いよいよ最終回目前!『SUITS/スーツ2』の撮影現場に潜入
2020年10月19日(月)最終回となる15話が放送されるリーガルドラマ『SUITS/スーツ2』。今年4月にスタートした同ドラマは、新型コロナウイルス感染症の影響により撮影を休止し、放送をしばらくお休みしていたこともあり、2クールかけて放送されました。途中で全15話であることが発表され、いよいよ迎える最終回。
Precious.jpでは、主人公の敏腕弁護士・甲斐正午(織田裕二さん)の上司であり、物語の舞台となる「幸村・上杉法律事務所」のトップである幸村チカ(鈴木保奈美さん)の華やかなオフィスファッションを毎週ご紹介してまいりました。最終回を目前に、撮影現場を取材。チカの衣装を手掛けるスタイリストの犬走比佐乃さんにもお話を伺いました。
ファームはすべてスタジオ内のセット!撮影の様子をレポート
この日の撮影では、チカの出演はワンシーンのみ。チカが自室で電話をしているシーンでした。
スタジオに入る手前のスペースには、役者さんたちの小物が並んだラックが。誰のものかわかるように、それぞれのキャスト名が貼ってあります。チカのところには、愛用のジミーチュウのハイヒールが置いてありました。
犬走さんによると、チカの靴やスカートは買い取りが多いとのこと。ジミーチュウのハイヒールは保奈美さんが『Precious.jp』11月号のチカのグラビアに登場した際にもはいていたもの。Precious.jpでも、本誌グラビアのコートスタイルについて紹介するページに掲載されています。
保奈美さんご本人も、チカ役を演じるまでは実はあまりハイヒールをはき慣れていたわけではなく、チカ役でずっとはいているうちに「足になじんできた」と話しているそうです。
コロナの影響で、一時期撮影を休止していた『SUITS/スーツ2』。撮影を再開してからも、コロナ対策はもちろん徹底しています。それぞれ専用のフェイスガードが用意され、まめに消毒ができるようアルコール類もあちこちに備えられていました。保奈美さんも、楽屋からフェイスガードを装着し、スタジオに入る手前までつけていましたよ。つけていることをうっかり忘れるくらい、なじんでいるようです。
ドラマの舞台となる幸村・上杉法律事務所は、どこか本物の事務所を借りたロケ撮影かと思いきや、なんとオールセット! スタジオ内に立て込まれた事務所のセットは圧巻です。セットに入ると、本当に法律事務所に迷い込んでしまったかのよう。
本番の撮影でカットがかかったあとは、事務所のエレベーターホールにあたる部分で、スタッフやキャストが映像チェックをしている姿が。電話をするシーンで英語を話していた保奈美さんの映像を見て、次のシーンが控えていた共演の織田裕二さんが「なんて言っているの?」と尋ね、保奈美さんが英語で答える……という、なごやかな会話も聞こえました。
撮影が終わると、セットの一角でSNS用の撮影も。さまざまなポーズをとり、手元のジュエリーも顔回りに持ってきてしっかり見せていたのはさすがです。
現在、番組公式SNSとは別に「さやかゴールドマン」と名乗る幸村・上杉法律事務所の秘書を務める人物がインスタグラムでチカのファッションを公開中。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
甲斐の部屋から見える東京の夜景。実はこれ、セットの外の壁に貼り付けられた巨大LED! 公式インスタグラムでも紹介されていましたが、実際にカメラマンが丸の内で撮影してきた映像を背景にしているそうです。
知らないとなかなか気づけないですよね。現代の最新技術を活かしたドラマ撮影現場に驚きです!
「最後の衣装は白がいい」チカの衣装を手掛ける人気スタイリスト・犬走さんのこだわり
『SUITS/スーツ』シリーズは、ストーリーだけでなく、毎話のチカの衣装が楽しみという視聴者の方も多いはず。ドラマでは、毎話だいたい4~5着ほどのチカの衣装を見ることができ、スーツ姿の男性陣のなかでひときわ彩り豊かなチカのファッションは私たちの目を楽しませてくれています。
第1シーズンの“チカスタイル”はそのままに、以前よりもプリントブラウスを多用し、より華やかにしたという第2シーズン。小手伸也さん演じる蟹江とのシーンではアニマルプリントなどの遊び心も取り入れたり、衣装が少ない回では少し派手めの色味を持ってきたり、第8話の回想シーンではスーツスタイルにパールジュエリーと明らかに現在とは違うファッションにしたり、といった工夫も。
最終話は気持ち多めの衣装数。ドラマ内で経過する日数が多く、衣装も多めに必要だったのだとか。最終回分の衣装候補がかかったラックはカラフルでバリエーションがあり、見ているだけでうっとりしてしまいます。
最終回ということで特に衣装も華やかに、ジュエリーも豪華なものになっています。
犬走さんは「一番最後の衣装は白」ということはなんとなく決めているのだそう。「昔から、最後は白っぽい服で終わりたいというのがありました。きれいに、さわやかに終われるかな、という私のこだわりです」と話す犬走さん。
この日見せていただいたチカの最後の衣装もやはり白。白地にゴールドの水玉模様が入った光沢のあるブラウスは目を引きそうです。取材時、このブラウスにあわせるスカートの色を辛子色にするか、同系色にするかで決めかねていた犬走さんですが、最終回どうなったのか、ぜひみなさんの目で確かめてみてください。
チカといえばタイトスカート。ラインの美しさが大切なタイトスカートは、サイズをきちんと合わせるべく犬走さん自ら針と糸を用いてサイズ調整をしているそう。深めのスリットが入ったスカートの時は、あまりセクシーになりすぎないようスリットの上の部分をとめたりなど、よりチカに合うように細かな調整をしています。
また、チカスタイルの基本といえば、タイトスカートの他に、ボウタイやスカーフ、リボンを首元にあしらったブラウス。犬走さんはスカーフの名手でもあります。首元のアレンジを得意としていて、ご本人も「友人からは、スカーフの巻き方を見れば、私が担当したものとわかると言われる」と笑います。
こだわりとしては、真ん中か、真ん中から少しずらしてキュッとしっかり締めるのがポイント。あまりゆるく巻くと老けて見えてしまうそうですよ。
スカートの下は素足に見えるかもしれませんが、ストッキングをはいています。犬走さんのおすすめは「ランバン コレクション」の547 ボレーヌ。こちらが足をとても美しく見せてくれるそう。S、M、Lの3サイズ展開があります。チカスタイルを真似てみたい方は、まずはストッキングから取り入れてみるのはいかがでしょうか。
こちらは、「衣装香盤表」と呼ばれる、すべての衣装がチェックできるよう記載されているもの。衣装の前後のつながりがわかるよう、衣装の詳細のほかにあわせる小物や使われるシーン、撮影日なども書き込まれています。
犬走さんはすべて手書きで表を作成。コーディネートの写真もプリントして切り貼りしていました。すべてまとまったものを見ると、まるでアルバムのよう! 犬走さんは、今までに手掛けたすべてのドラマの衣装香盤表を自宅に保管してあるそうです。
犬走さんと保奈美さんはすでに長年共に仕事をしている仲。それでも『SUITS/スーツ』の第1シーズンの撮影前には、ここ何十年で初めて「話し合いましょう」と衣装についての打ち合わせをしたといいます。
そうして決めた「ブラウス+タイトスカート」が基本のチカスタイル。シーズン2の撮影に入るとき、保奈美さんはそんなチカの定番ファッションを身につけるだけで「すぐにチカになれた」と話していたそうです。
犬走さんは、「チカスタイル」の影響をこう話してくれました。
「シーズン1のとき、キャスターの方などで今までニットを着ていた人がブラウスを着ていたり、町中でも『もしかしてチカの影響かな?』と思うようなファッションや髪型をされている方をよく見かけました。ドラマの影響でチカスタイルの女性が増えたらうれしいですね」(犬走さん)
マンネリしがちなオフィスコーデですが、チカスタイルを取り入れることで、ちょっと他とは違う、仕事モードながら華やかで洗練されたコーデに格上げできそうですね。
また、シーズン1ではチカのオフのシーンが一度だけあったため貴重なパンツスタイルも登場しましたが、シーズン2ではオフィススタイルのみ。『Precious.jp』本誌でのチカのグラビアで見せてくれたリラックスウェアも、ドラマ本編では登場していません。
オフィスのチカも素敵ですが、もし再び続編があったら、オフのチカスタイルももっと見てみたい……なんていう願望も生まれてしまいますね。
現場では、チカのイメージやそれぞれのシチュエーションに合わせた衣装選びが行われ、そして前後のつながりを丁寧に確認しながら、撮影されていました。
最終回はいっそう華やかなチカのファッションがドラマを彩ります。チカや甲斐たちの最後の活躍はもちろん、衣装にも注目しながら、最後まで見届けてくださいね。
問い合わせ先
- 2020年10月19日(月)21:00~最終回放送 フジテレビ系
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 小林麻美