ、パン屋で修業しようと思ったらどこも相手をしてくれず、やっと機械だけ1か月貸してくれるところを見つけられたんですが、つくってみても最初はまったくつくれない、形にもならない。

そんなときに、毎日試行錯誤しながら、尼崎のテント暮らしの浮浪者の方に『毎日捨てるのはもったいないから食べてください』と試作品をあげるようになりました。いつしか50人くらい集まるようになって、『今日のパンはめっちゃうまいで』と言ってもらえた日があったんです。

そこで完成されたのが、今の点心の食パンです。そこから、点心の味は一切変わっていません。

そのとき感想を言ってくれた方に会いたいのですが、何せもう10年も前の話ですからね。実はなかなかのお偉いさんだったのかなって思っています」(板野さん)


「bakery 点心」は現在、兵庫・大阪・東京で4店舗を展開。また、食パン1本から全国発送もしています(地域によっては無料配達)。ぜひ焼きたてを生でちぎって、翌日以降はトーストをして、何度でもそのおいしさを味わってくださいね!

問い合わせ先

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この記事の執筆者
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WRITING :
こばやしあさみ