正解は… 心(うら)ぶれる です。

「うらぶれた路地裏」という時も、なんと、もとはこの字を書くのです。心が沈むイメージが伝わりますね。

「心」という漢字に「うら」という読み方があるとは、驚きですね?「うら」といえば「裏」という字が思い浮かびます。正しい漢字を知っていないと「裏ぶれる」と誤記してしまいそうですね。

「心(うら)」はもちろん表外読み(常用漢字表にない読み方)ではありますが、実は、馴染みのある日本語の中にも、本来の表記は「心(うら)」という漢字が使われている…というものが、複数あります。

たとえば、「心寂(うらさび)しい」「心悲(うらがな)しい」「心泣(うらな)く」など。

また、心の中で恋しく思う事を「心恋(うらごい)」とも表現します。

みな、「裏」ではなく、実は「心」の字を使う言葉だったのですね。

「心(うら)」という言葉の意味は「内心」です。更にその意味が弱まって「なんとなく、自覚もないままに」という意味でも使われるようになりました。

「あの人にはウラがある」という言い回しがあります。「裏表の激しい性格」を連想しますが、こちらももともとは「内心は違う=心(うら)がある」という事だったのかもしれません。

「心」という漢字、実に味わいの深い漢字ですね。

今回は、

心点(ところてん)

心(うら)ぶれる

という、「心」という漢字の難読表現をふたつ、お送りしました。

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Precious.jp編集部 
2019.11.7 更新
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