「マックスマーラ」は、いつの時代も自立した女性とともに

始まりは女性の職業を支援する裁縫学校から…

「マックスマーラ」は、イタリアのレッジョ・エミリアで1951年に創立。2021年で70周年を迎えます。創業者は弁護士の経歴をもつアキーレ・マラモッティ。

彼の曽祖母、マリナ・リナルディは19世紀半ばからオーダーメイドの高級婦人服店を経営し、母は第二次世界大戦後、若い女性たちにテーラリングと縫製技術を教える学校を設立するというファッションと縁深い家系。アキーレもその情熱を受け継ぎ、類いまれな創造力、そしてビジネス感覚を持ち合わせていました。

コートに特化したビジネスへ

フランスのオートクチュールの洗練に刺激を受けて、コートに特化したビジネスをスタート。手作業だったイタリアの服づくりにプレタポルテ(=高級既製服)と、革新的な技術による工場生産という製造システムを取り入れたのです。

自立した女性たちとともに

この服づくりの背景には常に、彼の曽祖母や母のような自立した女性たちへの賛歌がありました。有名なデザイナーを採用しつつも名前を公にせず、時代の空気に寄り添うしなやかな女性像を打ち出していったのもそのため。

さまざまな年齢や体型、仕事をもつ女性たちのライフスタイルを後押しする魅力的なアイテムがそろうブランドへと成長していったのです。

強く洗練された女性像の確立

 ラグジュアリーで上品な「メイド・イン・イタリー」が世界中で注目されるようになった1981年には、ブランドアイコンとなるコート『101801』を発表。最高級のウールカシミアのしっとりとした艶と肌触りをもつ、ゆったりとしたコートは羨望の的に。

最近では、ふわふわの『テディ コート』が、流行を牽引していますが、初登場は7年も前。世界中の洗練された大人の女性たちが、時代を超える価値観を「マックスマーラ」に求めていることの証といえるのです。

History

コートづくりから始まったブランドのアーカイブ写真。70年の歳月を経て、時代に寄り添いながら、凛として自立した女性像が追求されてきました。1960年代からは著名な写真家とスーパーモデルや女優に、最旬かつ時代を超えるイメージを託し、女性たちの羨望を集めてきます。

1940年代:コート第一作はこの裁縫学校でつくられた

裁縫学校の様子。
裁縫学校の様子。

1958年:ポスターにはテラード技術に裏付けられた最旬スーツが登場

マックスマーラのポスター
マックスマーラのポスター

1963年:ジャクリーヌ・ケネディを彷彿とさせる美しいスーツ「ファビアン」

「ファビアン」
「ファビアン」

1987年:美しく上品な光沢のあるピュアキャラメルはすでにアイコン素材に!

©Paolo Roversi
©Paolo Roversi

1997年:1980年代以降、有名写真家とモデルによる強く洗練された女性像が確立

©Steven Meisel
©Steven Meisel

2013年:その後大ヒットする「テディ コート」をセレブがいち早く着用

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©Getty Images

2020年春夏:最新コレクションは機能美あふれる贅沢な大人のミリタリー

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2020年、春夏コレクション

知的で美しい女性スパイが活躍する小説をテーマに、主演女優のワードローブを思い描いた2020年。機能的なディテールを強調したワークウエアの要素を、上質な生地とカットで端正なたたずまいに。

EDIT&WRITING :
藤田由美、古里典子(Precious)