新たな名品はときにサプライズを伴って誕生する。本作もそのひとつだ。ロロ・ピアーナならではの極上カシミヤを贅沢に用いた、うっとりするほどなめらかな肌触りのファブリック。しかし本作はスカーフでもブランケットでもなく、なんと風呂敷である。ラグジュアリーブランドならではの、突き抜けた発想だ。ストールに比べて肉厚のカシミヤ生地に織り上げることで、風呂敷に必要な耐久性も確保している。

もう「つまらないものです」 とは言えない、ロロ・ピアーナの優越

名品データ ●モデル名:『フロシキ』 ●サイズ:70×70cm ●素材:カシミヤ ●国:イタリア ●備考:イタリアを代表する生地メーカーでもある同ブランドは、素材の特性を熟知したアイテムの開発が実に見事。素材となるカシミヤ生地は、一方向に整えて毛羽立たせた仕上げによって、なめらかな質感、光沢感が増し、極上の柔らかさを生み出す。グレーに対比した、ブランドのシグニチャー、クンメルカラーのパイピングが美しい。

バリエーションにも注目を

生地の縁に穴飾りを施したリネン素材のほか、サラサラとした質感のナイロンも展開する。共に生地のコーナーにロゴの刺繡入り。リネン/¥₂₇,₀₀₀・ナイロン/¥₁₁,₀₀₀(ロロ・ピアーナ ジャパン)122
生地の縁に穴飾りを施したリネン素材のほか、サラサラとした質感のナイロンも展開する。共に生地のコーナーにロゴの刺繡入り。

写真では日本酒を包んでみたが、やはりドレープの美しさは圧巻。この風呂敷包みから進物など出されたら、舌を巻かずにはいられないだろう。折しも、環境意識の高まりによって世界から風呂敷が注目されているという。ニッポンの紳士としては活用したい極上品だ。 

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2021年春号より
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PHOTO :
戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー/静物)
STYLIST :
石川英治(tablerockstudio)
EDIT&WRITING :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)