スーツトのトレンドは、コットンのライトブラウン系にシフト中 

取材当日のフィレンツェの気温はは35度近い猛暑でしたが、日本のように湿気がなくカラッとしていました。
とはいえ、暑い!!そのなかで、スーツはどう着こなされているかをスナップでご覧ください。

 
 

その状況でもネクタイをちゃんとしているジェントルマンはいるのです。会場内では、少数派ではありますが・・・これはプライド、自分のアイデンティティの表現でもあります。ヨーロッパでも夏場は、ビジネスでノータイの方は多いですが、日本のようにジャケとを着ない(持たない)、半袖シャツということはほとんどありません。基本半そでシャツは、オフの時に着るもので、仕事用のシャツという感覚はありません。暑いからといって短パンで仕事には行かないのに近い感覚です。話が、脱線。本題に戻ります。ズバリ、この御仁のようなコットンのライトブラウン(カーキ)のスーツが、個人的にはトレンドになっている気がしました。よく見ると、ジャケットのラペル幅はゴン太(12cmくらいあるのでは?)パンツは、ノータックではなく、2タック。昔のものとは、わたり幅や裾幅がシャープ(とはいえピタピタではない)なところが進化してます。そして、秋冬から人気に火がついたサスペンダー。靴はスエードのタッセルスリッポン。

この手の色は、日本人には馴染みにくとよく言われがちですが、そんなことはないというのがこの御仁のスタイリング。お見事です!じつは、セレクトショップのストラスブルゴやキートンなどを運営するリデアの田島様でした。個人的には、靴がポイント。スリッポンのウイング。このデザインの靴は、ローファーよりドレスに見え、かつローファーのような履き脱ぎが楽なので、個人的に超リコメンドしているデザインです。

イタリアのファッショニスタは、サファリジャケットがお好き!?

2016年6月のPITTI UOMOで限られたブランドから提案されていたサファリジャケット。
2016年6月のPITTI UOMOで限られたブランドから提案されていたサファリジャケット。

2016年ブランドのブースに展示されていましたが着用している人は、ほとんど見受けられませんでしたが、今年は着用している人がかなりいました。特に注目したいのは、このカップルのように白リネンを使ったり、グレーの上品なサファリジャケットが出てきたこと。コーディネートは、いたってベーシックですが、クラシコ系ジャケットを着ている時より少しスポーティで抜け感があります。

カーキなどの、もろミリタリーを着ている御仁もいますが、女性ウケという点では軍配は前者ですね。ブースには、このようなネクタイスタイルの提案が多く見られましたが、日本ではこれはミスマッチ?
カーキなどの、もろミリタリーを着ている御仁もいますが、女性ウケという点では軍配は前者ですね。ブースには、このようなネクタイスタイルの提案が多く見られましたが、日本ではこれはミスマッチ?

この御仁はローマのサルトリアの方ですが、今まではかなりドレスアップしてPITTI  UOMOに着ていましたが、今回はご覧のようなサファリスタイル!!!!
今回はここまで。

女性ファッションも凄いンです!!!!
レディスのパリコレやミラコレSNAPとは違う、リアルトレンドがウォッチできます️!

今回は、趣向を変えて女性のスナップをお届けします。PITTI  UOMOは名前のように男性のファッションの展示会ですが、そこに来ているのは、なにも男性だけではありません。女性のバイヤー、編集者、ブローガー、出店者のスタッフなど、多くの女性が登場しています。そのスタイリングには、いままであまり注目されていませんでしたが、個人的にはパリコレの女性人のような全身トレンド!!という方々より、リアリティがあり親しみが持てます。まずは、こちらのマダムから。

レディスもメンズもウエスタンをさりげなく取り入れるのがトレンドになってきています。ディオールのコレクションにも登場するくらいなので、これから日本では女性先行で流行りだすと思います。ここまでやっていただけると、本当にアッパレ!

日焼けした肌に、この甘辛デザインのワンピースがベストマッチ。日本では、この時期日焼けしない女性が大半ですが、ヨーロッパはその感覚はあまりありません。ヨットやビーチリゾートで程よく手入れしながら日焼けを楽しむスタイルは、ヨーロッパ古来のステイタスの象徴です。

こちらは、プレス関係者ですね。黒の使い方が流石です。

トレンドのベルトレスパンツの
スマートな着こなし方をフィレンツェとミラノで比較検証。

 
 

ミラノに移動して初っ端は、ドルチェ&ガッバーナのコレクション会場に来ていたこの御仁。日本では、トレンドのパンツとして今年の春夏でかなり店頭で見かけられるようになったベルトレスパンツ。じつは、この着こなしが結構難しいのです。シャツをインしないとベルトレスが見えないので、お腹周辺のシャツのさばき方をうまくしないとかなり『昭和の冴えないおじさん』と化してしまいます。この御仁のようにシャツをインしたら若干たるみを出すようにすることがポイント。女性誌では『ブラウジング』と呼ばれ様々なシャツのすその出しかたが紹介さています。男性誌では、その辺まだまだ…(反省)かなりシャツの胸元が空いていますが、これはミラノの気温が30度越えだからというのも関係してます。個人的には、帰ってきたチョイ不良(ワル)!!!!! という感じ。懐かしくもあり、新鮮さも感じました。

こちらはPITTI  UOMOでのスナップ。インナーはTシャツ。ここでもシャツはイン。正直私もベルトレスパンツを買ってTシャツをインした時は、かなり戸惑いました(笑)。このベルトレスは浅めのタックが入っています。PITTI  UOMOでは、タックパンツは今や完全復活を遂げていました。とりあえず、今日はここまで。
これから気温30度のミラノのモンテナポレオーネ通りで路上スナップに出かけます

首周りをすっきりとスポーティに見せるバンドカラーシャツがミラノでブレイク!!

