新ブランド「K三(ケースリー)」とは? デザイナー・髙田賢三さんに直接伺いました

世界的デザイナーとして第一線で活躍してきた髙田賢三さんが2020年1月、ホーム&ライフスタイルの新ブランド「K三」を発表。パリ・サンジェルマンにオープンしたショールームとともに話題になっています。ブランドを立ち上げた背景や込められた想いを、教えていただきました。

「つくり手として日本の伝統技術や職人技に触れ、その偉大さにリスペクトが深まります」(髙田さん)

「年を重ねるにつれ、ライフスタイルは変化します。僕自身、若いころに比べたら夜出歩くことも減って、家でゆっくりくつろぐ時間が増えました。

だからこそ、好きなものに囲まれた、本当にリラックスできる空間=家づくりが大切になってきます。そんななか、インテリアブランドを立ち上げることになって、僕がいちばんワクワクしているかもしれません」

Sakura(桜)

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日本の美の象徴でもあるSakura(桜)は、自然からインスパイアされたコレクション。花を愛する髙田さんが特に好きな「桜」の繊細さとやわらかさが奏でる、ベージュを基調とした優しい雰囲気が特徴。
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ショールームでは、本物の桜の枝がディスプレイされ、訪れる人の目を楽しませる。

ソファやベッド、テーブルやラグ、リネンやタオルまで。シックで大胆、鮮やかな色使いが印象的です。

「西洋と東洋の美にインスピレーションを得て、その調和を意識しました。それから、現代性と古きよきものの調和も。フランスのモダンさと日本の卓越した職人技、さらには中国などアジアのエキゾチックな伝統とアールデコの直線美…。異なるエレメントを、自分のフィルターを通して新解釈しました。

それに今回、インテリアデザインやファブリックに関する知識豊富な若い人たちとチームを組めたのもうれしいですね。若い世代とのコミュニケーションを楽しむことで、そのフレッシュな感性に刺激を受け、僕自身も柔軟な感覚でいられます。僕は年寄りが好きじゃないから(笑)。

Maiko(舞妓)

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華やかで優美な舞妓をテーマにしたコレクション、Maiko(舞妓)。鮮やかなピンクや赤を基調とし、大胆な色と柄を使いながら、凛とした気品も表現。
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帯からヒントを得たマルチユースのファブリックはリバーシブルで、テーブルランナーやベッドスロー、額縁に入れてアートにも。

なにより、「K三」を立ち上げるにあたって、アジア人として生まれ、パリで暮らしてきたなかで培われた自分のアイデンティティを、新たに見つめ直すことができた気がしています。

同時に、つくり手として、着物や織物、漆、焼き物、金継ぎなど、日本の伝統技術に触れることで、職人技術の偉大さに改めて感動し、リスペクトが深まりました。もっと知りたいし、もっと関わっていきたい。

Shogun(将軍)

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Shogun(将軍)は、モノクロを基調に、力強さと荘厳さを表現したコレクション。日本の職人技へのオマージュとして、漆や金継ぎの技法を施した大胆な柄は、モダンかつエレガント。
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屏風は、広いリビングなどを区切る、粋なパーティションとして、パリっ子も注目。

このブランドを通して、日本の伝統技術の素晴らしさを、世界へもっと発信するきっかけになればうれしいですね」

※Sakura、Maiko、Shogunともに、ベッドカバー490ユーロ〜、クッション200ユーロ〜です

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PHOTO :
篠 あゆみ
EDIT&WRITING :
田中美保、古里典子(Precious)
インタビュー :
萩原輝美
取材 :
鈴木ひろこ