2021年春夏コレクション、ミラノでひときわ目を引いたのが、FENDI(フェンディ)のコレクションだった。

テーマは「家族の時間」。フェンディの2021年春夏コレクションが発表に

会場は白い空間に、白くほのかに透けるカーテンが吊るされ、あたかも知り合いの家に招かれているような居心地の良いゆったりとした空気が流れる。白いカーテンには、建物や街路樹が薄く影のように描かれ、窓からの柔らかな風を孕んで揺れている。

長い自粛生活のなかでデザインされたコレクションだが、カーテンの模様は、クリエイティブ・ディレクターを務めるSilvia Fendi(シルヴィア・フェンディ)が、寝室の窓から撮影した写真がプリントされている。

FENDI春夏コレクション(ルック1と2)
左から 2021年FENDI春夏コレクションの、ルック1と2

ショーは、カーテンと同じく、淡い植物の影がグラデーションのように裾模様になっているシャツドレスから始まった。

舞台はシルヴィア・フェンディの自宅?フェンディ家一族の「家族」の写真や動画を撮影

今回のテーマは「家族の時間」。それを象徴するように、コレクションに先立ちフォトグラファーNico Vascellariによる、フェンディ家を捉えた特別な映像も撮影された。

 

家族の肖像が
シルヴィア・フェンディの自宅と思われる空間で撮影された、「家族」を表現したビジュアル

Precious.jp限定で紹介するメイキング動画や画像では、おそらくシルヴィア・フェンディの自宅と思われる、光がたっぷりと降り注ぐ居間や庭で撮影された家族の肖像が映し出されている。

シルヴィアの母親アンナを初め、娘のレオネッタ、デルフィーナ、長男のジュリオが、最新作に身を包んで、安心と信頼に満ちたリラックスした表情で写っている。

これこそシルヴィアがいうところの「家族」のかけがえのない絆と愛を体現したものであろう。

コレクションでは、日常のワンシーンを思わせるスタイルを提案

今季はメンズとウィメンズの合同ショーになったが、コンセプトは同じ。ホワイトとオークルイエロー。淡いベージュを基本にし、まるでハウスリネンを纏ったような清潔感が漂う。

FENDI春夏コレクション(ルック12、13、28、30)
左から 2021年FENDI春夏コレクションの、ルック12、13、28、30

長年の間コラボし続けたカール・ラガーフェルドが愛したといわれる上質で清潔なハウスリネンを再度取り入れたとシルヴィアは語っているが、繊細な縫い取りを施され、スーツやドレスとして蘇った。

春夏コレクション(ルック25、36、49、61)
左から 2021年FENDI春夏コレクションの、ルック25、36、49、61

澄み切った空のようなスカイブルー、夕暮れのような混じり気のないレッド、シャープなブラック&ホワイト、淡いグレーの濃淡で表現された木の葉を思わせるプリント、どれをとっても、大袈裟ではないが、心の中でそっと大切にしているものを形にしたようなエッセンシャルなものばかりだ。

Penelope Tree(ペネロープ・トゥリー)
Penelope Tree(ペネロープ・トゥリー)

また今季のフェンディ のコレクションでは、サプライズもあった。60年代のカリスマモデルであり、ポップアイコンであったPenelope Tree(ペネロープ・トゥリー)が突然ランウェイに登場したのだ。シルヴィアの叔母(ということは伝説のフェンディ 4姉妹)の友人という縁での出演で、驚きとともに、「生ける伝説」を見ることができた興奮もまたランウェイを包んだ。

問い合わせ先

フェンディ ジャパン

TEL:03-3514-6187

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この記事の執筆者
1987年、ザ・ウールマーク・カンパニー婦人服ディレクターとしてジャパンウールコレクションをプロデュース。退任後パリ、ミラノ、ロンドン、マドリードなど世界のコレクションを取材開始。朝日、毎日、日経など新聞でコレクション情報を掲載。女性誌にもソーシャライツやブランドストーリーなどを連載。毎シーズン2回開催するコレクショントレンドセミナーは、日本最大の来場者数を誇る。好きなもの:ワンピースドレス、タイトスカート、映画『男と女』のアナーク・エーメ、映画『ワイルドバンチ』のウォーレン・オーツ、村上春樹、須賀敦子、山田詠美、トム・フォード、沢木耕太郎の映画評論、アーネスト・ヘミングウエイの『エデンの園』、フランソワーズ ・サガン、キース・リチャーズ、ミウッチャ・プラダ、シャンパン、ワインは“ジンファンデル”、福島屋、自転車、海沿いの家、犬、パリ、ロンドンのウェイトローズ(スーパー)
WRITING :
藤岡篤子
EDIT :
石原あや乃