2019年11月26日、最新の情報が掲載された『ミシュランガイド2020東京』が発表されました。
『ミシュランガイド』は、タイヤメーカーのミシュランタイヤが毎年発行している、飲食店と宿泊施設を星の数で格付けするガイドブック。この『ミシュランガイド東京』は、2007年にアジア初のミシュランガイドとして登場しました。
現在放送中の日曜劇場『グランメゾン東京』が、三つ星を目指すフレンチレストランを舞台にしていることから、注目度があがっているミシュラン。ドラマ内で、木村拓哉さん演じる天才シェフ・尾花夏樹の店「グランメゾン東京」の料理監修を行っているのが、今年13年連続で三つ星を獲得した「カンテサンス」なんです。
そんな「カンテサンス」をはじめ、今年三つ星を獲得したお店は何軒あったのでしょうか?
ミシュランガイドを読むための基礎知識と合わせて、今回の発表で注目のお店を紹介します。
ミシュランガイドの評価の定義
「三つ星」と聞くと、なんとなく高級で素晴らしい店なのではないか、というイメージがありますよね。でも、この「星」について、どういう定義づけをされているかご存知ですか? それぞれ、きちんと「こういう料理の店」という定義がなされているのです。
三つ星:そのために旅行する価値のある卓越した料理
二つ星:遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理
一つ星:近くに訪れたら行く価値のある優れた料理
そして、もうひとつ。「ビルグルマン」というミシュランのキャラクターが目印の評価があります。こちらは「価格以上の満足感が得られる料理」とされており、「良質な食材で丁寧に仕上げられており、6,000円以下で楽しめる」というものなのだとか。ちなみに去年までは5,000円以下だったそうで、こんなところにも増税の影響が出ていました。
入れ替わりが激しい東京だからこそ新規掲載店も多数
今回、東京の星付きレストランの掲載数は226軒と世界最多。流行の変化が激しいという都市の特徴を反映して、新規掲載店が55軒に上ったことも東京ならではとのこと。腕のある料理人が集まり、美食都市として世界をリードし続けています。
昨年は「おにぎり」というカテゴリができたことが話題となりましたが、今年は新規カテゴリの追加はなかった模様。それでも39種類というカテゴリは世界最多なのだそうです。カテゴリからも、東京の食の豊富さが伝わってきます。
『ミシュランガイド東京2020』注目のお店は?
■1: 三つ星「かどわき」(港区/日本料理)
都内の中でもかなり上位に入るとされる高級日本料理店「かどわき」。旬の食材を使った独自の和食料理のお店です。
表彰式で「お客様においしいといわれること、リピートしてもらえることを念頭に置いている」と話していたのは、門脇俊哉シェフ。2009年の初掲載以来、二つ星を維持し続けたこちらのお店が12年目にして三つ星へと評価を上げました。
■2: 二つ星「プリズマ」(港区/イタリア料理)
唯一、イタリア料理として日本の中で唯一、二つ星への掲載となったのが表参道にあるイタリア料理「プリズマ」です。コース料理1種類のみを提供する本格イタリアレストランで、2008年に一つ星として初掲載されました。東京のイタリア料理が二つ星評価になるのは、なんと『ミシュランガイド東京2011』以降で初なのだとか!
■3: 二つ星「銀座 しのはら」(中央区/日本料理)
「1個ずつコツコツやってきたことを認めてもらえたことがうれしい」と喜びを語っていた篠原武将さんが大将を務める銀座の日本料理店「しのはら」は、2018年に一つ星として初掲載されたお店。もともとは滋賀で営業していた名店で、全国から予約が殺到するほどだったとか。今回、評価を二つ星に上げました。
■4: 二つ星「INUA」(千代田区/イノベーティブ)
デンマークの三つ星レストラン「noma」がプロデュースしたレストラン「INUA」は、今回二つ星で初掲載へ。海外の人気店プロデュースということもあり、今後もしかしたらもっと評価があがるかもしれませんね。
実は、『グランメゾン東京』で主人公・尾花のライバルである丹後学(尾上菊之助さん)がシェフを務める「gaku」の料理監修を担当しているのが、この「INUA」。
日本の食材を用いて、独創的な手法で芸術的なキュイジーヌに仕上げる「INUA」の料理を、ドラマ内で目で楽しむことができますよ。
一番気になる、三つ星掲載店は……?
ちなみに今回三つ星として掲載されたのは、以下の11軒。
・伝統的な京料理をベースに、旬の食材を用いた四季折々の創作料理を提供する「麻布 幸村」(麻布十番)
・吟味した旬の食材を使ったワンランク上の日本料理がいただける「神楽坂 石かわ」(神楽坂)
・旬の食材を使った和食をおまかせで提供する有名店「かどわき」(銀座)
・13年連続三つ星の有名店。客の好みや要望に合わせた和食を提供する「かんだ」(元麻布)
・ランチ・ディナーともおまかせ1コースのみ。フランス料理の名店「カンテサンス」(品川)
・日本料理ではあまりお目にかからない珍しい食材を使った料理を展開「虎白」(神楽坂)
・フレンチシェフのジョエル・ロブション氏が世界中で展開する様々なレストランの中でも最高級ブランド「ジョエル・ロブション」(恵比寿)
・ネタ・シャリ・山葵が一体となった鮨が味わえるカウンターのみの小さな店舗「鮨 よしたけ」(銀座)
・市場で手に入れた魚を中心とした、素朴で味わい深い日本料理「まき村」(大森海岸)
・各地から取り寄せた季節の名物を使った日本料理を提供「龍吟」(日比谷)
・1973年に東京・銀座に誕生したフランス料理店「オロジエ」(銀座)
今年は超有名店「すきやばし次郎」「さいとう」のふたつの寿司店が、一般予約を受け付けなくなったことを理由に掲載対象外になったことも話題に。
ミシュランの星は、世界的に信頼できる評価として、世間からは判断されています。星を勝ち得たお店には多くの客が訪れることになるので、自然と注目度が高まりますよね。
気になる店には、ぜひ予約をして訪れてみてはいかがでしょうか。
今回紹介したレストラン情報が掲載された『ミシュランガイド東京』は、2019年11月29日(金)に発売されます。さらに、本のみならず、会員制ウェブサイトでも公開。お出かけの際は、合わせてチェックしてみてくださいね。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部