昨年秋に日本初上陸し、フレグランス上級者達を魅了しているのが、香水界のロールスロイスと称される「キリアン」。
その創設者であるキリアン・ヘネシーが先日来日し、プレスカクテルイベントが催されました。「キリアン」の名に覚えがなくても、ヘネシーというファミリーネームは聞き覚えがあるはず。
そう、創設者のキリアン・ヘネシーは世界的なコニャック メゾンに生を受け、その血筋に流れる才能とビジョンを香水の世界で開花させた人物なのです。
フレンチラグジュアリーの貴公子が紡ぐ二面性を表現した香り
■「城のコニャックセラーの香りが全てのフレグランスに息づいている」
2007年に創設された「キリアン」が展開するのは20種の香り。
愛と決断、原罪と無垢、闇と光……そんな二面性を色濃く描いた香りは、すべてが濃厚で甘美。時に、つける者を選ぶかのような強烈な個性を発揮しますが、その気高さこそ、フレグランス上級者達を虜にする最大の魅力です。
「キリアン」のパルファムは、フレッシュ、ナーコティック、セラー、スモークの4つのカテゴリーに分けられていますが、「幼い頃に過ごした城のコニャック セラーの香りが、自分が作り出す、ほぼ全てのパルファムに息づいていると感じます」とキリアン自身は語っています。
■「私はずっとパルファムを可視化したいと思っていた」
「私にはずっと、パルファムを可視化したいという願望があります」との言葉を叶える手法の一つが、ボトルを収める塗りの施されたケース。
ある旅先でパーティに出かける直前にバッグを忘れた事に気付いた彼の妻が、このケースの一つをクラッチバッグとして使った事にヒントを得て、現在のクラッチケースが誕生したというエピソードも。
トラベル スプレィにも精巧な彫りを施すなど、それを置くだけで空間を特別なものに変えるラグジュアリーな存在感を放ちます。
■「好きな映画は『カサブランカ』と『風と共に去りぬ』」
キリアン自身のファッションスタイルは、オーダーメイドの白シャツ、ブラックジャケットまたはジレ(ベスト)、デニム、ブーツ。
「毎朝悩まないように、クローゼットはこれがすべて」と彼は笑いますが、シャツのボタンを胸元まで大胆に開けても、エレガンスを失わないのは、やはり伝統的なフレンチラグジュアリーの世界で生まれ育った血筋と言えそう。
逆に「嫌いなのはストリートウェア」と明言。好きな映画は『カサブランカ』『風と共に去りぬ』『めぐり逢い』で、ハンフリー・ボガードやクラーク・ゲーブルを敬愛している事からもわかるように、オーセンティックでエレガントである事がクリエイションの根底に貫かれています。
■「完璧なルージュ(赤)を手にした女性は無敵」
今秋には、「キリアン」初のメイクアップラインである「ル ルージュ パルファム」コレクションが発売。
12本の口紅からなるこのコレクションは、明るさの異なる6色の真っ赤なリップカラーで、それぞれの色にマットとサテン2種類のテクスチャーが用意されています。
「完璧なルージュ(赤)を手にした女性は無敵」とキリアン・ヘネシー。ネロリやバニラが香り立つという演出も、このブランドならでは。パルファム同様、自身の魅力を最大限に引き出す「武器」となりそうです。
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本格的な夏を迎え、開放的な気分を楽しむ季節の到来です。「キリアン」の甘美な香りで、夏の思い出のひとつひとつをドラマチックに演出してみてはいかがでしょうか。
※商品の価格はすべて税抜です。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 川原好恵