日本では80年代にイッセイ ミヤケなどで流行したバンドカラーシャツ。いまでも音楽家や建築家の年配の方には愛好家が多いシャツです。当時は、ネクタイをしたくないけど、ちょっとフォーマル感は出したいというシーンで使われることが多かった気がします。今回のリバイバルブームは、着こなしがとてもカジュアル。感覚的にはT シャツに近い感覚で来こなしています。裾は出すのがルール。ホワイトのワントーンコーディネイトを首元にバンダナを巻くことでアクセントをつけています。

こちらの御仁はプルオーバーのバンドカラー。裾出しの時は、着丈が長いとNG。Tシャツと同じで、そこは自分の身長に合わせてお直ししましょう!!!!この御仁は、靴にアクセントをつけていますね。白スニーカーもありですが、レザーのローファーにする方がよりトレンディです。

何歳になってもオシャレは手を抜かない!!!! それがミラノオンナの生きる道️

イタリアの女性は、本当にオシャレ好き。若い時は、それを強調するデザインを選び、年齢を重ねるごとに自分に似合う現役感溢れるコーディネイトを披露してくれます。特にフランスのシックな感じとは逆に、カラフル(ド派手にはならない!!)な色使いがとてもお上手です

まずはお年の若い順に…

お子さんがいてもミラノでは、このくらいは当たり前。しかし、こんなに幼い時からこのコーディネイト&仕草ヤバイです。イタリアの女性は、生まれた時からオンナとしてのプライドを持っているのですね。

大阪のオカン(アニマルプリント系)とはちょっと違う、インパクトがこのマダムにはありますね!!!!流石にお年を聞くことはしませんでしたが …

ミラノ流!! Wジャケットの新旧着こなし指南。

日本では、今一歩流行らないWジャケットですが、ミラノでは昔からよく見かけるアイティム。ミラノでは、その着こなしに少し変化が出てきました。その代表選手がこの御仁。見事な淡色グラデーションのコーディネイト。お見事よーく見ると首元にバンダナらしき巻物をしています。あえて結ばないでサラッと巻いています。足元は,アメリカのヴァンズ風デザインのスニーカー。アッパーはレザーの編み込み。ここでラグジュアリー濃度をアップさせつつ、程よいヌケ感を出しています。

こちらは、王道ミラノのWジャケットの着こなし。トレンドを追わない保守派の鉄板スタイリング。ナポリの方達とは違いVゾーンは同系色でクールにまとめていますね帰国したら私もWジャケット着ようかな〜

ジレのカジュアルコーディネイトは、
これからの季節に最適なウィークエンド スタイル。
旅行やドライブで活躍間違いなし!

フィレンツェのPITTI UMOやミラノのWHITEといったメンズの見本市会場では、様々なジレを使ったコーディネイトを見ることができます。まだまだ、日本ではスリーピースの時に着るベスト(チョッキ)というイメージが強くありますが、イタリアでは春夏のカジュアルスタイルの定番になっています。カジュアル系のジレは、背中はキュプラではなく前身頃と似た感じの素材のものになっています。着こなし方には、ちょっとポイントがあるのでその辺を今回はレクチャー。PITTI  UOMOでお会いしたこの御仁は、グレーのトーンコーディネイトのお手本。ポイント①は、ジレの素材のチョイス。この御仁の様に、春夏はコットンや麻素材で無地が鉄板ですね。ちょっと胸元が開きすぎ!!」と日本人からすると見えますが、イタリアでかなり一般的。ラテン気質全開です(注)同じジレを着てもフランスやイギリスのファッション関係者は決してここまではやりません(笑)

こちらの御仁もPITTI  UOMOでのスナップ。ブラウンのローファー→カーキのパンツ→オフホワイトのジレ→ベージュのジャケット→白のシャツという完璧なクリーミーコーディネイトです。チノパンは、タック入りでシルエットもややゆったり目。ポイント②は、ジレの着丈。ベルトのバックルがチョロッと見えるくらいがジャストです。スリーピースではベルトが全部隠れてしまうくらいがクラシックのルールですが、カジュアルの時は短くしないとスナップの様な抜け感は出ません。✂️ちなみにジレの着丈を詰める場合は、肩から詰める方が簡単で綺麗に仕上がりますよ。

この御仁は、ミラノの展示会 WHITEでスナップ。この方のジレはかなり着丈短め(身長が190cmくらいあったので意図的ではない?!)ポイント③は、ジレのボタンの止め方。1個しか止めてませんね!!!!こうした、ジレのボタン1個止めは、Aラインが上半身にできるのでスマートな印象に。それと裾だしシャツとも相性が良いです。

この記事の執筆者
TEXT :
大西陽一 スタイリスト
2017.7.5 更新
『メンズプレシャス』創刊時から、数多のスタイリングで活躍する。とりわけ、高度なテクニックを必要とする、グレーやベージュの淡い色調を、実にリアルで品のいいコーディネートに落とし込める感性の持ち主だ。紳士が知っておくべき伝統的な着こなしの奥義を、ロジカルにつくり上げる名人である。