秋のファッションといえば、落ち着いたダークカラーが定番。ですが、ともすれば色の組み合わせに失敗して重たく野暮ったい印象を与えたり、重ねすぎて着ぶくれしたり。無地同士のコーディネートで地味なおばさんスタイルになってしまったり…。秋の装いは、シンプル&ベーシックなものでも難しいもの。

シンプルなコーディネートで女らしさとかっこよさが同時に手に入る、しかもおしゃれ上級者の雰囲気をつくり出せる「失敗しないコーディネート」があったら――実は、そんな夢のようなコーディネート、あるんです。

主役はワイドパンツ。ここ数年、大人世代でもスタイリッシュなアイテムとして急速に定番化しています。そこに合わせるのはこちらも流行アイテムの「とろみブラウス」。色の足し算もシンプルで失敗しにくい「ワイドパンツ+とろみブラウス」の着こなしを4つの選りすぐりブランドからお届けします。

■1:サンローランで上質なモードをまとう

ブラウス・パンツ・ベルト・バッグ・靴(イヴ・サンローラン〈サンローラン〉)、ピアス・リング(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)
ブラウス・パンツ・ベルト・バッグ・靴(イヴ・サンローラン〈サンローラン〉)、ピアス・リング(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)

まだまだトレンドの続くベロア素材を、旬のクロップド丈ワイドパンツで取り入れてコーディネートの主役に。定番のブラックでも着こなしに奥行きが生まれます。エアリーなシルクのボウブラウスと組み合わせて、軽やかな女らしさが際立つモノトーンコーディネートに。

足元はショートブーツで程よい重さを意識すれば、サンローランならではのスタイリッシュなバランスが完成! やや太めのベルトがスタイルを引き締め、視線を高めに集中させて足長効果も演出してくれます。

■2:ランバンで大人ならではのエレガンスを演出

ブラウス・パンツ・バッグ(ランバン ジャパン)、リング(ブルガリ ジャパン)
ブラウス・パンツ・バッグ(ランバン ジャパン)、リング(ブルガリ ジャパン)

落ち感のあるしなやかな黒のワイドパンツには、絶妙な色彩に定評のある〝ランバン〟らしい、コーラルピンクのブラウスを。貴婦人のような品格があふれるブラウスは、細身の袖回りや、やわらかく揺れる生地感で、まとう女性の所作まで美しく演出してくれます。

人さし指に効かせた大ぶりのリングが、コーディネートをただのコンサバに終わらせず、おしゃれへの意志を表現。バッグもブラウスと同系色をチョイスすれば、黒のワイドパンツも優しい雰囲気に早変わり。

■3:ジョルジオ・アルマーニなら黒×黒コーデが華やぐ

ブラウス・パンツ・バッグ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン〈ジョルジオ アルマーニ〉)、ネックレス(ブルガリ ジャパン)
ブラウス・パンツ・バッグ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン〈ジョルジオ アルマーニ〉)、ネックレス(ブルガリ ジャパン)

頑張りすぎない辛口のムードが大人女子の気分にリンクするジョルジオ アルマーニなら、王道のオールブラックも単調にはなりません。

ベルト風デザインをあしらったベロア素材のワイドパンツに合わせるのは、シルク素材をマットに仕上げたブラウス。それぞれ光沢を放つ異素材の組み合わせが黒×黒の着こなしにメリハリを与えてくれます。ブラウスのタックデザインが、ほんのりとフェミニンなニュアンスをプラス。ゴツめの袖口もかえって手首の華奢さを印象づけます。

■4:トム フォードはシルエットの美しさとカラーで魅せる

ブラウス・パンツ・バッグ・ベルト・靴(トム フォード ジャパン)、サングラス(トム フォード アイウエア)、ピアス・リング(シャンテクレール 東京店)
ブラウス・パンツ・バッグ・ベルト・靴(トム フォード ジャパン)、サングラス(トム フォード アイウエア)、ピアス・リング(シャンテクレール 東京店)

トム フォードの魅力は、その端正なシルエット。落ち感のきれいな生地で仕立てられたワイドパンツは、裾に向かって美しい流れを描きながらも広がりすぎずスタイリッシュ。大人の女性のボディーラインも美しく際立たせてくれるから、遠目から見ても映えること間違いなし。まさに現代版「歩く姿は百合の花」といえるでしょう。

艶やかなロイヤルブルーのシルクブラウスでコントラストを効かせて、トム フォードが掲げる女性像のような、凛とし佇いを手に入れましょう。

 

大人のエレガンスと女性のしなやかさ、スタイリッシュさも兼ね備えた奇跡のコーディネート4種類をご紹介しました。どれもトップス1アイテム×ボトムス1アイテムというシンプルさも魅力。上質なアイテムを背伸びせずさらりと着こなせるのは、年齢を重ねた大人世代の特権。この秋、さらりと大人のおしゃれを楽しんでみませんか?

PHOTO :
熊澤 透
STYLIST :
戸野塚かおる
HAIR MAKE :
重見幸江(gem)
MODEL :
内海誓子
COOPERATION :
小笠原伯爵邸
EDIT :
木村綾乃、喜多容子(本誌)
RECONSTRUCT :
藤岡あかね