スタイリスト押田比呂美さんが解説!不滅のスター女優、ジャンヌ・モローのエレガンス

スタイリストとして独立したてのころ、『死刑台のエレベーター』を観て、初めてジャンヌ・モローの魅力に触れたという押田さん。

「正統派の美人ではないけれど、知的で自立した大人の女性を演じられる女優。顔つきや眼差しに宿る聡明さや信念は、演技では出せない本物だった」と主演女優の彼女に強く惹かれ、その後、押田さんがつくる女性像に最も影響を与えた女優となったそう。

生粋のパリジェンヌで、「シャネル」や「ピエールカルダン」を小粋に着こなす小柄な女性だったジャンヌ・モロー。

「ハリウッド的なグラマーではなく、日本女性に近い体型なので、遠い理想ではなく身近な存在として憧れられるのも彼女の魅力」。

今企画のスタイリングをするにあたって、フィルム・ノワールの恋人として世界を虜にした1950~60年代の出演映画やスナップを見直した押田さん。

「今も色褪せない彼女のエレガンスを現代的なクラシカルテイストで表現して、この秋のファッションのヒントを盛り込みました。彼女の映画は、大人が目指すべきエレガンスの理想形が学べるので、まだ観ていない人は、この機会にぜひ!」

【ジャンヌ・モロー】

1928年パリ生まれ。ルイ・マル、ゴダール、トリュフォー、ドゥミなど名だたる監督たちに愛されたフィルム・ノワールの恋人。代表作に『死刑台のエレベーター』('57)『突然炎のごとく』('61)など。後年は監督としても活躍した。2017年死去。参考文献:『女優ジャンヌ・モロー 型破りの聖イコン像』(日之出出版刊) PHOTO :Getty Images

『死刑台のエレベーター』(1957)
ヌーベルヴァーグの先駆けといわれる、ルイ・マル監督が手がけたクライムサスペンス映画の名作。ジャンヌ・モローが29歳のときの主演作で、この映画で一躍、世界に知られる女優となった。

シャネルにピエール カルダン… 抜群のファッションセンスを持つジャンヌ・モロー

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PHOTO :Getty Images

抜群のファッションセンスの持ち主だったジャンヌ・モローは、劇中の衣装も一流デザイナーに依頼した。『恋人たち』(1958)では「シャネル」『天使の入江』('63)や『黒衣の花嫁』('68)などでは「ピエール カルダン」を着用。

■:現代にも通用する、ジャンヌ・モローのエレガントスタイル

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PHOTO :Getty Images

「上品なセットアップに華やかなボリュームジュエリーを添えた着こなしも、現代に通用するタイムレスなエレガントスタイル。思慮深い眼差しと、成熟した色気のなかにどこか愛らしさもある雰囲気は、今でも憧れです」と押田さん。

PHOTO :
Getty Images
EDIT&WRITING :
下村葉月、遠藤智子(Precious)
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