巧みなディテールが際立つビスポーク風のスーツをより一層エレガントな着こなしにするためには、個性の光るアクセサリーが必要である。デザインや素材、色彩やディテールにこだわった上質なアクセサリーは単品でも十分に存在感があるため、スーツとコーディネートしたときに、圧倒的なスタイルをつくり上げる。コンビカラーの靴や爽やかなパナマ、素材に凝ったタイなど、男がスーツをさらに艶っぽく着こなすための名脇役を紹介したい。

■サスペンダー
ストライプのデザインをあえて見せる着こなしで
スーツスタイルを格上げする

¥15,000(ハケット ロンドン 銀座)
¥15,000(ハケット ロンドン 銀座)

ブレイシーズ(サスペンダー)は、パンツを支える機能的なアイテムだけではなく、あえて見せるのも着こなしの技術だ。ベルトレスのパンツに、ヴィンテージの香りが漂うブレイシーズを装着。鮮やかなグリーンとネイビーのストライプがポイントになり、トレンドのスタイルを演出する。

■タイバー
タイをエレガントに引き立てる、小さな脇役

左/繊細なギョーシェ彫り。¥26,000(リシュモン ジャパン〈ダンヒル〉)右/素材はシルバー925。¥32,000(リシュモン ジャパン〈ダンヒル〉)
左/繊細なギョーシェ彫り。¥26,000(リシュモン ジャパン〈ダンヒル〉)右/素材はシルバー925。¥32,000(リシュモン ジャパン〈ダンヒル〉)

個性的な素材や大胆な柄のタイを合わせることで、ビスポーク風のスーツが引き立つ。タイをエレガントに締めるにはタイバーが重要。胸元をふくらませるようなバランスで、タイを固定する。

■靴
丹念に染め上げた抽象画のような色合いでビスポーク感を演出

¥189,000(メゾン コルテ青山)
¥189,000(メゾン コルテ青山)

元々はビスポーク用のモデルだった靴を、プレタポルテで展開。プレーントウの内羽根タイプのレースアップは、上品なたたずまいが魅力だ。黒とボルドーで仕上げた艶のあるコンビカラーとしなやかな曲線を描いたパーフォレーション(飾り穴)が相まった、唯一無二のエレガンスを備えた一足だ。

■ネクタイ
ヴィンテージシルク調の味のある素材を胸元に

左/肉厚のシルク。¥18,000(ビームスハウス 丸の内〈フランコ バッシ〉)右/セッテピエゲ仕様。¥32,400(アルソーレ〈タイ ユア タイ〉)
左/肉厚のシルク。¥18,000(ビームスハウス 丸の内〈フランコ バッシ〉)右/セッテピエゲ仕様。¥32,400(アルソーレ〈タイ ユア タイ〉)

スーツスタイルのイメージはタイの選び方で決まる。ビスポーク風のスーツには、光沢感のあるシルクのタイよりも、生地表面に素材の織り柄や凹凸感を備えた、特徴的な質感のタイを選びたい。

上質なトキヤ草を使用したダンディ極まるパナマ帽

¥53,000(ボルサリーノ ジャパン)
¥53,000(ボルサリーノ ジャパン)

ダンディな帽子は、スーツスタイルを完璧に仕上げるアイテムだ。イタリアの名門帽子ブランドのボルサリーノは、極上の自然素材となるトキヤ草を密に編み込んだパナマ帽を展開。ネイビーでも、ベージュのビスポーク風スーツでも、より気障なスタイルを演出できるのが、小粋な白のパナマ帽である。

スリーピースに必須の、艶のある大人の小道具

全長40㎝。¥230,000(トム フォード ジャパン)
全長40㎝。¥230,000(トム フォード ジャパン)

チェーンの先にあるオニキスの片方を取り外し、42㎜サイズのアップルウォッチが取り付けられるデザインが革新的。クラシックなヴェストをコーディネートしたビスポーク風のスーツを着た際、ヴェストのポケットからフォブチェーンを取り出す、さりげない伊達男の仕草を演じたい。

いかがだろう? スーツを引き立てるにふさわしいアクセサリーが見つかっただろうか。スーツコーデを楽しみたいのなら、アクセサリーにもこだわりたい。

※価格はすべて税抜です。※価格は2016年夏号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
BY :
MEN'S Precious2016年春号「この春、スーツはビスポークの香りをまとうべし」より
ヴィットリオ矢部のニックネームを持つ本誌エグゼクティブファッションエディター矢部克已。ファション、グルメ、アートなどすべてに精通する当代きってのイタリア快楽主義者。イタリア在住の経験を生かし、現地の工房やテーラー取材をはじめ、大学でイタリアファッションの講師を勤めるなど活躍は多岐にわたる。 “ヴィスコンティ”のペンを愛用。Twitterでは毎年開催されるピッティ・ウォモのレポートを配信。合わせてチェックされたし!
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クレジット :
撮影/唐澤光也(パイルドライバー/静物) スタイリスト/大西陽一(RESPECT) 構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA)