45日、13時間52分 ──。
ただ一度も船を下りることなく、どこにも寄港することなく、ヨットで世界一周を目指す外洋レース「ジュール・ヴェルヌ杯」のレコードです。
1992年に始まったこのレースは、ジュール・ヴェルヌの有名な小説『80日間世界一周』にちなんだもの。最初に80日間を切ったのは、1993年のこと。以降、7度記録は塗り替えられ、現在は小説の約半分の日数で世界を巡ります。
この記録を保持しているのが、ヨットのレーシングチーム「Spindrift(スピンドリフト)」。フランス・ブルターニュ地方の海辺の街、ラ・トリニテ・シュル・メールを本拠地に、さまざまなヨットレースの記録に挑んでいるのです。
スピンドリフトが所有するヨットは、全部で5艇。なかでも「ジュール・ヴェルヌ杯」で活躍したのが、3つの胴体から成り立っているトリマランのなかでも、世界でいちばん大きいというマキシ・トリマラン「スピンドリフト2」です。
メインマストの高さは42m、14名が乗り組んでレースをしたというから、大きさは推して知るべし。そのなかで眠り、食事をし、大西洋から太平洋までを旅するのです。
食事は宇宙飛行士のようなドライフード。もちろんお風呂もシャワーもありません(清潔を保つための専用のクロスを使うそう)。ときおり遭遇するスコールを、恵みとばかりに浴びるのが楽しみな日々。コースは南極大陸の沖を横断するだけに、気温も水温も0℃近くまで下がり、氷山に接近する危険もはらんでいます。クリスマスも船の上で迎えます。
この過酷な環境下で、なぜ挑戦するのか? クルーのひとりは「そこには絶対的な自由がある」と言います。海も、空も、星も、すべてがほしいままだと──。
このタフな男たち、そして女性(チームオーナーのひとりは、実業家のスポーツウーマン)をサポートするのが、本格機械式時計のマニュファクチュールとして知られるゼニス。
1865年の創業以来、時計の世界でたゆまず挑戦をし続けてきたゼニス。なかでも1965年に発表された世界初の自動巻クロノグラフのムーブメント「エル・プリメロ」は、発表から50年を経た今でも時計愛好家の垂涎の的となっています。
その挑戦する精神性が、飛行機で、車で、そしてヨットで、限界に挑み続ける人々をサポートさせているのです。
男性の時計好きだけではなく、今や「エル・プリメロ」や「エリート」といったゼニスの名ムーブメントは、女性の心をも捉えて放しません。2017年には、さらに女性にフォーカスした時計づくりを目指す予定だそう。
女性のために、ゼニスがどんな時計に挑戦してくれるのか? 今から楽しみでなりません。
問い合わせ先
- LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス TEL : 03-5524-6420
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- クレジット :
- 写真/© Spindrift racing 文/吉川 純