今や装いのみならず、人々の新しい生き方の羅針盤となった、モードブランドとしてのルイ・ヴィトン。しかしこのメゾンは、単に進化だけを追い求めているわけではない。その証拠はパリ郊外のアニエール=シュル=セーヌで1860年につくられた、美しいアトリエ「アニエール」にある。

サヴォアフェールの故郷

ルイ・ヴィトンのトランク『ビステン』

上『ビステン 65』(65×44×18cm)¥865,000・下『ビステン 70』(70×47×18cm)¥910,000(ルイ・ヴィトンクライアントサービス)

以前は創業家であるルイ・ヴィトン一家も邸宅を構えていたというそこでは、今もなお職人たちが働いており、船旅全盛期さながらのトランクをこつこつ組み立てているのだ。

ポプラ材を使った木枠、頑丈な錠前、そして軽量かつ防水性に優れたモノグラム・キャンバス……。その光景は19世紀後半から何も変わらない。トランクとはルイ・ヴィトンの魂、サヴォアフェール(匠の技)の故郷なのである。

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2020春号より
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長山一樹(S-14)