神聖な「白」にフォーカスした2020年春夏のVALENTINO(ヴァレンティノ)のコレクション。オートクチュールのテクニックを駆使し、まるでヨールロッパに古くから建つ建築物のような、立体的で美しいクリエーションを発表し、話題になりました。
神聖な「白」にフォーカスした、ヴァレンティノの2020年春夏コレクション
テーマは「LE BLANC」。クリエイティブ ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリ氏が着想を得たのは、陰影を生かした画法のグリザイユでした。洋服のフォルムの美しさ、そして、光と影を最大限に活かすため、無彩色の「白」をメインカラーに据えたといいます。
壮麗なホワイトシャツこそ「現代のドレス」のカタチ
コレクション内では、コットンポプリンのシャツやシャツドレスなど、普段着として日常的に取り入れられているアイテムを多数展開。陰影とフォルムを操り、それらを特別な存在へと昇華しました。
神聖な衣服を思わせるクリーンなスタイルに、女性らしさ薫るレースやチュールなど軽やかな異素材を抱き合わせ、ドレスに仕立てたスタイルも登場! クチュールの技巧をふんだんに取り入れ、ワードローブをエレガントに再解釈したクリーンなスタイルが脚光を浴びました。
制作過程でこだわった「3つのポイント」とは?
この神聖なシャツを誕生させるうえで、ピエールパオロ氏は3つのポイントにこだわったといいます。
■1:「身近感のある素材選び」へのこだわり
ホワイトシャツという普遍的なアイテムを、より現代的なアイテムにするためポプリンなどワードローブによく使われる素材を使用。あえてプレシャスな素材を排除したとのことですが、メゾンのもつ華麗なオートクチュールの技巧により、新時代のドレスが見事誕生したのです。
■2:「立体感あるフォルム」へのこだわり
影を生かすためにも、フォルムへのこだわりは相当なもの。ピエールパオロ氏のもつサルトリアル(仕立て屋)の知識を余すことなく投下し、立体的かつフェミニンなシルエットを表現。装飾を最低限にとどめたのも計算のうちだとか。
■3:「白という色」へのこだわり
「白」へのこだわりも、形やボリュームを際立たせるためのミニマルな選択ではなく、光と影、物質と空間のバランスを通じて立体的に仕上げるための最適策ということがわかります。純粋で神聖……この上なく美しい境地へと導くため、白以外の色を排除したといいます。
コレクションができるまでの裏舞台を、動画で独占公開
今回は特別に、Precious.jp独占で、「ヴァレンティノ」2020年春夏コレクションの制作風景を動画でお届けします。職人たちの持つテクニック、采配を振るうピエールパオロ・ピッチョーリ氏の美意識を存分に堪能してください。
3月6日(金)より、全国展開をスタート
歴史あるクチュールの技術とヴァレンティノのストーリーが生み出した集大成ともいえる「ホワイトシャツ」。これこそが、感情や経験など、自分自身のすべてを統合し表現するための新しい共通言語なのかもしれません。
まるで着る芸術品のようなヴァレンティノの2020年 春夏コレクションは、3月6日(金)より店頭に登場します。ぜひ手にとってその世界観を感じてみてください。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 津島千佳
- EDIT :
- 石原あや乃