本当においしい肉を出してくれる店に巡り合いたいけれど、どこを訪ねるべき? なかなか正解の出ないこの問いに、『Precious』は迷わず「京都」と答えます! 丹波、神戸、近江、松阪…京都ってじつは、ブランド牛の産地に囲まれた“肉好きの聖地”。

京都通&食通で知られる作家・柏井 壽さん、肉マイスター・田辺晋太郎さん、酒ジャーナリストでエッセイスト・葉石かおりさん、女優の羽田美智子さん、和文化コーディネーター・森荷葉さんが、“京都でうまい牛肉が食べられる名店”を紹介してくれました。

■1:柏井 壽さん推薦!黒毛和牛一頭買いの名店「京の焼肉処 弘」

「京の焼肉処 弘」史上最強のロース(1,380円/税抜)
「京の焼肉処 弘」史上最強のロース(1,380円/税抜)

「京都らしい風情の町家で極上の焼肉が楽しめます」と柏井さんがほれ込むお店が、こちら。先斗町や祇園など京都に10店舗を構える人気店です。いずれも京都らしい絶好のロケーションで、木屋町店では夏、納涼床で焼肉を楽しめます。

驚くべきはその値段。タンやロース、カルビやハラミは1人前1,000円前後! それもそのはず、こちらのお店の運営母体は精肉店。一頭買いした黒毛和牛をむだなく使いきるべく、部位に合わせて切り方やタレ、薬味などを変え、希少部位も含めて、使い方や食べ方を日々研究しているのだそう。

「おすすめは、“史上最強のロース”(1,380円)。美しいサシ入りのサイコロ状ロースはしっかり焼くのが“弘”流。にんにくチップと塩こしょうだけでシンプルに食べるのがいちばん美味です」(柏井さん)

問い合わせ先

  • 「京の焼肉処 弘」木屋町店 TEL:075・213・5000
    住所/京都府京都市中京区木屋町三条上ル
    営業時間/17:00~23:00(L.O.) ※無休 予約がベター

■2:田辺晋太郎さん、葉石かおりさん、羽田美智子さん、森荷葉さん推薦!常連が通う名店で風情と活気も味わいたい「安参(やっさん)」

写真左は、新鮮な「ツンゲ(タン)の刺身」。写真右は自家製しょうゆダレと卵黄をからめて食べる「赤身の刺身」
写真左は、新鮮な「ツンゲ(タン)の刺身」。写真右は自家製しょうゆダレと卵黄をからめて食べる「赤身の刺身」

昭和23年の創業以来、全国の肉好きが一目おく肉割烹の草分けで、著名人の常連さんも多い同店。

「素材のよさはもちろん、ていねいな仕込みにうなります」(田辺さん)、「メニューはなく、黙っていても小皿にのったおいしい肉が次から次へ出てきます。いろいろ食べたい女性向け」(葉石さん)、「カウンターではときどき、きれいな芸妓さんを連れた粋な旦那衆をお見かけします。そんな光景も京都ならでは」(羽田さん)、「ここでしか味わえない新鮮なお肉とディープな雰囲気。最後に登場する濃厚な煮込みはさらにワインが進みます」(森さん)と、美味だけでなく京都そのものを味わえるのも魅力です。

問い合わせ先

  • 「安参」 TEL:075・541・9666
    住所/京都府京都市東山区祇園町北側347-10
    営業時間/18:00〜22:30(L.O.)
    定休日:日曜・祝日 カウンターは予約不可
    予算の目安/飲み物代込みでひとり¥15,000くらい。

■3:森 荷葉さん推薦!牛肉を最大限に楽しめる名店、その名もずばり「牛宝」

写真左は、タンの新鮮さが命の「タンたたきわさび」。右は女性に人気の定番メニュー「肉巻ききのこポン酢」
写真左は、タンの新鮮さが命の「タンたたきわさび」。右は女性に人気の定番メニュー「肉巻ききのこポン酢」

ジャズが流れる店内にはカウンター10席のみ、という隠れ家的なお店。「京都に住む食通の方に連れていってもらったのですが、炭焼き以外にも、タン餃子や白センマイ、牛マッシュチーズパン、野菜ものや冷麺、カレーなどサイドメニューがとにかく美味!」(森さん)

“趣味は仕入れ”というご主人だけあって、流通が難しい極上肉も日々そろっています。炭焼き・串焼きがメインで、素材の味を楽しんでもらうため、味付けはシンプルに。舌の肥えた京都の肉通も虜にする“牛”の名店です。

問い合わせ先

  • 「牛宝」 TEL:075・213・5000
    住所/京都府京都市左京区一条寺赤ノ宮町22-4
    営業時間/18:00~22:30(L.O.) 不定休 ※予約がベター
    予算の目安/料理6、7品でひとり¥10,000円くらい

■4:柏井 壽さん、葉石かおりさん推薦! 老若男女問わず愛される、今も昔も変わらぬ味「ビフテキ スケロク」

「ビフテキ スケロク」特選牛ビフテキ ロース120g¥3,500(税込)※写真は230g
「ビフテキ スケロク」特選牛ビフテキ ロース120g¥3,500(税込)※写真は230g

創業は1954年。看板メニューは国産牛のロースを使ったビフテキ。“ビーフステーキを略してビフテキ”、そんな懐かしさも味わえる名店です。

「さっぱりとした自家製のしょうゆベースのタレが赤身肉とよく合う。肉の下にぎっしりと敷かれた玉ねぎとも相性よく、肉の甘さとうま味を引き立てます」(柏井さん)。「京都といえばビフテキ、ビフテキといえばスケロク。脂少なめな赤身肉なので、200gでも赤ワインと一緒にペロリといけます」(葉石さん)。

ビフカツやハンバーグ、エビフライも人気メニュー。夏場だけ登場するビシソワーズはフレンチ出身のシェフならではの味。生クリームは使わず、あっさりとコクをたたえるおすすめの一品です。何度でも通いたくなる洋食店です。

問い合わせ先

  • 「ビフテキ スケロク」 TEL:075・213・5000
    住所/京都府京都市北区衣笠高橋町1-26
    営業時間/11:30~14:00(L.O.)17:30~20:00(L.O.)
    定休日/木曜 ※予約がベター

以上、“牛の聖地”・京都で訪ねたい名店4選を、京都通&食通著名人の皆さんの推薦コメントつきでご紹介しました。知る人ぞ知る名店ぞろい、“京都で牛肉”が新定番になりそうです。

この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
BY :
『Precious7月号』小学館、2017年
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PHOTO :
伊藤 信、ハリー中西(安参)
EDIT&WRITING :
田中美保(スタッフ・オン)、中村絵里子(Precious)