派手なスタイルに秘められたランボルギーニの「硬派一直線」 

 
 

さらなるスピードを求めて・・・・・

今年3月のジュネーブ・モーターショーで発表された最新モデルが、早くも日本上陸。
今年3月のジュネーブ・モーターショーで発表された最新モデルが、早くも日本上陸。

今回はDJブースまで設置されている。イタリア随一のスーパー・スポーツカーブランドならではのゴージャスな世界観は、クラブ遊びに慣れた世代(ディスコではない!)にピンと来るものがあるのだろう。実際、派手なスタイリングと轟音を奏でる多気筒エンジンは、とかく派手なイメージでとらえられがちだ。ただし、クルマは決して軟派ではない。むしろ、作り手は至極まじめにスポーツ性能を磨き上げようと切磋琢磨している。その最新の成果が、このたび日本デビューを果たした、「ウラカン ペルフォルマンテ」である。

変幻自在の空力システムを装備!

巨大なリアスポイラーは、空気の流れが内部で左右独立している。旋回中はイン側のフラップを閉じることで、より曲がりやすくなるという。
巨大なリアスポイラーは、空気の流れが内部で左右独立している。旋回中はイン側のフラップを閉じることで、より曲がりやすくなるという。

5.2リッターのV型10気筒エンジンを積む「ウラカン」シリーズが登場したのは2014年。それから3年を経て開発された「ウラカン ペルフォルマンテ」は、シリーズ中もっとも硬派なバリエーションだ。まずエンジンはチタン製バルブを採用したほか、排気系を改良し、最高出力は640PSに達する。また、最大トルクは600Nmで、その7割をわずか1000rpmで発揮するという。ターボチャージャーやスーパーチャージャーの過給器もなしに、である。この数字だけでも圧倒されるが、むしろ最大のトピックは専用に開発された空力システムにあり、前後のスポイラーに内蔵されたフラップを動かすことにより、走行状況に応じた空力性能を発揮する。加速時には空気抵抗を減らしてスピードアップに貢献し、制動時にはフラップを閉じて強力なダウンフォース(上から押さえつける力)を発生させるほか、リアスポイラーは旋回時にも効果を発揮する設計だ。

量販車史上最速の称号

ドアハンドルやセンターコンソールはカーボン素材で作られている。オーダーによるカスタマイズも自在だ。
ドアハンドルやセンターコンソールはカーボン素材で作られている。オーダーによるカスタマイズも自在だ。

そのほかにもブレーキやサスペンション、タイヤ&ホイールを専用装備とし、ボディもカーボン素材を多用することで40kgの軽量化を果たしたという。その結果、スポーツカーの聖地であるドイツのニュルブルクリンク・サーキットで、量販車としては史上最速のラップタイム、6分52秒01を記録した(2016年10月)。これだけのパフォーマンスをいったいどこで試すのかはともかく、ひたすらに速さを追求するランボルギーニの情熱には驚かされる。ただ派手なだけではなく、独自の哲学に基づいた不良性......。そんな唯一無二のクルマを乗りこなし、"着こなす"には、オーナーも相当な覚悟と精進(特にドライビングテクニック)が求められるであろう。

〈ランボルギーニ・ウラカン ペルフォルマンテ〉
全長×全幅×全高:4506×1924×1165㎜
車両重量:1382kg
排気量:5204cc
エンジン:V型10気筒DOHC
最高出力:640hp(PS)/8000rpm
最大トルク:600Nm/6500rpm
駆動方式:2WD
トランスミッション:7DCT
価格:3,416万9,904円(税込)
問い合せ ランボルギーニ カスタマーセンター TEL:0120-988-889

この記事の執筆者
TEXT :
櫻井 香 記者
2017.6.29 更新
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。