今月のアスリート王子:萱 和磨選手(24歳)…体操競技選手
体操競技でメダル100個突破なるか!? 選手からも信頼の厚い「失敗しない男」萱 和磨選手に期待大!
空中で体を自在に操る体操競技。日本のお家芸ともいわれるこの競技で、エースとして活躍しているのが、萱 和磨(かや・かずま)選手です。
ニックネームは「失敗しない男」。鉄棒の離れ業で落下したことがほぼなく、着地で大きく動いたり、尻もちをついたりするようなこともありません。
オリンピックで2大会連続金メダルを獲得してきた、あの内村航平選手が「和磨には心配していません。あいつは必ずやってくれる」と信頼していることからも、安定感が抜群であることが伝わります。
小さいころは好き嫌いが多く小食で、体が弱く引っ込み思案だったという萱選手ですが、小学校2年生の夏に心の中で革命が起きました。アテネオリンピックの体操をテレビで見て、日本が優勝した姿に感動し、自ら進んで体操教室に通い始めたのです。
ここで「チャンス!」と思ったのが母・恵子さん。「体操がうまくなるには、好き嫌いすることなく、たくさん食べて大きくならないといけないのよ」耳元でそうささやき、体操を巧みに利用しながら萱選手を健康に育てていったそうです。
「バランスよく食べるようになったおかげで、ほとんどケガのない競技人生を歩んでいます」とお母様に感謝する萱選手。社会人となった今も、身長163㎝、体重52㎏とスリムな体つきですが、見た目によらず大食いと評判で、周りの選手が驚くほど食べるそうです。
世界大会に初めて出たのは2015年。英国スコットランドで行われた世界選手権でした。当時、順天堂大学1年生だった萱選手は、主将を務めた内村選手の背中に引っ張られて猛練習をし、37年ぶりの団体総合金メダル獲得に貢献しました。そして、個人種目の「あん馬」でもメダルを手にしました。
ところが、翌’16年のリオデジャネイロオリンピックでは代表に入れず、悔しい思いも。もともとひと一倍の練習量だった萱選手ですが、リオオリンピックの後はさらに猛練習。’18年に代表に返り咲き、今ではノーミスでチームを引っ張っています。
オリンピックで、これまで日本勢がいちばん多くのメダルを獲っている競技が体操で、リオオリンピックまでに98個を獲っています。東京オリンピックで99個目、100個目、さらにはその先のメダルを獲ることも夢ではありません。
その中心にいる萱選手。「絶対に金メダルを獲りたい」と大いに意気込んでいます。
Athlete data
- TEXT :
- Precious編集部
- PHOTO :
- 矢内 由美子
- WRITING :
- 矢内 由美子(スポーツライター)