2020年のアワードシーズンを締めくくる、映画界最大の祭典「第92回アカデミー賞」が2月9日(日)に米・ロサンゼルスのビバリーヒルズで開催されました。
韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が作品賞はじめ最多の4冠を獲得したサプライズや、日本から松たか子さんが『アナと雪の女王2』のパフォーマンスに参加するなど、大いに盛り上がった今年のオスカー。話題に事欠かないなかでも、やっぱり気になるのが、セレブの最旬レッドカーペットスタイル。
今回は定番モノトーンのクラシックなドレスのほか、エコフレンドリーを意識したサステナブルなドレス、そして、固定概念にとらわれないジェンダーレスなドレスで、自分らしさを表現した着こなしが輝いていました。
2020年のアカデミー賞、オスカーで「クラシカルに」見せていた女優の着こなし5選
定番人気のクラシカルなモノトーンドレスには、女優の個性が光っていました!
■1:スカーレット・ヨハンソン|300時間かけた職人技が光る!女神のドレス
『マリッジ・ストーリー』で主演女優賞、『ジョジョ・ラビット』で助演女優賞にノミネートされたスカーレットは、メタリックなカスタムドレスで登場。ボディはフリンジ、スカートはサテンのこちら、手作業でドレープを寄せたコルセットや、バイアスカットが美しく波打つスカートで、制作に300時間以上を要したという、気の遠くなるような職人気質の賜物です。
合わせたジュエリーは、「Forevermark X Anita Ko」の「エクセプショナル ダイヤモンド コレクション」。
ネックレスはせず、さりげなく着けたダイヤモンド ブレスレット(WG、計 29.15 cts)も、ドレスに負けないきらめきです。もともとクラシックなスタイルが似合うスカーレットですが、婚約したばかりのコリン・ジョストと登場し、最愛の人の隣りで、さらにセクシーに美しく輝いていました。
■2:ナタリー・ポートマン|無難なんて興味がない!センセーショナルな主張あるドレス
ディオール・オートクチュールの2018春夏コレクションのガウンと、2020年春夏のチュイールドレスをコーディネートしたナタリー。ガウンには、今年のオスカーにノミネートされることのなかった、才能ある女性監督たちの名前が、ゴールドの糸で刺繍されています。
ブラックとゴールドの正統派モノトーンドレスで、美しいながらも無難な選択?と思ったら大間違い。オスカー92年のヒストリーでノミネートは5名のみ、受賞はひとりもいない女性監督。ファッションでハリウッドの男女格差を、ナタリーらしく、クレバーに訴えています。
合わせたジュエリーはカルティエのもの。ゴールドがドレスのトーンにマッチし、色を抑えたメイクもトータルでマッチ。
■3:シャーリーズ・セロン|ミニマムで際立つ、まるで彫刻のような美しさ!
ぴったりとまとめたヘアが際立たせる頭の輪郭や、潔くむき出しになった肩、深いスリットから伸びる脚など、スーパーモデルばりのスタイルをもつシャーリーズのゴージャスさを、華美に飾りたてること無く最大限に引き出すブラックシルクのカスタムドレス。
ディオールのマリア・グラツィア・キウリによるデザインは、シャーリーズの彫刻のような完璧なボディにエレガントな威厳を与えています。
■4:レネー・ゼルウィガー|祝・最優秀主演女優賞!自分に一番似合うシルエットをチョイス!
『ジュディ 虹の彼方に』で、見事、最優秀主演女優賞を獲得したレネー。レッドカーペットに映える、真っ白なドレスはお気に入りだというコラム(柱)シルエット。眩いスパンコールが、ステージで手にしたオスカー像の輝きともリンクしていました。
小さくまとめたヘアもドレスのラインを引き立て、自分が最高にエレガントに見えるスタイルを知っている、おしゃれ賢者であることが伺えます。
■5:ルーシー・ボイントン|独特なヘアメイクで、モノトーンドレスを個性的に演出!
