南部鉄器の産地である岩手県水沢に工房を構え、鉄瓶などの製品を製作している鋳鉄(ちゅうてつ)作家・岩清水久生さんは、デザイナーから鋳鉄職人に転身した人物。彼がつくる作品は、伝統を重んじながらも新しいデザインや色が取り入れており軽やかな印象だ。
軽やかな白金色の愛らしい鉄急須「egg(エッグ)」
鉄急須「egg」の特徴的なフォルムは、手の中に納まる愛らしい丸い型を何年も追求し、スケッチと試行錯誤を重ねて誕生したもの。機械を使用し手作業を効率よく省くことができる「生型(なまがた)」と呼ばれる主流の製法をベースに、母親の家業である南部鉄器の技法も加えた独自の技術も取り入れて製作されている。
古美術のような風合いも魅力
「生型は、仕上がりが荒くて重たいというイメージを持つ人もいるのですが、工夫次第でいいものをつくれる効率的な手法です。『こんなにも長く使えて味がでるのか』と驚いてもらいたいです」と岩清水さん。
古美術のような風合いのあるグラデーションがかった白い色は、本来鉄が持っている色を残しながらも、いままでにない新たな色合いをまとっている。
“白金(しろかね)”と独自に名付けたこの色は、使い手の手癖を覚え、年月が経つとともにその人でしか出せない風合いに変化する。沸かすお茶の味もまた、その人にしか出せない個性が出てくるのだ。
取り扱い店舗
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記事元:ヒトサラ https://magazine.hitosara.com/article/1981/
- TEXT :
- ヒトサラ編集部
公式サイト:ヒトサラ
- PHOTO :
- 急須/木村文吾、店内/淺川敏
- EDIT&WRITING :
- 遠藤 まや(ヒトサラ編集部)