英国はロンドン、ブルームズベリー地区にあるラグジュアリーホテル「シャーロットストリートホテル」の魅力とは?

ラグジュアリーマガジン「Precious(プレシャス)」の取材班がロンドン取材に訪れた際、滞在したホテルがあまりに素敵だったので、本記事でその魅力をしっかりとご紹介したいと思います。

かつて薬局だったという建物は、いかにも英国といったレンガの外観に可愛らしい窓が並びます。夏にはエントランス前にアイスクリームワゴンが出され、オープンテラスはおしゃべりを楽しむ人で賑わって。

レンガ造りの建物とセージグリーンに塗られたエントランス周辺画像
レンガ造りの建物とセージグリーンに塗られたエントランス周り、ストライプの日よけ。英国らしさに溢れつつ、女ごころをくすぐる可愛らしさもある外観。
ホテル前のカラフルなアイスクリームワゴン画像
ホテル前にはカラフルなアイスクリームワゴンが。道ゆく人々の目を引きます。

中に入ると、まず出迎えてくれるのがホテルのマスコット的存在の黒い犬のオブジェ。レセプションには見ているだけで楽しくなるファブリック使いのソファやアートが配されています。

エントランスを入ってすぐにある黒犬のオブジェ画像
ころんとしたフォルムがほほえましい黒犬のオブジェは、エントランスを入ってすぐに。
エントランス横のモダンな絵と凝ったファブリックのソファ画像
エントランス横には、モダンな絵と凝ったファブリックのソファのコンビネーション。
ラグとソファの色合わせが素敵なレセプション画像
ラグとソファの色合わせが素敵なレセプション。色々なテイストがミックスされつつ、どこか温かみがあって居心地がいい。

ひと部屋ごとに異なるインテリアはカラフルで自由!デザイナー、キット・ケンプさんの感性に脱帽

広々としたジュニアスイート画像
200号室は広々としたデラックス・ジュニア・スイート。インテリア全てのものが専用にデザインされているため、「ここにしかない!」という特別感が漂って。1泊558ポンド~

全部で52室あるお部屋は、いずれも個性的でチャーミング。このホテルのデザイナー兼オーナーでもあるキット・ケンプさんは、ファブリック使いに定評があり、室内に布がもたらす質感やムードをとても大切にしているのだとか。

英国らしいクラシックな花柄のファブリックは、そんな彼女の代名詞ではあるものの、そのあしらい方はとても大胆で自由!例えば、ジュニアスイートの200号室では、幾何学柄やヘリンボーン柄、マルチストライプなど、異なる柄や素材とどんどんミックスされています。

思いもよらないような刺激のある組み合わせがなぜか温かくくつろいだ雰囲気に繋がっているのも、このホテルだけのたまらない魅力といえるでしょう。

花柄、幾何学柄にマルチストライプ、ハッピー感のある柄が溢れるジュニアスイートの画像
花柄、幾何学柄にマルチストライプ、ハッピー感のある柄の洪水!
ジュニアスイートの窓際画像
ジュニアスイートの窓際はコージーなスペースに。
グレイッシュな水色の壁が美しい305号室画像
グレイッシュな水色の壁が美しいクイーンルーム、305号室。シックな壁の色に、赤やオレンジ、黄などいきいきした色柄のファブリックが楽しさを呼んで。1泊342ポンド~
305室のためだけに作られたソファやカーテンの画像
ソファやカーテンもこの部屋のためだけに作られたもので、唯一無二の空間に。この305室含め、いくつかのお部屋には、このホテルのアイコンでもあるトルソーが飾られて。
203号室前のイメージボード画像
真っ赤な廊下の壁にはアートに混ざって、お部屋に使われているファブリックをコラージュしたイメージボードのようなものが飾られています。こちらは203号室前のイメージボード。このファブリックがどんな風に室内で使われているのかをついつい想像してしまいます。

アートに小説…ラウンジでは20世紀初頭のイギリス文化を感じて

ロンドンきっての文教地区、ブルームズベリー地区に位置するシャーロットストリートホテル。20世紀初頭には、この地区を名に持つブルームズベリー・グループと呼ばれる私的サークルがありました。

小説家に画家、美術評論家、経済学者などが集ったこのグループは、結成メンバーに、ヴァージニア・ウルフがいたことでも有名。大戦下に平和主義について語り、時代に先駆けてフェミニズムを唱えるなど、革新的な信条で賛否両論を呼びます。

シャーロットストリートホテルのラウンジ「ドローイングルーム」には、ロジャー・フライ、ヴァネッサ・ベル、ダンカン・グラントといったブルームズベリー・グループの一員だった画家の作品がいくつも飾られています。

ゆったりとしたソファに身を沈めて、絵を眺めながら、20世紀前半のイギリス文化に思いを馳せて過ごすのもよいかもしれません。

画家の作品が楽しめるラウンジ「ドローイングルーム」画像
ロジャー・フライをはじめ、ブルームズベリー・グロープの画家の作品が楽しめるラウンジ「ドローイングルーム」
「ドローイングルーム」に続くライブラリー画像
「ドローイングルーム」に続くライブラリー。

モダンからクラシックまで多様なホテルを擁するロンドンでも、ひと際、個性的でチャーミングなシャーロットストリートホテル。訪れた後、インテリアやアートへの関心がぐっと深まり、続く日々が豊かになることが滞在者へのいちばんのお土産といえそうです。

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TEXT :
Precious編集部 
2020.3.9 更新
美しいものこそ贅沢。新しい時代のラグジュアリー・ファッションマガジン『Precious』の編集部アカウントです。雑誌制作の過程で見つけた美しいもの、楽しいことをご紹介します。
PHOTO :
Colin Roy
COOPERATION :
Akemi Roy