新しい生活様式に慣れ、ソーシャルディスタンスを意識しながら外食を少しずつ楽しめるようにもなってきました。ですが大人数で集まるような食の場は、まだはばかられるのが現状。親族や友人を集めてのお祝い事や、会食などで気兼ねなく食を楽しみたいときにおすすめのサービスが、「プライムシェフ(PRIME CHEF)」です。
これは、一流のシェフが自宅へ出張・料理をつくってくれるサービス。一流料理店やホテルレストランで修業したシェフが数多く登録しているため、気軽にレストランへ出かけにくい状況でも、自宅で高級レストランの味が楽しめるとあって、人気となっています。多くのシェフが登録しているため、さまざまなジャンルの料理から選べるのも魅力的。
今回は実際に筆者の自宅に来てもらい、サービスを体験しました。
自宅で高級レストランの味が楽しめる!「プライムシェフ」を利用してみた
■1:簡単!親切!事前のやりとり
公式サイトから申し込む「プライムシェフ」。日程を入れると、その日に対応可能なシェフが検索できるようになっています。対応可能なエリアを記載しているシェフが多いですが、エリア外でも相談すると交通費負担程度で対応してくれることもあるそう。
今回は、イタリア料理の斎藤ジャフェリ夏妃シェフに依頼。台所のスペックをお伝えしたほか、事前にアレルギー食材や苦手な食材についてもヒアリングをしていただきました。「辛いのは苦手」や「柔らかめにしてほしい」などの要望でも、遠慮せずにこの時相談するようにしましょう。
ただ、本当に一般家庭のキッチンである筆者自宅キッチンで本格イタリアンができるのでしょうか?
■2:シェフがやってきた!
11時からの予約でちょうど11時に到着された斎藤シェフ。手を洗ったあと、すぐにキッチンに向かい、さっそく調理を始めました。
とても手早く、15分ほどで前菜の「とろなすと北海道産帆立のクルード イタリア魚醤のソース」が完成。強火で焼き目をつけて旨味を閉じ込めた帆立となすが、魚醤とよく合っています。なすの上の緑のボール状のものは「マイクロキュウリ」という野菜。ほんのり酸味のあるキュウリで、帆立の甘味とベストマッチ!
斎藤シェフは国内の農家さんから、旬の野菜を送ってもらっているそう。旬のおいしさや変わり種野菜を楽しむことができます。
そうこうしているうちにスープとフォカッチャが登場。スープは「ホワイトトウモロコシの冷製スープ」。フォカッチャはローズマリーが練り込まれた、斎藤シェフが手づくりしたもの。こちらは事前に仕込んできていただきました。仕込みは営業許可を取っているキッチンで行っているとのことなので、安心ですね。
パスタはオマール海老を使った「オマールテールのアメリケーヌスパゲッティ」。海老の旨味がたっぷり出たソースが絶品でした。普段使っているキッチンから、こんな本格料理が出てくる事に驚きが隠せません!
■3:メインディッシュは「鰆のポワレ」と「鴨肉のロティ」
魚料理は「天然鰆のポワレ アサリとオレンジのブールブランソース」。バターとオレンジの香りが豊かなソースで鰆をいただけます。飾られたお花は斎藤シェフが自宅で育てているエディブルフラワーだそう。かわいらしい演出ですね。
柔らかく仕上げられた鴨肉がいただける「鴨肉のロティ 赤ワインとマスタードのソース」。肉厚な鴨肉で、しっかりと満足感があります。ほんのり酸味のあるソースが旨味を引き立てていました。
デザートは「ブラックココアの濃厚ガトーショコラ」です。名前通りの濃厚さ! 大人の味ですが苦すぎるということはなく、ちょうどよい甘さを堪能できました。こちらは事前に焼いてきていただいたものなので、「オーブンが家にない!」という方でも大丈夫ですよ。
全部提供していただいて、レストランのコース料理と同等の1時間30分程度。「お酒を飲まれる方がいらっしゃるときは時間がかかることもあるので、食べるスピードに合わせます」と、斎藤シェフ。
食べ終わったお皿は下げて、洗っておいてくれます。つくるだけでなく、後片付けもしてくださるとはうれしいですね。
■4:出張シェフという働き方
普段の予約は、やはり記念日需要が多いという斎藤シェフ。
「誕生日はもちろん、結婚記念日なども需要があります。お子様が小さいうちはなかなか外食しにくいですが、出張料理なら自宅で楽しむことができますよね」(斎藤シェフ)
確かに、飽きたり、食欲にムラがあったりする小さい子どもがいるうちは、レストランには気軽に行きにくいもの。子ども用のワンプレートも対応していただけるとのことなので、お子さんが小さくても、シェフの味をあきらめないでくださいね。
また、ウィズコロナ時代においては高齢の方との会食にも気を使うもの。出かける必要のないプライムシェフは、両親やお世話になっている目上の方との会食にも利用できそうです。
さらに、事前に相談すれば、料理に合うワインを紹介してもらったり、お皿を少し持ってきてもらったりもできるそう。シェフによって対応可能なことが異なるので、その辺りも含めてどんどん相談してみてくださいね。
以前はレストランで働き、その後、企業でレシピ開発などを担当していたという斎藤シェフ。「食べるのが好きな人が集まっているのがうれしい」のだそう。
出張料理人として働き始めたのは、「自分ですべてを決められ、食べている人の様子が直接感じられる」からとのこと。そんな斎藤シェフがつくる料理は、技と心がこもったものでした。
一般家庭の他、会社やマンションのコミュニティスペースなど、キッチンがついている場所なら対応していただけるということなので、新しい接待の形も見えてきそうです。
一流のシェフが自宅へ出張料理してくれるサービス「プライムシェフ(PRIME CHEF)」。自宅でコース料理をいただくのは思った以上に新鮮で、一流の味をじっくりと感じられるものでした。
さらに、デリバリーやケータリングサービスに対応しているシェフも多く登録しています。自分にあったスタイルで注文してみてくださいね。
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- TEXT :
- 田中いつきさん フリーランスライター
- EDIT :
- 小林麻美