人気ヘア&メイク川原文洋さんが語る、「グレージュ」をまとうのメイクとは?

本記事では、ヘア&メイクアップアーティストの川原文洋さんが、「グレージュ」の洋服を着こなす際のメイクで気をつけることを教わります。グレージュを着こなすときのメイクのポイントは「足しすぎないこと」と語る、その意図とは?

川原文洋さん
ヘア&メイクアップアーティスト
(かわはら ふみひろ)美容界で注目の「JHA」で大賞を3度受賞。現在は審査員を務める。女優やモデルからの支持も厚く多数の雑誌や広告、セミナーなどで活躍。

「グレージュはごまかしがきかない色。メイクはシンプルに『整える』だけでいい」

グレージュ_1
創刊当初から多くの誌面でメイクを手がけてきた川原さん。過去のグレージュ特集でも、モデルの内面を引き出すような、知的で品のある洗練されたメイクが印象的。左から/2018年11月号、2017年10月号、2016年12月号。すべて撮影/熊澤 透

グレーほどストイックではなく、ベージュよりちょっとクールな温かさをもつグレージュは、日本人の肌や髪色との相性は抜群です。

それもあってか、Preciousといえば「グレージュ」といわれるほど、大人の女性に愛され続けているカラーですよね。

グレージュメイクで大切なのは「目元の印象」

そんなグレージュを着こなすときのメイクのポイントは「足しすぎないこと」。

グレージュは、色自体に派手さがないため、ともすると、さびしく地味な印象になりがちです。そこで、鮮やかな色のアイシャドウやリップなどを使って、メイクで色を足そう…、そう思っていませんか?

グレージュを身にまとう日のメイクに、派手な色を加える必要はありません。いちばん大切なのは、目元の印象。

眉はしっかりと太めに描き、漆黒のアイラインをすっと入れる。特に目尻のキワはキリリと際立たせるのがポイントです。

マスカラは上まつげのみ、ボリュームというよりも長さを出して上品に。

アイホールにはゴールドの細かいパールのシャドウをのせ、アイライン近くに色を入れたいなら、黒を和らげるためのカーキを少し。

チークはベージュオレンジ系、口元はヌーディーに

頬にはベージュオレンジ系のチークをふわりとのせて自然な立体感を加え、口元はヌーディに仕上げる。ファンデーションはできるだけナチュラルに、なんなら素肌でもいい。

これくらい足しすぎない、頑張りすぎないメイクのほうが、グレージュのコーディネートを品よくリッチに引き立てます。

つまり、あるものを生かして「整える」だけのメイク。

それゆえ、肌にしろ髪にしろ、日ごろのケアはもちろん、内面からにじみ出る幸せ感や充足感があらわになってしまう…。そういう意味でも、グレージュは、ごまかしがきかない色なんだと思います。

いつだったか、海外のカフェで、全身をグレージュでまとめたマダムを見かけました。触れたくなるような上質な素材のストールを巻いて、髪はキュッとおだんごに、シワもシミも気にしない素肌にメイクは、眉とアイラインのみ。リラックスした雰囲気で、ひとりでカフェオレを口にする姿がなんとも優雅!

グレージュのおしゃれは、豊かに年を重ねてきた大人の女性の特権ではないでしょうか?

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PHOTO :
佐藤 彩
EDIT :
田中美保