男の巻き物、特にシルクのスカーフは、簡単なようで難易度が高い。巻くだけで、’70年代のパリにタイムスリップしてしまう感じ―と言えばいいだろうか。その高貴な雰囲気に、ちょいと尻込みしてしまうのである。俎上にのせるのはルイ・ヴィトンのスカーフである。

素材は極上のシルクで、90㎝×90㎝の中判サイズ。スペックだけ見れば貴族度は満点だが、今季のコレクションは、カンボジアやラオスの旅から着想したというプリントのモチーフが、極めてワイルド。ツヤやかなシルクにストリート感覚のプリントが加わって、全体の雰囲気は、まるで〝スカーフ版スカジャン〟。こいつなら照れずに巻くことができそうなのだ。

旅を愛し旅を育んできたブランドは、このサイズのシルクスカーフを、あえて「バンダナ」と呼ぶ。ならば、アメリカの古着のそれのように、使い倒すのが正解。今夏の休暇にこれほどふさわしい相棒はない。

[縦50×横50㎝](ルイ・ヴィトン クライアントサービス)

[縦50×横50㎝](ルイ・ヴィトン クライアントサービス)

売り切れ必至のシルクバンダナは、一般的に知られるバンダナ(大判のハンカチサイズ)より大判設定のため、巻き方しだいで襟元のお洒落が無限大に広がる逸品。写真のブルー×豹のほか、レッド×鶴のモチーフもあり。同柄で、ポケットチーフやタイ、ブランケット等も展開。

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2016年夏号「絹」名品の華奢な艶めきよ
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クレジット :
撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー)文/増田海治郎