日本料理 並木橋なかむら[渋谷]L.O23:30

美味い料理に、美味い酒、そして、居心地の良さ。
ひとりカウンター飯に必要な要素、そのすべてに
安定感とバランスがとれた、並木橋の人気店

「いらっしゃいませ」。扉を開けると、弾む声が気持ち良く迎えてくれる『並木橋なかむら』。「誰を連れていっても確かな店」という評判が伝わり、6時の開店早々から賑わう正真正銘の『人気店』となって久しい。

 とはいえ、遅めの時間には客足も落ち着く。そんな頃合いがおすすめ。深夜のひとりカウンター飯に相応しい大人の店でもあるのだ。

 もともとは下北沢で1993年の春に開店した『なかむら』。現在の渋谷・並木橋の交差点近くに移転したのは2008年。全55席を有する広くゆったりとした店内のメインとなるのが、長く延びた存在感のあるカウンター。その内側でてきぱきと仕事をする料理人たちの姿が気持ちいい。店に入ったときに感じる活気は、このオープンキッチンスタイルの『臨場感』が醸し出している。

 隣との間隔に程よいゆとりがあり寛げるカウンターは18席。座ると、カウンターの向こうから、忙しさもひと段落した料理人が声をかけてくれる。今夜のおすすめは……と説明を受ける、そんな時間も楽しい。

 まずは、魚のお造りをはじめとする、旬の食材をつかった料理が書かれた『本日のおすすめ』の品書きを見る。山崎晃子料理長が、毎日、毛筆で書いている品書きの文字も、食材に負けずにイキがいい。

 その他、品書きには、人気のメンチカツなどの定番メニューに加え、様々な情報を集めて出会った食材を取り入れた新たな人気料理も並ぶ。そのひとつが、料理長が惚れ込んだ霧島鶏を使った料理。信頼のおける目利きの肉屋が選んだ和牛を使った料理の評判も高い。

 深夜とはいえ、そんな品書きを見ていると、あれこれ食べたくなってしまう。そんなひとり客のために、ハーフサイズで出してくれる料理も多いから嬉しい。

 飲み物も、店長の野内宗弘さんが吟味した日本酒を中心に充実している。日本酒の場合、半合のグラスも用意されているため、料理に合わせて銘柄を替えて楽しむこともできる。

 さて、十分に食べて呑んだ後でも、やっぱり最後には〆の食事が欲しくなる。まだ暑さが残る9月。深夜のカウンター飯の仕上げに、梅の風味がきいたとろろをかけた冷麦はいかがだろう。

 次に来るときのお造りは、秋刀魚にしようか、かれいにしようか。キノコ料理も何があるか楽しみ。『並木橋なかむら』は、カウンターの常連になるのが、何より幸せな名店なのである。

ゆったりと座れるカウンター席をメインにしたオープンキッチンスタイル。賑わいも落ち着いた深夜のひとり飯なら、カウンター越しに山崎料理長(写真手前)との会話も楽しめそう。
席に着いたら、まずは、新鮮な魚の刺身をいただきたい! お造り盛合せ 一人前 ¥1,400〜。日本酒は半合のグラスもあるため、料理に合わせて違った銘柄を楽しめる。
柔らかい赤身のイチボで、刻んだキュウリやなすの食感もいいおろしのタレをくるりと巻いて頬張る。これが旨い!「和牛A5イチボ叩き」通常価格¥2,200。写真は深夜のひとり飯にちょうどいいハーフサイズ。漆塗りの片口は、下北沢の創業時代から使っているもの。懐かしく感じる長年の常連客も多いという。
9月いっぱいいただける、仕上げにおすすめの「オクラ梅とろろ冷麦」¥900。叩いた梅を合わせたとろろと、生のりの風味がよくあう。揖保乃糸の冷麦はコシと粘りがあって、するっと完食できてしまう。
ここで紹介した料理3品に合う、おすすめ日本酒を野内店長が選んでくれた。お造りには「青森 陸奧八仙 いさり火 純米」¥1,000。和牛イチボ叩きには、「島根 王祿 純米」¥1,100。仕上げの冷麦には、「宮城 伯楽星 純米吟醸」¥1,000。一合の価格だが、半合もOK。
仕込みが終わった後に、山崎料理長が書く[本日のおすすめ]品書き。毎日、旬の食材を使った料理が満載だ。

※価格はすべて税抜き表示です。

【お問い合わせ】
■並木橋なかむら
東京都​渋谷区渋谷3-13-5 BPRレジデンス渋谷2階B
TEL:03-6427-9580
営業時間/ 平日 18:00〜25:00  L.O.23:30  土日祝 17:30〜23:30 L.O22:00
定休日/第3日曜 (1月、5月、8月、12月は除く)
アクセス/渋谷駅から徒歩約7分(最寄りの出口は16番出口)

この記事の執筆者
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌、ライフスタイル誌などの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。近年ではレストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事なども担当し、ジャンルを問わないマルチなライターを実践する。