おいしいものいっぱいの京都だけれど、“一見さんお断り”でちょっと入りにくい店ばかりだと思っていませんか? じつは、庶民の味もこんなにバリエーション豊かな“洋食天国”でもあるんです。
京都通&食通で知られる作家・柏井 壽さん、肉マイスター・田辺晋太郎さん、酒ジャーナリストでエッセイスト・葉石かおりさん、華道「未生流笹岡」家元・笹岡隆甫さん、何必館・京都現代美術館キュレーターの梶川由紀さんが推挙する“京都で絶対食べたい洋食の名店”を8軒、ご紹介します。
■1:洋食天国・京都の“今”を象徴する「洋食おがた」の特製ハンバーグ<田辺晋太郎さん推薦>
尾崎牛と南の島豚の合挽きをひと晩寝かせてうま味を凝縮した、いいとこ取りの一品。肉マイスターの田辺さんも「肉汁がしっかりと滴る今風のハンバーグ。ソースも素晴らしい」と絶賛! 丸鶏や子牛、牛スジを10日間煮込んだデミグラスソースは、ほろ苦くコクの深い味わいです。来店の際は予約がベター。
問い合わせ先
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「洋食おがた」 TEL:075・223・ 2230
住所/京都府京都市中京区柳馬場通押 小路上ル等持寺町32-1 営業時間/11:30~13:30 (L.O.)、 17:30~ 21:00 (L.O.) 定休日/火曜、月1回不定休
■2:伝統のつつみ焼きスタイルが絶品。「キャピタル東洋亭」の東洋亭ハンバーグステーキ<笹岡隆甫さん推薦>
東京「つばめグリル」から教わったというつつみ焼きスタイルのハンブルグステーキが原点。ビーフシチューソースの蒸気でふくらんだアルミホイルを破った瞬間、肉の香りがふわりと漂います。
京都の美味をよく知る笹岡さんも「甘めのソースは、子供のころから慣れ親しんだ味」という定番の味です。
問い合わせ先
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「キャピタル東洋亭」本店 TEL:075・722・2121
住所/京都府京都市北区上賀茂岩ヶ垣内町28-3 営業時間/11: 00~21:00 (L.O.) ※無休
■3:A5・A4ランクのみを扱うステーキハウス「ステーキ なか彦」のランチ、ハンバーグ&海老フライセット<梶川由紀さん推薦>
九州産和牛ステーキの切り落としに、豚ミンチを少しだけ混ぜたハンバーグ。「お肉そのものを味わっているようで 食べ応えあり。デミグラスソースも絶品です」と梶川さんイチ押しの一皿です。海老フライもついた懐かしい趣きが食欲をそそります。
問い合わせ先
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「ステーキ なか彦」 TEL:075・551・5529
住所/京都府京都市東山区祇園町南側572-10 営業時間/11:30~13:30 (L.O.)、 17:00~21:30 (L.O.) 定休日/日曜、祝日の月曜、月曜の昼
■4:ハンバーグだけで15種ある個性派の名店「グリル はせがわ」のかぼちゃハンバーグ<葉石かおりさん>
鮮やかな黄色は、カボチャの繊細な甘さが溶け込んだホワイトソース。ほかにも、白味噌やピリ辛中華風など、個性派ハンバーグがそろっています。ハンバーグだけで15種類というから驚き。
「昔ながらの洋食店です。200gのポーションも満足度が高いです」(葉石さん)
問い合わせ先
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「グリルはせがわ」 TEL:075・491・8835
住所/京都府京都市北区小山下内河原町68 営業時間/11:15~15:00 (L.O.)、16:00~21:00(L.O.) 定休日/月曜(祝日の場合は営業、翌火曜休)、第3火曜
■5:熟成肉専門店ならではのうま味と香り。「京都 中勢以 月」の熟成肉 特製ハンバーグ<笹岡隆甫さん推薦>
「沖縄県・屋我地島(やがちしま)の塩でいただくハンバーグです。肉本来の味と香りが楽しめて、赤ワインやシャンパンにもぴったり」(笹岡さん)。熟成させた但馬牛と鹿児島の豚を5:5であいびきに。粗め・細かめの2種類のミンチを使って食感にもこだわっています。
問い合わせ先
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「京都 中勢以 月」 TEL:075・748・1429
住所/京都府京都市東山区稲荷町北組573 営業時間/11:30~14:00(L.O.)、18:00~21:00(L.O.) 定休日/月曜
■6:西陣発祥の庶民派グルメ、「キッチン ゴン」のピネライス<柏井 壽さん推薦>
1970年の創業時から職人や学生に愛されているという、三大好物を融合させたこの店の名物メニューが“ピネライス”。「焼き飯に薄いとんかつを載せて、カレーをかける、欲張り者のB級グルメ(笑)。欲を一度に満たしてくれて、ベタだけどうまい!」と柏井さんもお気に入り。
問い合わせ先
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「キッチン ゴン」西陣店 TEL:075・801・7563
住所/京都府京都市上京区下立売通大宮西入ル浮田町613 営業時間/11:00~21:40(L.O.) 定休日/水曜
■7:花街育ちのハイカラな味。「洋食の店 みしな」のビーフシチュー<柏井 壽さん推薦>
炒めた玉ネギと牛スジ、鶏ガラを裏ごしながら2週間かけて仕込む濃厚なソースに、筍やニンジンなど大きな具材を後から合わせるスタイルです。「コクがあるのにあっさりとした、これぞ粋人に愛されてきた味です」(柏井さん)。ランチはシメにお茶漬けが付きます。
問い合わせ先
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「洋食の店 みしな」 TEL:075・551・5561
住所/京都府京都市東山区高台寺二年坂畔 電話:075・551・5561 営業時間/12:00~14:30(L.O.)、17:00~19:30(L.O.) 定休日/水曜、第1・第3木曜 夜は要予約
■8:炭火で香ばしく仕上げた一品、「西洋酒樓 六堀」の特製ハンバーグ<柏井 壽さん推薦>
ナイフを入れた瞬間その密度がわかるほど、「肉がぎっしり詰まった京都人好みのハンバーグ」と柏井さん。炭火の香ばしさが食欲をそそります。ソースはテリヤキかデミグラスか選べ、酒の肴にぴったりな小さめのポーションもありと、こまやかな気配りがうれしい名店です。
問い合わせ先
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「西洋酒樓 六堀」 TEL:075・354・8117
住所/京都府京都市下京区堀川通六条下ル元旦町5 11:30~22:30(閉店)、ランチ~14:30(L.O.)、ディナー18:00~20:30(L.O.) 定休日/水曜、第2・第4木曜
以上、京都で訪ねたい洋食の名店8選を、京都通&食通の皆さんの推薦コメントつきでご紹介しました。京都イコールおばんざい、だけじゃないんです。たまには京都で洋食としゃれ込んでみるのも心躍りますね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 『Precious7月号』小学館、2017年
- PHOTO :
- 合田慎二、内藤貞保(グリル はせがわ)
- WRITING :
- 森中奈央(トライアウト)
- EDIT&WRITING :
- 田中美保(スタッフ・オン)、中村絵里子(Precious)