愛らしい表情やおちゃめな行動で癒やしてくれるだけでなく喜びや悲しみにも寄り添ってくれる唯一無二の存在。ペットは家族の一員であり、相棒であり、よき理解者でもあります。
雑誌『Precious』2月号では、「温かな時間流れる、「ペットと暮らす家」」企画を展開していました。互いの深い愛情が感じられる素敵な家を取材するほか、愛するペットのためのプレシャスなアイテムもご紹介します。
本記事ではスタイリスト大草直子さんの愛猫パニータくんと共に暮らす家をご紹介。暮らしとともに変化・進化する家となっています!
「ずっと反対していたペットですが迎え入れた瞬間、家族全員夢中です」
「2020年9月、わが家に初めて、小さくて愛らしい生き物がやってきました。よく『ペットは家族』といいますが、本当にそのとおり。ペットという気がしません。小さい子がひとり増えたという感覚。もう、家族全員夢中です」
自身のインスタグラムでもすでにイケメンっぷりが話題を呼び「部長」「パニたん」と、人気沸騰中の保護猫キジトラ、パニータくん。けれどそのメロメロっぷりとは裏腹に、実は大草さん、ずっとペットと暮らすことに反対していたと言います。



「ちょうどこの家を建てた、5年前くらいから、私以外の家族全員が犬か猫を家族として迎え入れたがっていました。反対の理由としては、まず私自身がメダカくらいしか飼った経験がなかったこと、次に子どもたちがちゃんと『生き物を飼う』ことの重大さを理解しているのか、ということ。
その点をクリアしないとダメだと言い続けていたんです。大学生の長女、中学生の長男、小学4年の次女。みんなそれぞれ忙しく、やるべきことがある。本当に、ペットを受け入れる余裕があるのか。責任をもってお世話できるのか。何度も話し合いました」


ところがある日、友人の案内で、偶然近くにいたことから娘さんと一緒に都内の譲渡会に参加することに。
「実際に保護猫や保護犬たちと触れ合うと、思うところがありました。その後、静岡にあるシェルターを訪れること2回、縁あってパニータがやってくることになりました」
「眠いときは無視、遊んでほしいときは全力でアピール(笑)。気の向くまま自由に生きる姿に『ウソでしょ』と驚きつつも、日々癒やされまくっています」
やってきた初日から、保護猫ということを忘れるくらい人懐っこく、家中を駆け回るパニータくん。
「今、思春期特有の揺れるお年ごろ、10歳の次女はやや反抗期に突入。私や兄とのケンカが激しかったのですが、パニータが家族の一員となってから少し落ち着いたようです。パニータの存在が、彼女の心を平らにしてくれています。

また、食事後はそれぞれがすぐに部屋に向かうことが多かったのですが、パニータがいるおかげでリビングに家族全員が集うことが増えました。みんなちょっとでも長くパニータといたくて、彼の奪い合い(笑)。15歳になる長男なんていつもは帰宅するとすぐ部屋に直行していたのに、最近は開口一番『猫は?』って。夫も、仕事がないときは、パニータに張り付いてずーっと携帯電話で動画を撮っています。本当に『猫はかすがい』です」

ソファや名作チェアで寝転んでいたかと思えば、玄関タイルに落ちた植物の葉っぱで黙々と遊んでいたり。カーテンの中でひなたぼっこしていたかと思えば、階段をスタスタ上って2階の洗面台の中で丸くなっていたり。一方、かまってほしいときは全力で「遊んでくれ」アピール。気の向くままに自由に生きる姿に『ウソでしょ⁉』と驚きながらも癒やされまくっているという大草さん。


「彼はまさに幸福の象徴、『ウェルビーイング(well-being)』の権化です。人生で猫と暮らすなんて思ってもいませんでしたが、今はもうパニータがいない日々は考えられません。ちょうど先日、ソファを新しくしたばかりで、ガリガリッと聞こえると『ぎゃーっ!』となりますが、それもご愛嬌。家のどこでも、もう自由にしてくださいという感じです(笑)。



家を建てたときから、インテリアも含めて、一気にすべてをそろえるのではなく、ライフスタイルとともに家も進化、変化していけばいいと思っていたので、家族が増えて、これからの変化が楽しみ。まずは、なかなか手をつけられないでいたテラスを、今年こそは仕上げたいところ。パニータも遊べるような工夫を今、考えているところです」

大草さんのHouse DATA
●間取り…5LDK
●家族構成…夫と子供3人、愛猫1匹
●住んで何年?…5年
●愛猫アイテム…遊び道具のウサギのぬいぐるみ。ごはんと水は、丈夫なイッタラの器で。

- PHOTO :
- 篠原宏明
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、古里典子(Precious)