国内外に45施設を運営し、「星のや」「リゾナーレ」など5つの個性あるサブブランドを展開している星野リゾート。そんな星野リゾートのサブブランドのひとつ、現在国内に16施設展開している「界」は、現代の生活に合ったスタイルの小規模な高級温泉旅館です。
大小さまざまな温泉地からなる温泉郷である鹿児島県霧島市に、2021年1月29日(金)、鹿児島初の「界」がオープンします。その名も「星野リゾート 界 霧島」。
霧島市は鹿児島空港を擁し、県外からのアクセスも抜群。また、鹿児島湾に浮かぶ桜島が右肩上がりに見える、縁起のいい場所でもあります。
本記事では、特徴ある客室や鹿児島の旬の素材をふんだんに使った自慢の会席料理、注目すべき湯浴み小屋など、「星野リゾート 界 霧島」の魅力をたっぷりとご紹介します。
星野リゾートが鹿児島初の開業!高級温泉旅館「界 霧島」の特徴とは
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「界」ブランドとして国内17施設めのオープンとなる「界 霧島」。
施設内に入ると、ほのかに白檀の香りが。チェックイン時とチェックアウト時で香りが変わるという繊細なおもてなしに、ロビーの時点でリラックスムードに包まれます。
まず目に入る印象的な9本の棒のようなオブジェは、日本神話の主神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が突き立てたという伝説がある、霧島山の高千穂峰の山頂にある天の逆鉾をイメージしたもの。
瓊瓊杵尊が三種の神器を手に、7人の神様と道案内の猿田彦命(さるたひこのみこと)とともに、高天原(たかまがはら)から地上に降り立ったと言われる「天孫降臨」の第一歩を記した高千穂峰から、日本の建国神話とその歴史が始まったと伝えられているため、霧島は“神話の里”とも言われています。
日本の風土や日本文化を大切にする温泉旅館「界」では、施設内のしつらえや食事、湯浴みに至るまで、その土地ならではの和のおもてなしを追求しているそうです。
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ロビーから部屋に向かう途中の廊下は、窓が低くなっています。これは、客室の展望を楽しみにしてほしいからと、あえて外の景色がよく見えないようにしているのだそう。
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廊下から部屋に向かう途中にある共有のくつろぎスペースでは、飲み物を自由に飲むことができます。また、その土地ならではの書籍がズラリと並んでいて、こちらも自由に読んでOKなので、滞在中に読むとその土地のことがより好きになりますよ。
■1:全室が桜島ビュー!地域の伝統工芸や特徴を取り入れた「薩摩シラス大地の間」で絶景を楽しむ
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今回見せていただいたのは、「界 霧島」の客室のなかでも3部屋しかない特別室。
「界 霧島」は全室がご当地部屋の「薩摩シラス大地の間」です。高千穂峰の中腹に位置した施設ならではの、宙に浮いているかのようなパノラマビューが楽しめます。大きな窓から、鹿児島のシンボルでもある桜島や、霧島高原を一望することができますよ。
さらにこの特別室は角部屋のため、二方がガラス張りになっています。日の出から日の入りまでを見ることができるのは、この特別室だけです。よく晴れた日の夜は星空も素晴らしいのだそうですよ。
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寝室は分かれてはいませんが、小上がりになったスペースに、オリジナルで開発した「ふわくもスリープ」という、ふわふわと雲の上に寝ているような感覚を味わえるベッドが置いてあります。
そして特筆すべきは、“シラス壁”のベッドボード。
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シラスとは、火山の噴火後に火砕流となって冷やされて堆積した火山噴火物で、噴火直前のマグマの成分を多く含んでいる素材。鹿児島県は全土の約半分がシラス台地と言われています。近年、シラスは吸湿性や消臭作用などの高い機能性から、住建材としても注目が集まっており、このベッドボードにも用いられています。ホテルや旅館でシラスを使用するのはまれとのこと。
シラス壁は、霧島連山をイメ―ジしたデザインです。職人の手づくりで仕上げられたシラス壁からは、土地の温かみを感じられます。空気を浄化し、湿度を安定させる作用があるシラスは、ベッドサイドにぴったりですね。
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また、室内には薩摩和紙の照明や、大島紬、薩摩錫などご当地ならではの伝統工芸品が置いてあり、そこかしこで鹿児島らしさを感じることができます。
■2:客室棟からスロープカーで行くすすき野原に囲まれた湯浴み小屋で最高のリラックス体験
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大浴場は、客室棟とは離れたところにあります。客室棟からスロープカーに乗って向かった先に広がるすすき野原の中に、ぽつんと佇む湯浴み小屋が大浴場となっています。
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梁を巡らした大空間の内風呂には、源泉かけ流しのあつ湯と、温泉成分を体になじませるためのぬる湯を備えています。外には最高の景観を誇る露天風呂が。自然豊かな霧島の景色を眺めて、ゆっくりと温泉に浸かりながらリラックスできます。
