いくつもの旅を重ねる中で出会った美味とは‥‥

井浦新さん

 日本だけでなく海外でも様々な旅を重ねてきた井浦 新さん。「食」では、旅先で出会った美味について語ってくれました。といっても、どこそこの店がお気に入り、といった情報ではないのです。「本当に気に入っているところは、すみません、人に教えられないんです」と、インタビューでは笑っていました。

 井浦さんが語ってくれたのは、旅の行動食となる、おにぎりのこと。誌面では、和歌山を旅したときに出会ったというおにぎり、「めはりずし」をページのビジュアルとして撮影しました。

メンズプレシャス冬号P21『男の「衣・食・住・遊」に漂う想い』より 撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー)料理/華表由夏
メンズプレシャス冬号P21『男の「衣・食・住・遊」に漂う想い』より 撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー)料理/華表由夏

「めはりずし」は和歌山県熊野地方に伝わる郷土料理。馴染みのない人のために、東京有楽町にある和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」の物産担当の方にめはりずしの歴史を取材しました。

「もともとは山仕事や筏のりの弁当であったそうです。山間部や海沿いなどでもよく育つ高菜は、熊野のような山がちの地形で昔から育てられていました。大量のご飯を高菜で包んでいたので1つが大きく、目を張って食べていたことから“めはりずし”と呼ばれるようになったと言われています。現在では、そこまで大きくはなく、手のひらに収まるくらいのサイズです」。

 レシピは、「高菜の漬物の茎を切り取り、葉でご飯を包みます。切り取った茎は刻んで、ご飯に混ぜたりもします」とのこと。おや、簡単。なのに、「目を見張るほど、本当に美味い」と井浦さんが語ってくれた、めはりずし。「わかやま紀州館」では高菜の漬物(冷凍品)も販売しているとのことなので、めはりずし作りにチャレンジしてみるのはいかがだろう。

わかやま紀州館へ

<出典>
MEN'S Precious冬号「寅さん」とヴィンテージ
メンズプレシャス冬号
【内容紹介】山田洋次監督インタビュー/「寅さん」のダンディズム/ミスターヴィンテージ、草彅剛の私物も大公開!/紳士の世界遺産、ヴィンテージ名品/MEN'S Precious WATCH AWARD 2019ほか
2019年12月6日発売 ¥1230(税込)
この記事の執筆者
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌、ライフスタイル誌などの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。近年ではレストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事なども担当し、ジャンルを問わないマルチなライターを実践する。
PHOTO :
篠原宏明