「ロードスター」といえばマツダ、と思う人はわりと多いようだ。実際、日本ではその通りなのだが、元はといえば、かつてたくさんつくられた、英国製の2座オープンスポーツカーがルーツ。1980年代にはすっかり見かけなくなったこのキャラクターを、マツダはみごとによみがえらせた。そしていま、本場英国から魅力的なロードスターが現れた。レースカーづくりから始まったアストンマーティンによる、ぜいたくでパワフルな1台だ。
ロードスターは英国の誇り
英国人が伝統的に好んできたのが、無蓋のスポーツカー、ロードスターだ。欧州大陸では、雪のこともあって、耐候性が高いカブリオレが好まれる傾向にあるが、ロードスターは薄くて小さく折り畳める幌をよしとする。スタイリッシュさが身上だ。
アストンマーティンは、そもそもレースカーがスタートということもあり、ロードスターを得意とするメーカーだ。最新モデルが先頃公開された、「バンテッジ・ロードスター」。
4リッターV型8気筒ツインターボエンジンをフロントに搭載。駆動方式はやはりオーセンティックな後輪駆動だ。アストンマーティンには2プラス2の「DB」シリーズがあるが、バンテージは2人乗りである
パッケージのちがいを活かして、バンテージはよりコンパクトにまとめられているのも特徴だ。DB11が2808ミリのホイールベースと4739ミリの全長を持つのに対して、バンテージは2704ミリ、4465ミリ。
7MT仕様も選べる!
V8エンジンは、最高出力375kW(510ps)、最大トルク685Nmを発生。8段オートマチック変速機が標準で、静止から時速100キロまでの加速は3.8秒だそう。今回から、7段マニュアル変速機も選べるようになった。こちらはおそらく操作性を考慮して最大トルクをすこし低めた仕様になるはずだ。
ダイナミックスタビリティコントロール、ダイナミック・トルクベクタリング、エレクトロニック・リアデファレンシャルなどはクーペと共用。
リアダンパー、アダプティブ・ダンピングシステム、ESPキャリブレーションは、専用チューニングだ。ドライブモードセレクターによる「スポーツ」「スポーツプラス」「トラック(サーキット)」の設定は、ロードスター専用という。
「新開発されたZパターンの軽量折りたたみルーフメカニズムと、最適化されたエクステリアとシャシーにより、重量は、クーペと比較してわずか60キロしか増加していません」
アストンマーティンは、バンテージ・ロードスターは、けっしてファッション性のために開発されたのではないと謳う。美しいインテリアの仕上げも特長で、少しぐらい寒かろうが、オープンで走らせたくなる。
価格は2159万9000円。これはAT仕様のベースプライスで、マニュアル変速機仕様の価格は未定。オプションも豊富で、自分の好みの仕様に仕立てられるぜいたくなスポーツカーだ。
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- 小川フミオ ライフスタイルジャーナリスト