一貫してガーリースタイルながら、個性的なヘアメイクがいつも話題のルーシー。シャネルの丸襟にパフスリーブ、リボンモチーフまでついた2020年春夏コレクションの、クラシックなモノトーンのエレガントなドレスは、彼女にぴったりのかわいさ。
分け目にパールをあしらった独創的なヘアや、強めの赤リップでモードな味付けをしています。パートナーのラミ・マレックは、カルティエの時計とサンローランのスーツを着用しています。
2020年のアカデミー賞、オスカーで「サステナブル」なドレスに身を包んでいた女優の着こなし3選
サステナブルファッションのトレンドはレッドカーペットにも波及! ここからは、それぞれのアプローチに説得力を感じる装いをご紹介します。
■6:ケイトリン・ディーヴァー|注目の若手女優がシックに変身!スワロフスキー輝くエコなドレス
ネットフリックスのドラマ『アンビリーバブル たった1つの真実』などで注目されている、1996年生まれのケイトリンは、先のゴールデングローブ賞のフラワープリントドレスでも話題を呼びました。
オスカーのレッドカーペットに選んだルイ・ヴィトンのカスタムドレスは、スワロフスキークリスタルとグラスビーズを散りばめた、エシカルかつEcoフレンドリーなシルクサテン。
Red Carpet Green Dress™ (RCGD)とのパートナーシップのもと、RCGDの持続可能な基準に基づいて、制作されたのだそう。ストレートなダウンヘアと細身のシルエットで、いつもより大人っぽく、シックに見せることに成功しています。
■7:オリヴィア・コールマン|サステナブルファッションを牽引するブランドによる、ユニークなドレス
サステナブルなベルベット素材を使用した、ミッドナイトブルーのカスタムドレスで登場したオリヴィア。
ホワイトのケープがアクセントのユニークなドレスは、腕がのぞく袖やクリスタルのアップリケ、そしてブロンドのピクシーカットで、重厚な素材ながら軽やかに着こなしています。
■8:マーゴット・ロビー|今年のサステナブルドレスのハイライト!拍手喝采のビンテージドレス
1994年春のオートクチュールコレクションを着て現れたマーゴット。ブラックのビスチェに、地面に着きそうに長い、分かれた袖が特徴のビンテージドレスは、今見ても色褪せないエッジーなデザイン。
過去に着用したドレスを着回したり、素材にこだわったり、と様々なアプローチが考えられる中、こんなビンテージドレスも一つのスマートな選択、と言えそうです。
2020年のアカデミー賞、オスカーで「自分らしく」装っていたセレブリティの着こなし2選
いつだって自分らしく!ジェンダーレスに自由に装うセレブたちの代表と言えるのが、こちらのふたりです。
■9:ビリー・アイリッシュ|パンツにスニーカー。レッドカーペットの常識を打ち破る、若きポップアイコン
レッドカーペットで女性はドレス、そしてヒールを着用する、なんてルールは今更気にしないヤングジェネレーション。その代表のようなビリーは、オーバーサイズなシャネルのツィードスーツにスニーカーを合わせて登場。
いつも自分らしくありたい、と、どこにいても自分のスタイルを貫くスタイルが、今一番のトレンドかもしれません。
■10:ビリー・ポーター|お馴染みのドレススタイルがさらに進化!
恐れることなく、オリジナルなドレスアップを貫くビリー・ポーターのスタイルは、今や、レッドカーペットの名物となりつつあります。まるでどこかの国のロイヤルのような黄金のドレスは、トレーンを引くボリュームあるスカートが印象的。ゴールドの厚底ブーツとの相性もバッチリで、独特の世界観です。
以上、第92回アカデミー賞のレッドカーペットスタイルから、ハイライトの10選をお見せしました。次に観る作品の参考にしたい、賞の行方も気になりますが、時代の空気を感じるセレブ達の進化する装いにも要注目です!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 神田朝子