2019年12月9日(月)、ティファニーが協賛する「2019年度“チャンピオン・オブ・チェンジ”日本大賞」の表彰式が開催され、大賞受賞者と入賞者たちに、ティファニー製のクリスタルボウルが贈られました。

オバマ元アメリカ大統領が発案した「チャンピオン・オブ・チェンジ」賞を受賞した日本人女性が創設

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刻印が施されたティファニー製のクリスタルボウル

2017年に厚子・東光・フィッシュさん(フィッシュ・ファミリー財団 共同創設者・理事)によって創設された本賞。彼女の日本人女性の活躍を願う思いと、女性のロールモデルを示すことに役立ちたい、という思いに、ティファニーが賛同。変化に向けて努力を続ける女性たちに敬意を評し、本賞に協賛しているのだそう。

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左からティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク社長のダニエル・ペレルさん、大賞受賞の藤原久美子さん、厚子・東光・フィッシュさん

アメリカ在住のフィッシュさんは、日本人女性に対するリーダーシップ育成活動や、東日本大震災の被災地支援活動が評価され、2013年にオバマ元大統領の発案で始まった「チャンピオン・オブ・チェンジ」賞を受賞。

それをきっかけに「オバマさんほどのことはできなくても、同じように日本で地域社会に根ざし、頑張っている日本女性の活動に光を当てたい」と、受賞から4年の準備期間を経て、「チャンピオン・オブ・チェンジ」の日本版となる本賞を設立しました。

困難を極めた大賞の選考。入賞者、ひとりひとりがヒーロー!

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会場に設置された入賞者たちのパネル

3回目の開催となる2019年も、日本の社会問題に真摯に向き合い、女性障害者、難民、困難を抱える若者、子育て中の母親など、社会から疎外されがちな人を、共に支え合うために、勇気を持って自ら行動を起こし、地域の社会変革に取り組んできた、NPOや企業の女性リーダーを対象に選考。

127名の応募(他薦のみ)から、洞察力、実行力、革新的かどうか、実績などを考慮し厳正に審査し、以下、1名の大賞と5名の入賞者が選出されました。

【大賞】

「「障害」と「女性」という複合差別の解消に取り組み続ける」藤原久美子さん(東京都・兵庫県、
DPI 女性障害者ネットワーク 代表)

【入賞者】

■「難民が安心して暮らせ、ともに生きられる社会の実現を目指す」石川えりさん(東京都、
認定NPO法人難民支援協会 代表理事)

■「さまざまな被害体験を持つ女性が、社会で生きる力を取り戻すために」大嶋栄子さん(北海道、
NPO法人リカバリー 代表)

■「困難を抱える若者一人ひとりに寄り添い、「学ぶ」「働く」を支える」高橋由佳さん (宮城県、
認定NPO法人 Switch 理事長)

■「カフェから子育て中の母親のエンパワメントをし、埋もれてきた言葉にならない課題をまちの力で解決する」森祐美子さん(神奈川県、認定NPO法人こまちぷらす 理事長)

■「石垣島の子どもや若者が安心して過ごせる居場所を」山里世紀子さん(沖縄県、一般社団法人サポートセンターHOPE 代表理事)

壇上に登場すると、入賞者全員がポジティブなパワーを感じるオーラの持ち主で、その力強いスピーチに、女性である筆者も勇気をいただくことができました。

大賞に選ばれた藤原久美子さんには、ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク社長のダニエル・ペレルさんより、「Champion of Change Japan Award 2019 Grand Champion」と刻印が施されたティファニー製のクリスタルボウルが授与され、入賞者たちにも、「Champion of Change Japan Award 2019 Champion」と刻印されたティファニー製ボウルが贈られました。

中絶をすすめられたことも。大賞は、女性障害者の自立を目指す藤原久美子さん

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フィッシュさんから名前を発表された瞬間の藤原さん

「障害者がスポットを当てられるとき、というのは、大概、パラリンピックの選手や、芸術方面の特殊な能力を持った人たちが、取り上げられることが多く、健常者に近い、のではなく、ありのままの姿で自分らしく生きることで、この場に立てた自分を褒めてあげたい!」と、うれしそうに語った藤原さん。

病気の合併症により30代で視覚障害者となった彼女は、妊娠した際に医者と親族から中絶をすすめられるという、ショッキングな経験をしました。

目が見えなくなった当初は、夢を見ているときは目が見えていることもあり、目覚めるたびに困惑したという藤原さん。中絶をすすめられた経験も、自分が障害者であることを痛感させたと言います。

一方、女性であるために、夫を支えるように教えられてきた彼女は、リーダーになるように育ってきていないと語り、障害者であり女性である自分が大賞に選ばれたことに、驚きを隠せない様子だったのが印象的でした。

そして、女性も障害者も「力がないのではなく、力を奪われている」という藤原さんの言葉が心に刺さりました。

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大賞受賞者、入賞者、選考委員の皆さん。

入賞者たちに心の底からの感謝と敬意を抱くと同時に、本賞をきっかけに、その存在にもっと光をあてて、さらに多くの人に知ってもらいたい、と大きな意義を感じた表彰式。日本のために、よりよい社会を作ろうと日々健闘している彼女たちから、明日を信じる勇気とパワーをいただきました。

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この記事の執筆者
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WRITING :
神田朝子