ファッションブランド「シャネル」、「フェンディ」、そして「カール・ラガーフェルド」が共同ホストとなり、ファッションデザイナー、カール・ラガーフェルドの追悼式がパリのグラン・パレで開催されました。招待された2,500名はファッション界だけでなく、政財界のAリストセレブが勢ぞろい。
ティルダ・スウィントンやヘレン・ミレン、ファレル・ウィリアムズ、カーラ・デルヴィーニュといった豪華な出演者によるパフォーマンスも気になりますが、本記事では会場のムードを品格あるものに引き締めていた、イベントの趣旨を意識したゲスト達のモノトーンファッションをクローズアップします。
ぜひ、フォーマルな席の着こなしの参考にしてみてください。
品格ある着こなしがマナー!厳粛さを感じさせる、フォーマルな「モノトーンスタイル」6選
■1:華やかな白も、落ち着いたツィードとシックなデザインで敬意ある装いに
こういった会で一番気をつけたいのは、「決して主役にならない」ということ。華やかなパーティーと違い、故人に寄り添うような、悪目立ちしないスタイルであることが重要です。
アメリカ版『ヴォーグ』編集長のアナ・ウィンターが選んだのは、シャネルの白のワンピースにシルバーのクラッチ。
長年の間、同ブランドを手掛けたカールへの敬意を感じさせるとともに、一見華やかな白も、シンプルなロング&リーンなシルエットや、落ち着いたツィードを選んだことで派手になり過ぎることを回避しています。合わせた大きめのジュエリーやメタリックなバッグが、シャネルらしさとクラス感をプラスしています。
■2:ロイヤルな雰囲気を感じさせる、上品なレースのセットアップ
ファッションデザイナー、ステラ・マッカートニーは英国人らしく、まるでロイヤルファミリーのようなコーデで登場。
首の詰まった長袖のトップスに膝下のミディ丈のセットアップは、繊細なレースと引き締まったウエストラインがさりげなく洗練されています。顔にかかるネットのヘアアクセサリーと大振りのピアスがコーデのアクセントに。
型押しのクラッチやサテンヒールは黒で統一し、コンサバだけれどセンスを感じさせる、品格ある着こなしを完成させています。
■3:ディテール重視のメンズライクなミニマムスタイル
パートナーでモデルのヨハネス・ヒューブルと現れたのは、ソーシャライトのオリヴィア・パレルモ。等身大のスタイルが人気の彼女が選んだのは、黒のジャケットにパンツ、白のシャツといった、これ以上にないほどのミニマムな組み合わせ。
しかし、襟やポケットに控えめに入ったラインが印象的なジャケットに、バックが長く、立てた襟が特徴的なシャツを合わせるなど、ディテールに凝った組み合わせは、洗練度抜群。フラワーモチーフのネックレスやバッグがラブリーな彼女らしさを加えています。
■4:フレンチシックを代表する、ロマンティックなモノトーンスタイル
グレース・ケリーの娘、カロリーヌ・ド・モナコ(左)とその娘のシャルロット・カシラギ(右)は、シャネルのアイコンを散りばめたモノトーンスタイルで出席。
ふたりとも胸元のリボンや透ける素材感でロマンティックな雰囲気を盛り上げ、繊細でゴージャスなダイヤモンドのジュエリーをつけることで、モノトーンスタイルをラグジュアリーに仕上げています。クラッチや足元もシャネルを代表するデザインを選び、偉大なデザイナー、カール・ラガーフェルドへの敬意を感じます。
■5:知的シンプルな定番スタイルをモードなモノトーンで
フランスのファーストレディーであり、すでにファッションアイコンとしても注目を集めているブリジット・マクロンは五分袖のミニワンピースで。
エイジレスな彼女の魅力である、美しい膝下を活かす膝上丈のワンピースは彼女の定番ですが、会の趣旨を意識してオールブラックをチョイス。質感の違うベルトがポイントになり、ミニマムなデザインに遊びを加えています。
合わせたバッグもパーティー向けというには大きいサイズ感で、ビジネス色の強いもの。自分の役割や立場をわきまえた着こなしには、スーツ姿の男性に囲まれても、媚びない知性があります。
■6:'80年代風スーツをトレンドアクセでフレッシュに!
モデルのジジ・ハディッドは'80年代風のショルダーで、大きなシルエットのツイードスーツで登場しました。
シルエットや丈感など、マダム風な印象の黒スーツは、彼女を普段とはまったく別人のように見せています。しかし、素肌に着たジャケットの大きく開いた胸元に合わせた、今年のトレンドである海を感じさせるパールやシェルのアクセサリーで一気にジジらしいフレッシュな着こなしに。
最近増えている「お別れ会」や、品格ある装いが求められるフォーマルなイベントは、何を着たら良いのか、実は戸惑いがちです。そんなときに取り入れたいのが、今回セレブたちがチョイスしたモノトーンスタイル。テイストや質感はさまざまですが、色味を抑えることできちんと感をキープしています。
ぜひ彼女たちの着こなしを参考に、ナイーブになり過ぎず、自分らしいフォーマルを目指してください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 神田朝子