「デイリーラグジュアリー」を掲げるこの賞には、現存する最古のウォッチメーカーの意欲作こそふさわしい。曲線的なステンレススティールケースが腕になじむ三針時計は、日常に贅を与えてくれる。

「手が届かない時代が長かったから、これを機に新たなファンを獲得できれば大成功」という松山 猛さんの言葉は、まさにブランドの狙いどおりのものかもしれない。が、単純に価格先行だけの存在ではない。

アーカイブを換骨奪胎してモダンに昇華した意欲作

ヴァシュロン・コンスタンタン「フィフティーシックス・オートマティック」

「フィフティーシックス・オートマティック」●自動巻き ●ステンレススティールケース×アリゲーターストラップ ●ケース径/40mm ¥1,160,000(ヴァシュロン・コンスタンタン)
「フィフティーシックス・オートマティック」●自動巻き ●ステンレススティールケース×アリゲーターストラップ ●ケース径/40mm ¥1,160,000(ヴァシュロン・コンスタンタン)

ベースとなった1956年のアーカイブには、マルタ十字の4枝を切り離してデザインした「ファンシーラグ」を装備。その特徴的なデザインをモダンに昇華。また、この最新作で採用されたのは、「ペトロールブルー」と呼ばれる、深みのあるブルーダイヤル。

「スポーティさとエレガンスを兼ね備えた、大人が毎日つけても飽きのこない色」と、トラッドなファッションに身を包む関口 優さんも注目する。

「歴史と伝統を大切にしながらも、その呪縛から自らを解き放ったように新たなイメージをまとった」と岡村佳代も絶賛。

ヴァシュロン・コンスタンタン新章の始まりを告げる一本だろう。

老舗ゆえの豊富なアーカイブから1956年のモデルをリファインした「フィフティーシックス」コレクション。ジュネーブに拠点を置く同社の象徴「ジュネーブシール」を、三針モデルではあえて取得せず、幅広いファン層の獲得に挑んだ。実用的な48時間パワーリザーブを装備。

キャプション左
中央をオパーリン、外周をサンバーストに仕上げた「ペトロールブルー」の文字盤。「紺ブレザーなどでグラデーションを楽しみたい」(関口さん)。
キャプション右
1755年より、創業地で続くマニュファクチュール。その証であるマルタ十字をリュウズに刻む。

※掲載した商品は税抜です。

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<出典>
MEN'S Precious冬号「寅さん」とヴィンテージ
メンズプレシャス冬号
【内容紹介】山田洋次監督インタビュー/「寅さん」のダンディズム/ミスターヴィンテージ、草彅剛の私物も大公開!/紳士の世界遺産、ヴィンテージ名品/MEN'S Precious WATCH AWARD 2019ほか
2019年12月6日発売 ¥1230(税込)
この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2020年冬号より
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PHOTO :
戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー)
STYLIST :
関口真実
WRITING :
高村将司
EDIT :
岡村佳代