ソールの薄い華奢なドレスシューズは、軽快さやスマートなスタイルをつくれるが、信頼される男としての安定感はやや乏しい。どっしりと地面に足の着いた、重厚感のある靴にこそ男らしさがにじみ出る。コバの張った、つま先の丸い黒靴でハードボイルドな気分を盛り上げたい。

正統かつ存在感を示す大人の黒靴
分厚いソールの黒靴で伝統のフランネルスーツの着こなしを支える

靴¥160,000(J.M. WESTON青山店) スーツ¥175,000(トゥモローランド 丸の内店〈カルーゾ〉) ソックス¥1,900(ビームスF 新宿〈ビームスF〉)
靴¥160,000(J.M. WESTON青山店) スーツ¥175,000(トゥモローランド 丸の内店〈カルーゾ〉) ソックス¥1,900(ビームスF 新宿〈ビームスF〉)

巧みな職人技が生きる重厚なトリプルソールと、ヴォリュームのある丸いつま先を表現。カントリーな雰囲気を残しながら、モダンな表情を融合した黒靴だ。クラシックなグレーフランネルのスーツと抜群の相性となる。

重厚な雰囲気を残し木型をモダンにした一足

¥62,000(ビームスF 新宿〈ジョセフ チーニー〉)
¥62,000(ビームスF 新宿〈ジョセフ チーニー〉)

つま先に飾り穴をデザインした外羽根のモデル『ロートランド』。ブランド「チーニー」の創業125周年を記念して開発された、スマートな木型『125』を使用することで、コバの張った厚いソールでも、適度なバランスの重厚さを表現する。

不動の人気を保ち続ける「絶対的定番」の貫録

¥104,000(チャーチ 表参道店)
¥104,000(チャーチ 表参道店)

ガラスのように磨き上げたツヤのある甲革や、量感のあるプレーンなつま先、靴の周囲から突き出たコバの仕上げなど、ブランド〝チャーチ〟を代表するモデルの『シャノン』。英国紳士をはじめ、世界の洒落者たちが、この変わらぬ重厚感に見惚れてきたのだ。

紳士の足元を贅沢に飾る名門のダブルモンク

¥210,000(ジョン ロブ ジャパン)
¥210,000(ジョン ロブ ジャパン)

ブランドのアイコン的存在のダブルモンクストラップの新モデル『モーヴァル』。木型『0015』を使い、往年の「ジョン ロブ」らしいヴォリュームを備えたラウンドトウが絶品。滑りにくいラバーソールとやわらかなバッファロー素材との組み合わせも新鮮だ。

成熟した男のパートナーには安定感のある黒靴がよく似合う。足元から立ち昇る男の色気を意識してみるのも悪くないだろう。これの記事を参考に良き黒靴と出会っていただきたい。

※価格はすべて税抜です。※価格は2016年秋号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
BY :
MEN'S Precious2016年秋号〝ハードボイルド〞アイテムに回帰せよより
ヴィットリオ矢部のニックネームを持つ本誌エグゼクティブファッションエディター矢部克已。ファション、グルメ、アートなどすべてに精通する当代きってのイタリア快楽主義者。イタリア在住の経験を生かし、現地の工房やテーラー取材をはじめ、大学でイタリアファッションの講師を勤めるなど活躍は多岐にわたる。 “ヴィスコンティ”のペンを愛用。Twitterでは毎年開催されるピッティ・ウォモのレポートを配信。合わせてチェックされたし!
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クレジット :
撮影/唐澤光也(パイルドライバー/静物) 構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA)
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