写真家・映画監督のシンディ・シャーマンの「回顧展」&「作品展」がパリで同時開催!
1954年にアメリカで生まれ、ニューヨークをベースに活動する写真家・映画監督のシンディ・シャーマン。1970年代後半に制作されたモノクローム写真シリーズ「アンタイトルズ・フィルム・スティル」が代表作として知られています。
映画のワンシーンを題材に自らヒロインに扮するなど、彼女の主な作品はセルフ・ポートレート、つまり「セルフィー(自撮り)」なのです。
その作風は非常にコンセプチュアルで、スタイリッシュなものやグロテスクなものなど多岐にわたります。さまざまな表現を通して「女性」のあり方について問題提起する姿勢は、時代を先駆けたものといえるでしょう。
2020年4月2日(木)~8月31日(月)の期間に、パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンにて開催される「シンディ・シャーマン展」では、1975年から2020年までの彼女の作品が一堂に会する「回顧展」と、シンディ・シャーマンの協力により、フォンダシオン所蔵のコレクションから厳選した作品群を展示する「作品展」が並行して行われます。
■1:シンディ・シャーマン回顧展
1500㎡以上にもおよぶ広大なスペースを舞台に、1975年から2020年までに制作された170作品を集める回顧展では、実に300点以上もの写真が展示されます。
シンディ・シャーマン自身の全面的な協力のもと、「アンタイトルズ・フィルム・スティル」をはじめとする代表作のほか、男性やカップルの姿を捉えた新シリーズもお披露目に。
また、特に2010年代初期の作品や未発表の作品にスポットが当てられているのが、本展の大きな特徴となっています。
■2:コレクションから厳選した作品展「Crossing views(交錯する視点)」
回顧展と並行して行われる「Crossing views(交錯する視点)」では、フォンダシオン所蔵のコレクションから、シンディ・シャーマンの協力を得て厳選した作品群が、彼女の作品と呼応するように2フロアに分かれて展示されます。
絵画、写真、彫刻、動画、インスタレーションなど、さまざまなアプローチと媒体を使ったポートレートと解釈を中心とした構成で、世代もバックグラウンドも異なるフランス人アーティストのほか、国際的に活躍するアーティスト20人による作品を紹介。
約60点の展示予定作品の多くがフォンダシオンでは初の展示となるという点も、本展の見どころのひとつです。
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フランスでは14年ぶりとなる「シンディ・シャーマン展」。今もなおアート界を牽引する彼女の活動の軌跡をたどる刺激的な体験を、ぜひ堪能してください。
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- Precious.jp編集部