フェスティバル・ミューズの中谷美紀さんがフランス語でも挨拶
1993年より日本にて開催されているフランス映画祭は、2018年よりその場所を横浜に移し、「フランス映画祭2019 横浜」として、今年も2019年6月20日(木)〜6月23日(日)まで、みなとみらいエリアを中心に開催されます。
フランスを代表する映画監督や俳優が来日するほか、日本未公開のフランス映画の上映、トーク&イベントやサイン会など、4日間と短期間ながら盛りだくさんの内容となっています。
この映画祭を一層華やかに盛り上げるフェスティバル・ミューズに選ばれたのは、女優の中谷美紀さん。記者発表では、見事なフランス語と日本語でご挨拶されました。ちなみに、着用されているドレスなどはすべてシャネルのものと、フランスへの敬意が感じられます。
「フランス映画は皆さまご存知の通り、リュミエール兄弟が映画という素晴らしい芸術をこの世にもたらして以来、人々の心に寄り添い、誰かが言えなかった言葉を代弁し、ときには社会に対して問題提起をする存在であり続けました。
そうした映画の数々を、この横浜におけるフランス映画祭にて再びご覧いただくことがかないます。横浜の街は港町でして、皆様もご存知かと思いますがカンヌの街に少し似ています。映画もさることながら、そういった街の風情も楽しんでいただけましたら幸いです。ぜひ皆様のご来場をお待ちしています」(中谷美紀さん)
あなたを「幸福にしてくれる」映画を見つけてみませんか?
この映画祭を主催するユニ フランスの代表であるイザベル・ジョルダーノさんは、先ごろ行われたカンヌ映画祭から帰ってきたばかり。フランス映画祭2019でも映画監督によるQ&Aやマスタークラスが行われますが、カンヌ映画祭でも同様のクラスが開催されているそうです。
イザベルさんはそこで、俳優のアラン・ドロンのマスタークラスを聴講。アラン・ドロンは俳優からの引退を宣言し、現在は第一線からは退いていますが、後進の育成に登壇されたようです。
「講演のそのあとにアラン・ドロンさんとランチをご一緒してまいりました。そのときに彼がおっしゃったのが、『自分の人生のなかでひとつ重要なことがある。それは、映画が自分を幸福にしてくれたということだ』ということ。私も今回の横浜フランス映画祭で上映される作品が皆様を幸福にしてくれればと思っています」(イザベル・ジョルダーノさん)
フランス映画界の重鎮 クロード・ルルーシュ監督がフランス代表団・団長で来日!
今回のフランス映画祭2019 横浜では、多くの監督や俳優が登壇しますが、その代表団の団長としてクロード・ルルーシュ監督も来日します。
この来日について中谷美紀さんは「今回初めて『男と女』『白い恋人たち』『愛と哀しみのボレロ』など多くの作品をつくられたクロード・ルルーシュ監督が来日されるということで、お目にかかれることが本当に光栄です」とうれしそうに語っていました。
「10代のころからフランス映画は大好きでした。初めて観たのはジャン=リュック・ゴダールの『気狂いピエロ』や『勝手にしやがれ』、フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』であるとか、少しずつ映画を観始めた記憶があります。」
さらに中谷さんは、フランス映画の魅力について、ハリウッド映画のエンターテイメント的なものとは違う魅力があるといいます。
「フランス映画にはただ女性を美しいとか、ただ男性がハンサムなだけではなく、光と影を本当に大切にとらえ、人々の人生をつぶさに見つめ、そして弱者に対しても温かいまなざしを向けている。それがフランス映画のよいところで、また、ときにピリッと辛口になるとか、味わえるのも醍醐味だなと思っています」
以下、そんなフランス映画の魅力が詰まったおすすめ作品を4つピックアップしました。フランス映画祭終了後、各地での上映も予定されていますが、ひと足先に観るチャンス。いずれの作品も上映時に監督や俳優の登壇も予定されています。
『アマンダと僕』Amanda
突然の悲劇で姉を亡くしたダヴィッド。悲しみに暮れる彼は、身寄りのなくなった姪アマンダの世話を引き受けることに。同じ悲しみを抱えるふたりの心の交流を描く感動作。第31回東京国際映画祭で東京グランプリを受賞。
『ディリリとパリの時間旅行』Dilili à Paris
奇才ミッシェル・オスロ監督の最新作は、ベル・エポックの美しいパリを巡る物語。南の島からきたディリリと友人オレルが、誘拐事件の謎を解く。鍵をにぎるのは、ピカソ、ロートレック、サラ・ベルナール、キュリー夫人など時代を彩る天才たち。
『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』Le Grand Bain
フランス版『ウォーターボーイズ』の主役は、なんとシンクロおじさん! さえないおじさん8人が、人生のリスタートをかけ、シンクロに挑む! 本国で400万人動員の大ヒット作。フランス映画ファンならずとも知る名俳優たちがコミカルな姿を見せています。
『シノニムズ』SYNONYMES
パリ在住のイスラエル人・ヨアヴは、フランスに帰化しようと奮闘中。フランスが自国の狂気から自分を救ってくれると信じて…。他国へ移住することの難しさをシニカルにユーモアを交えて描く。第69回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。
問い合わせ先
- フランス映画祭2019 横浜 TEL:050-5541-8600(8:00~22:00 2019年6月25日まで)
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 北本祐子