エリザベス女王陛下から英国王室御用達指定証を授与されているライフスタイルブランド、モルトンブラウン。 そのフレグランスづくりは常に旅とともにあり、新しい香りを求めて、調香師は世界各地に足を運ぶ。
そして、香りのテーマを決めると、海や川、雪などの自然のイメージや、花や植物、タバコや酒、スパイスや鉱石までも香りに変換。調香師が五感で感じ思いをめぐらせた空間のイメージを、ひとつのボトルに注ぎ込む…そんな世界観のある香りを表現している。
旅先のワンシーンを香りで切り取る
今回、モルトンブラウンが、新たな香りを創造するべく訪れたのはロシア。その土地で、調香師のロイク・ビシェーリエが出合ったのは、世界でも最も希少で高級なレザーの一種と高い評価を受けている「ロシアンレザー」だった。
希少性の高いロシアンレザーに宿る、芸術性やクラフトマンシップを表現するべく、ロイク氏が思い描いたのは、成熟した皮革の香りに、くすぶった火の香り、シベリアの森に生い茂る松、温かみや深みを感じさせる香りなど。ロシアンレザーとその周囲の環境もイメージした。
そして選ばれた素材は、エイジド・レザーアコードに、ロシアの森をイメージしたシベリアモミ由来のシベリアン・パイン・オイルや、野性味やセンシュアリティを表現する、ジンの香り付けに使用される英国の針葉樹ジュニパー由来のケード・ウッド・オイル。
さらに、17世紀のロシアで、ブーツやスーツケース、ブックカバーをつくる際に、レザーをひたして耐久性や香りを付けるオイルとして活用されていた白樺由来のバーチ・オイルも加えた。
ロシアの山小屋を彷彿させる要素で構成された香りは、濃密でダークなレザーノートと、暖炉を焚いているかのような温かみが交差する、スモーキーで深みのある香調。ジェントルマンが使うに相応しいフレグランスと言えるだろう。
ロイク氏は語る。「パーフェクトなフレグランスは、あなたが今まで訪れたことのない場所へ誘ってくれる」
そう、このマチュアな香りは、まだ見ぬ、艶やかなロシアンレザーの世界へと導いてくれるのだ。
バスルームに広がる、神秘的なレザーアコード
『ロシアンレザー バス&シャワージェル』
ストイックなスーツスタイルにスモーキーシックな色気を加える
『ロシアンレザー オードトワレ』
※価格は全て税抜です。
ここで紹介したモルトンブランのロシアンレザーの詳細はこちらでご覧いただけます。
問い合わせ先
- TEXT :
- 加藤智一 美容ジャーナリスト
- BY :
- MEN'S Precious2017年冬号艶やかなるロシアンレザーの香りに耽溺せよ!より
- クレジット :
- 撮影/岩井賢志 スタイリング/石川英治(tablerockstudio) 構成・文/加藤智一