ラグジュアリー・ファッション誌『Precious』で活躍するプロフェッショナルたちが、 ひと目見た瞬間に「手に入れたい!」と心が躍ったアイテムや、 実際に使ってみて「これはすごい!」と感動したアイテムなど、独自のラグジュアリー目線で選んだ私的名品を紹介する「私の最愛名品」。今回は、ファッション・ディレクターの萩原輝美さんが圧倒的な存在感に心を奪われたという、ノワール ケイ ニノミヤのリトルブラックワンピースです。 

ノワール ケイ ニノミヤのリトルブラックワンピース¥165,000(税抜)
ノワール ケイ ニノミヤのリトルブラックワンピース¥165,000(税抜)

繊細な手仕事が生み出す、圧倒的な存在感に心を奪われました

久しぶりにワクワクするブランドに出合いました。5年前にコム デ ギャルソンの展示会を訪れたとき、会場に飾られていたノワール ケイ ニノミヤです。手ワザを加えながら、縫うこと以外の方法で仕立てられたワンピースは、一見シンプルなのに、まるでオートクチュールのような存在感。消費財というより、特別な思いを込めておしゃれをしたいと思わせるワンピースであると確信しました。今では、毎シーズンすべてのアイテムを把握するほど、目が離せないブランドです。

私がワンピースを好きな理由は、一枚で完結しているアイテムながら、コーディネートの幅を広げられるから。このワンピースも、カーディガンやシアータイツを合わせてどう着こなそうか。限りなくイマジネーションを刺激される一枚です。

ノワール ケイ ニノミヤのリトルブラックワンピース
ノワール ケイ ニノミヤのリトルブラックワンピース

■ボンディング加工を施した、ハリのある生地で仕立てたブラックワンピースは、着たときの美しい立体感が魅力。肩と身ごろの脇は、細長くカットした生地を編み込み、重なり合う部分をリベットで留めて成型するという、手の込んだつくりです。

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この記事の執筆者
TEXT :
萩原輝美さん ファッションディレクター
BY :
『Precious7月号』小学館、2017年
毎シーズン、ロンドン、ミラノ、パリなど世界のオートクチュール、プレタポルテ、デザイナーコレクションを取材。ファッション雑誌に記事、コラムを寄稿する。セレクトショップのプロデュースも手がける。最近は着物にも関心を広げ、ファッションと同じように楽しんでいる。 好きなもの:服、女性、黒、パリの灰色の空、映画『男と女のいる舗道』、エゴン・シーレ、インドの沈む夕日、馬、「ウエスト」のシュークリーム、チューリップ、朝寝坊、あんみつ、SEALDs、しじゅうから、「やす幸」のおでん
PHOTO :
小池 紀行(パイルドライバー)
EDIT&WRITING :
小林 綾、吉川 純(Precious)
RECONSTRUCT :
難波 寛彦