ゼニスが後援するヨットの世界一周大会、ジュール・ヴェルヌ杯の1シーン
ゼニスが後援するヨットの世界一周大会、ジュール・ヴェルヌ杯の1シーン

45日、13時間52分 ──。

ただ一度も船を下りることなく、どこにも寄港することなく、ヨットで世界一周を目指す外洋レース「ジュール・ヴェルヌ杯」のレコードです。

1992年に始まったこのレースは、ジュール・ヴェルヌの有名な小説『80日間世界一周』にちなんだもの。最初に80日間を切ったのは、1993年のこと。以降、7度記録は塗り替えられ、現在は小説の約半分の日数で世界を巡ります。

この記録を保持しているのが、ヨットのレーシングチーム「Spindrift(スピンドリフト)」。フランス・ブルターニュ地方の海辺の街、ラ・トリニテ・シュル・メールを本拠地に、さまざまなヨットレースの記録に挑んでいるのです。

2016年9月、世界中から、女性編集者やジャーナリストが招待され、スピンドリフトの本拠地に集った。
2016年9月、世界中から、女性編集者やジャーナリストが招待され、スピンドリフトの本拠地に集った。

スピンドリフトが所有するヨットは、全部で5艇。なかでも「ジュール・ヴェルヌ杯」で活躍したのが、3つの胴体から成り立っているトリマランのなかでも、世界でいちばん大きいというマキシ・トリマラン「スピンドリフト2」です。

メインマストの高さは42m、14名が乗り組んでレースをしたというから、大きさは推して知るべし。そのなかで眠り、食事をし、大西洋から太平洋までを旅するのです。

スピンドリフトのクルーと共に、ウエアを着込み、実際に「スピンドリフト2」に乗り込む。
スピンドリフトのクルーと共に、ウエアを着込み、実際に「スピンドリフト2」に乗り込む。

食事は宇宙飛行士のようなドライフード。もちろんお風呂もシャワーもありません(清潔を保つための専用のクロスを使うそう)。ときおり遭遇するスコールを、恵みとばかりに浴びるのが楽しみな日々。コースは南極大陸の沖を横断するだけに、気温も水温も0℃近くまで下がり、氷山に接近する危険もはらんでいます。クリスマスも船の上で迎えます。

天候にも恵まれ船上でくつろぐジャーナリストたち。実際のレースでは、こうは行かない
天候にも恵まれ船上でくつろぐジャーナリストたち。実際のレースでは、こうは行かない

この過酷な環境下で、なぜ挑戦するのか? クルーのひとりは「そこには絶対的な自由がある」と言います。海も、空も、星も、すべてがほしいままだと──。

このタフな男たち、そして女性(チームオーナーのひとりは、実業家のスポーツウーマン)をサポートするのが、本格機械式時計のマニュファクチュールとして知られるゼニス。

1865年の創業以来、時計の世界でたゆまず挑戦をし続けてきたゼニス。なかでも1965年に発表された世界初の自動巻クロノグラフのムーブメント「エル・プリメロ」は、発表から50年を経た今でも時計愛好家の垂涎の的となっています。

日本からはウォッチ&ジュエリージャーナリストの岡村佳代さんが参加
日本からはウォッチ&ジュエリージャーナリストの岡村佳代さんが参加

その挑戦する精神性が、飛行機で、車で、そしてヨットで、限界に挑み続ける人々をサポートさせているのです。

男性の時計好きだけではなく、今や「エル・プリメロ」や「エリート」といったゼニスの名ムーブメントは、女性の心をも捉えて放しません。2017年には、さらに女性にフォーカスした時計づくりを目指す予定だそう。

この冒険に参加した女性たちの手元を飾ったゼニスの時計
この冒険に参加した女性たちの手元を飾ったゼニスの時計

女性のために、ゼニスがどんな時計に挑戦してくれるのか? 今から楽しみでなりません。

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クレジット :
写真/© Spindrift racing  文/吉川 純