pH5.6の霧島の硫黄泉は、皮膚の角質を軟化する作用があるので、入浴後は明るくつるんとした美肌に。ただし、湯上りにしっかりと保湿したほうがよいそうです。
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「界」では、もっと温泉を楽しみ、効果を感じてほしいという想いから「うるはし現代湯治」体験を提案しています。その地域ならではの泉質や、温泉効果を高める入浴法やリラックスできる呼吸法などを、“湯守り”と呼ばれるスタッフが教えてくれるので、ただ温泉に入るだけでなく、より深く温泉を楽しむことができますよ。
また、「界の現代湯治体操」として、入浴にあわせて血流の改善を促してくれる体操を毎日開催しています(チェックインの翌朝)。「界 阿蘇」では「カルデラ体操」、「界 日光」では「日光下駄体操」など、ご当地ごとに違った体操を提案しています。「界 霧島」では、「天孫降臨体操」を行うそうですよ。
免疫を高めることに注目が集まっている今こそ、温泉で全身の血流改善をはかって病に打ち勝つ力を蓄えたいですね。
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客室棟から湯浴み小屋へ続く道の途中には、湯上がり処も。霧島茶や黒酢ドリンク、フルーツのアイスキャンディーなどが置いてあり、自由に飲食できます。湯上がりにビタミンCやミネラルをとると代謝にもいいので、入浴後はここでのんびりと休憩していくのがおすすめです。
取材時(12月下旬)はまだすすきが成長途中でしたが、もう少し季節が過ぎればきれいに生えそろって、美しいすすき野原が広がりそう。大きな桜の木もはえているため、春は湯上がり処でお花見も楽しめそうです。
■3:豊かな食材に恵まれる鹿児島の旬の素材を活かした会席料理に舌鼓
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旅館の楽しみといえば、温泉と並んで食をあげる方が多いのではないでしょうか。「界 霧島」では、プライベートが保てる半個室の食事処で、鹿児島の恵みをふんだんに取り入れた季節の料理を提供しています。
今回、試食させていただいたのは、特別会席「黒豚しゃぶしゃぶ会席」。
先付として出てきたのは、鹿児島県内で主に端午の節句につくられる和菓子「あくまき」にうにをのせた料理。お菓子をあえて食事に用いるという、まさに「王道なのに、あたらしい。」という「界」のコンセプトにも合った料理です。
あくまきの甘さとうにの塩気があわさって、あまじょっぱさがたまらないやみ付きの味です。もちもちした食感も楽しいですよ。
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続いて出てきたのは宝楽盛り。おかもち風の器に盛られた、新鮮なお造りや八寸、酢の物などが楽しめる一品です。上にのっているお皿が、季節を表しています。
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中を開けると、薩摩醤油でいただくイサキの刺身や、鶏皮ぽん酢などが入っています。お酒のアテになる料理がいろいろと少しずついただけるので、ゆっくりとお酒を楽しむことができます。
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こちらはメインの、昆布とあごでとった出汁でいただく黒豚しゃぶしゃぶ。けずりたての枕崎の鰹節をたっぷりと入れて“追い鰹”をして、鹿児島特産の黒豚をさっと湯通ししていただくしゃぶしゃぶは絶品ですよ。
鰹の旨みがしっかりと引き出された香り高い出汁は、タレがなくても十分味わい深く、肉も野菜もいくらでも食べられそうなおいしさです。
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鍋の〆といえばおじややうどんを想像しますが、こちらはなんと蕎麦。細麺の蕎麦を、黒豚の脂が出たあとのかつお出汁と共にいただくのは、なんとも贅沢な味わいです。こちらのネギは、たくさん食べても翌朝においが気にならないとのこと。たっぷり入れて、ぜひシャキシャキ感を楽しんで。
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こちらは朝食。温かい薩摩揚げや九州の麦味噌を使った薩摩汁、近海でとれたぶりの味噌焼きなどが並ぶ豪華な御膳です。星野リゾートオリジナルの味噌漬けは白いご飯にとてもよく合うので、朝から食が進むこと間違いなしですよ。
2021年夏には同じ九州エリアに「界 別府」の開業も予定しています。星野リゾートではほかにも、日本有数の温泉地がある九州で、大分・由布院や長崎・雲仙などにも事業展開を考えているそう。
その土地、その季節にしかない魅力が楽しめる「界」は、17施設すべて回れば17通りの日本の旅を満喫できるほど、それぞれに違ったおもてなしを提供しています。さらに、コロナ対策として衛生管理、3密回避を徹底した館内では、安心して滞在することができますよ。
ウィズコロナ期においては、近隣に滞在するような「マイクロツーリズム」型の旅が推奨されています。実際に「界 霧島」でも、現在は県内からの予約客が多いのだそう。いずれコロナが収束して自由に全国を行き来できる日常が戻ったら、「界」をめぐって日本のよさを再確認したいですね。
問い合わせ先
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星野リゾート 界 霧島
宿泊料金/1泊¥20,000~(2名1室利用時、1名あたりの料金/サービス料込・税抜)
TEL:0570-073-011(界予約センター)
住所/鹿児島県霧島市霧島田口字霧島山2583-21
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 小林麻美