ラグジュアリー・ファッション誌『Precious』で活躍するプロフェッショナルたちが、 ひと目見た瞬間に「手に入れたい!」と心が躍ったアイテムや、 実際に使ってみて「これはすごい!」と感動したアイテムなど、独自のラグジュアリー目線で選んだ私的名品を紹介する「私の最愛名品」。今回は、ファッション・ディレクターの萩原輝美さんが圧倒的な存在感に心を奪われたという、ノワール ケイ ニノミヤのリトルブラックワンピースです。
繊細な手仕事が生み出す、圧倒的な存在感に心を奪われました
久しぶりにワクワクするブランドに出合いました。5年前にコム デ ギャルソンの展示会を訪れたとき、会場に飾られていたノワール ケイ ニノミヤです。手ワザを加えながら、縫うこと以外の方法で仕立てられたワンピースは、一見シンプルなのに、まるでオートクチュールのような存在感。消費財というより、特別な思いを込めておしゃれをしたいと思わせるワンピースであると確信しました。今では、毎シーズンすべてのアイテムを把握するほど、目が離せないブランドです。
私がワンピースを好きな理由は、一枚で完結しているアイテムながら、コーディネートの幅を広げられるから。このワンピースも、カーディガンやシアータイツを合わせてどう着こなそうか。限りなくイマジネーションを刺激される一枚です。
■ボンディング加工を施した、ハリのある生地で仕立てたブラックワンピースは、着たときの美しい立体感が魅力。肩と身ごろの脇は、細長くカットした生地を編み込み、重なり合う部分をリベットで留めて成型するという、手の込んだつくりです。
問い合わせ先
- TEXT :
- 萩原輝美さん ファッションディレクター
- BY :
- 『Precious7月号』小学館、2017年
- PHOTO :
- 小池 紀行(パイルドライバー)
- EDIT&WRITING :
- 小林 綾、吉川 純(Precious)
- RECONSTRUCT :
- 難波 寛彦