コロンとした小動物のようにかわいい!マシュマロのようなクッション付きのひとり用ソファ「TAPE(テープ)」

身長156cmのインテリアエディターが「大人の家具選び」を実際に見て・触って・座ってレポート、より読者の皆様にわかりやすくインテリアをご紹介する連載企画「身長156cmのインテリア」第23回目です。

本記事では、ミノッティの一人がけソファ「テープ」の魅力をご紹介します。

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リボンのようにぐるりと回されたブロンズ色の脚をとめたディテールが、「TAPE(テープ)」の名前の由来

グログランリボンのかけられた高級チョコレートや、コロンとした小動物のような、置くだけで空間に親しみを感じさせてくれる「テープ」。包まれるようにカーブを描いた背面の内側には、マシュマロのようなクッションが添えられています。

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【商品名】「TAPE(テープ)」【ブランド】ミノッティ【写真の仕様価格】ファブリックGランク¥591,800(税込)【サイズ】幅700×奥行760×高さ745 座面の高さ400mm【材質】脚=メタル/ライトブロンズ色 本体=グースダウン+ウレタンフォーム 生地=ヴィスコースコットンツイード

「ほとんど奇跡」の座り心地

ソファを選ぶ際、皆さんはどれくらいの時間「試し座り」をされていますか?

目星をつけたアイテムに座りながら、生地を迷ったり、脚の仕上げ選んだりしても、長くても30分程度ではないでしょうか? ましてや、体調のすぐれないときになんて、ショールームにお出かけしませんよね。

私ごとで恐縮ですが、年末の大掃除で腰を痛めたにもかかわらず、友人が一時帰国した際のおしゃべりに、このソファが置いてあるカフェで2時間過ごしたのが、「テープ」の座り心地の真髄を体感したきっかけでした。

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2019年にオープンした KASHIYAMA DAIKANYAMA B1Fにあるカフェでアームタイプが座れます。

まず寸法体系が素晴らしいのです。しっかり奥まで座っても、膝裏が圧迫されない絶妙な高さと形状をした座面クッション。そして極上の座り心地。

フワッという第一印象にはじまり、沈みすぎない高さでキープしてくれるクッションは、お尻のカーブを潰さない程度に中央部はやわらかく、外側は手を置いて立ち上がれるように、固めに仕上げられています。おしゃべりに夢中になっても、不安なく立ち上がれたことに正直、驚きました。

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腰の負担を減らしたいけれど、姿勢を変えるのが怖い…そんな時にかるく肘を背面に預けても、偉そうになりすぎない高さが秀逸です。
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立ち上がるときに座面に手をついて気がつくのは、クッションの真ん中のやわらかさと微妙に違う硬さがあるということ。
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背中のクッション内部には重しが入っていて、座面のどこに置いても自立します。勝手にずれてしまうことがないので、安心して身を預けられます。

正統派なだけじゃない、可愛さも魅力の「テープ」

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同系色で、外側を革。内側をファブリックで張れば、シックなリビングやラウンジにも合うスタイルに。

「テープ」は、外側と内側のクッションを、張り分けることで、さまざまな表情を見せてくれるのも魅力です。

加えてミノッティは、インテリアのブランドでありながら、毎年オリジナルのファブリックコレクションを発表することでも有名。

ショールームにはこれまでのファブリックコレクションのブックがあり、アーカイブから選ぶことも可能です。ステッチに使う糸の色まで指定できる、きめ細かさ。まるでお洋服をオーダーするように、オリジナルの「テープ」をつくることができます。

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オリジナルファブリックのコレクションを毎年発表する家具ブランドは、私の知る限りミノッティくらいです。
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素材の異なるセロテープで貼ったような脚部のディテールも、可愛い。

新風を取り入れ、革新し続けるイタリア最高峰ブランド「ミノッティ」

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アルベルト・ミノッティ氏により、1948年に高級家具産地メーダに創業。
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毎年4月に開かれる家具見本市・ミラノサローネでも、最大級規模の展示スペースで賑わいを見せるミノッティ。

Minotti コレクションは、家具を空間のエレメントとして捉え、どちらかというとオーセンティックで、男性的なイメージがありました。

20年にわたる、ミラノの建築家ロドルフォ・ドルドーニ氏と、レナート&ロベルト・ミノッティ兄弟のコラボレーションに加え、近年はドルドーニのもと、クリストフ・デルクール氏やnendo(佐藤オオキ氏)もプロジェクトに参加し、コレクションに新風を吹き込んでいます。

「テープ」をデザインした、デザインオフィス「nendo(ネンド)」とは?

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Newsweek誌で「世界が尊敬する日本人100 人」にも選ばれた、佐藤オオキ氏。1977 年カナダ・トロント生まれ。

デザインオフィス「nendo(ネンド)」は、2002年に佐藤オオキ氏を中心に設立されました。東京とミラノに拠点をもち、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと幅広くデザインを手がけています。

クライアントは、世界のトップメゾンから素材メーカーなど多岐にわたり、毎年ミラノサローネで話題となるスターデザイナーです。作品は、ニューヨーク近代美術館やポンピドゥー・センターに収蔵。 ミノッティが初めて組んだ日本人デザイナーとなります。


「姿勢を保ってくれて、立ち上がりやすいうえに、かわいい」なんて、まるで「両家に生まれて厳しく育てられたうえに、今っぽくて気立てがよい女友達」のようです。そんな「テープ」を毎日の生活に取り入れてみませんか?

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM