あの流行の元ネタは? 今旬のブランドは? そんなコレクションやトレンドの真相を4都市のコレクションを長年取材しているファッション・ディレクター萩原輝美さんに教えていただきました。これであなたもトレンド通に!

■1:リアルVS.エコファー論争のゆくえは?

Photo/PRADA
Photo/PRADA

一時、エコファー人気の時代もありましたが、今季は、リアルもエコも混在しているのが特徴です。たとえば『プラダ』は、左の写真はエコ、右の写真のルックがリアル、と限りなく互いの境目がボーダーレスになっています。さらにエコファーは、「燃やせばガスが出て、エコじゃない」という論争も。いずれにしてもこの秋、もこもこファーは旬のアイテムです。

■2:ハイブランドに連鎖が走る!女性デザイナー交代劇の裏側

DIORのマリア・グラツィア・キウリ Photo/Getty Images
DIORのマリア・グラツィア・キウリ Photo/Getty Images
エルメスのナデージュ・ヴァンへ=シビュルスキー Photo/Getty Images
エルメスのナデージュ・ヴァンへ=シビュルスキー Photo/Getty Images
ジバンシィのクレア・ワイト・ケラー Photo/GIVENCHY
ジバンシィのクレア・ワイト・ケラー Photo/GIVENCHY

今、ハイブランドはリアリティに寄り添い始めています。「現代女性のためのワードローブ」をコレクションに反映させることから、結果として着る側の女性の共感を得やすい女性デザイナーへのシフトが目立っています。『ディオール』や『エルメス』をはじめ、次のシーズンからは『ジバンシィ』も女性デザイナーが起用され、注目の的です。

■3:こんな時代だからこそ注目されるラグジュアリーな手仕事

Photo/CHANEL
Photo/CHANEL
Photo/VALENTINO
Photo/VALENTINO

ファストファッションにはない、おしゃれのときめきを提案するのがブランドの醍醐味です。オートクチュールの技をプレタポルテに取り入れ、メゾンのオリジナリティと職人技を披露しています。

刺しゅう、羽根やファー使いだけでなく、裏地や縫製に至るまで、自分だけしかわからない部分までも繊細につくられた手技に、価値を見出すのではないでしょうか?

■4:ますます絶好調!「グッチ」が大人にウケる理由

コレクション会場では、どこもかしこも『グッチ』を身に着けた人ばかりでパワーを感じました。

でもそれにはちゃんと理由があるんです。それはミラノのショップに行くとわかるのですが、ランウェイのルックごとではなく、コーディネートしやすいように服や小物が配置され、彼の世界観を感じながら、リアルなショッピングが楽しめる所なのです。

「先シーズンのものでも、好きなら着ればいい」とアレッサンドロ・ミケーレ自身も言っているように、着る側の気持ちを半歩先に引っ張ってくれる、そんなところが、幅広い層に共感を呼んだ結果なのでは?

 

以上、秋冬ファッションの裏トピックスをお届けしました。次はどんなトレンドニュースが舞い込んでくるのでしょうか? Precious.jpでは引き続き、2017年秋のトレンド情報を追いかけてゆきます。

Precious9月号「大人に映える秋の新作大解剖」
¥850(税込) 2017年8月7日発売
【内容紹介】新しい季節の始まりにまず欲しいバッグを、大特集でお届けします。おなじみのハイブランドの中から、これぞという主役級バッグを厳選、バッグを主役にした着こなしや活用術など、さまざまな角度から「秋のバッグ」を掘り下げます。ほかにも、洗練度の高いカーキの着こなしや最新ブラウスの着こなしなど、最新の秋ファッションと暑さを意識した晩夏の着こなしの両方に対応できる充実の内容に。この9月号で、夏から秋への移り変わりをおしゃれに乗り切りましょう!
雑誌「Precious」を購入する

※掲載した商品の価格は、すべて税抜きです。

PHOTO :
Getty Images
COOPERATION :
萩原輝美
EDIT&WRITING :
土橋育子、廣田沙羅・竹市莉子(HATSU)、喜多容子(Precious)