グリルもエンジンも！BMWのアイデンティティは4シリーズクーペにある！

半世紀前の1971年に登場した3.0 CSLや、76年に登場し、「世界一美しいクーペ」と形容されるスタイルを持つ6シリーズ（E24型）など、BMWが送り出すクーペには独自の美しさを持つ魅力的なモデルが常に存在していた。そして現在、SUVが全盛の中にあっても、新型クーペ「BMW M440i xDrive」は美しいクーペスタイルと絹のような滑らかな走行フィールで登場、多くのクーペファンを喜ばせている。

王道のクーペにふさわしい品格

迫力のある縦型キドニーグリルは、過去のクーペモデルの意匠を現代的にデザインしたもの。このモデルでは専用カラーに塗られていている。

側面の起伏の艶めかしさと力強いホイールアーチの盛り上がり、そしてルーフラインの美しさ。王道のクーペスタイルだ。

Mパフォーマンスの外装パーツが追加され、精悍さが増している。

では、クーペの魅力とはなにか？

詳しい方には今さらだろうが、それは「低く、短く、幅広で、空気抵抗の少ない流麗なるルーフラインと2ドア」が表現するスタイルにある。エレガントさや速さを表現するためにはもってこいのデザインなのだ。この動かしがたい基本を守っているのが、BMW M社が開発したハイパフォーマンスモデルの「BMW M440i xDrive」。フロントからリアに向かってなだらかに連なる美しいルーフラインは王道のクーペだけに許された魅力であり、まさに速く走るための必然的なルックスだ。

エクステリアには高性能ぶりを主張するかのように、専用パーツや演出が散りばめられている。まずは縦長キドニーグリルを中心とするフロントマスクだが、Mパフォーマンスモデル専用色のセリウム・グレーで塗られたキドニーグリルとエアインテークが表情の迫力をさらに向上させている。ここを見ただけでも“速さ”が伝わってくる。

次に、サイドに回り込んで優美なクーペプロポーションをじっくりと見る。長く大きめのドアを中心としたボディパネルは相変わらずの美しさだ。これこそBMWクーペの真骨頂といっていい部分で、映り込みの美しさと共に盛り上がったフェンダー周辺などが独特の力強さも表現している。全体のクーペフォルムは現在風の解釈も加え、モダンさもしっかりと感じさせながら“世界一美しいクーペ”といわれた3.0CSLクーペや6シリーズへのリスペクトを感じる。

直列６気筒エンジンは最高に気持ちがいい

スムーズなエンジン特性をきめ細かに、適切に制御するトランスミッション。気持ちよく走るなら、走行モードは断然「スポーツ」だ！

コクピットは操作系がわずかにドライバー側を向く。これも伝統。

適度なタイト感で体にフィットするフロントシート。デザインを重視したクーペスタイルなれど、後席は決して窮屈に作られていない。

この美しく迫力あるボディの中には、最高出力387馬力、最大トルク500Nmを発生する3リッターの直列6気筒ターボエンジンが搭載されている。加速性能は0～100km/hが4.5秒だという6気筒エンジンをスタートさせると、魅惑の“シルキー6”を思わせるフィーリングで回り出した。BMWにとって良き伝統、王道の直列6気筒エンジンは、重低音を響かせながら力強く回っていく。

アクセルを踏み込んでスタートすると、低速から力強さを感じさせながらも、乱暴さなど感じることなく、滑らかに加速していく。フル加速体勢に移れば、Mパフォーマンスの名にふさわしい、それなりの凶暴さも見せるが、普段使いならごく普通のアクセル操作だけで十分に俊足であり、交通の流れもリードできる。なによりxDriveの4WDシステムが400馬力近いハイパワーを安定して路面に伝える安定感の高さには、心強さだけでなく理性をしっかりと保ってくれる力がある。

速さを象徴するクーペだが、一方でハイスペックを日常の中でエレガントに表現できるのも、王道のクーペならではの魅力なのだ。

トランク開口部の高さは少し足りないが、実用面でも満足できる容量を確保している。

淀みのないクリアな吹け上がりは常用回転域でも気持ちよく、アクセルペダルを踏み込めは圧倒的なターボパワーが炸裂する。

【BMW M440i xDrive Coupe】
ボディサイズ：全長×全幅×全高：4,775×1,850×1,395mm
車両重量：1,740kg
駆動方式：4WD
トランスミッション：8AT
エンジン：2,997cc直列6気筒ツインターボ
最高出力：285kw（387PS／5,800rpm）
最大トルク：500Nm／1,800～5,000rpm
価格：¥10,250,000

問い合わせ先