インポートからメイドインジャパン、モードからクラシックまで、幅広い範囲から独自の審美眼で厳選されたアイウエアを取り扱っている「GLOBE SPECS(グローブスペックス)」。その多岐にわたる品揃えと、検眼などの確かな技術で国内外から高い評価を得ている同店は、昨年6月に京都店をオープン。そのオープンまでの過程がTV番組で特集され、大きな話題になったのも記憶に新しい。

そんな「グローブスペックス」が、7月27日に代官山店をリニューアルオープンした。従来の代官山店があった建物の改築に伴い、その斜向かいの1階部分に移転したのだった。

アイウエアと真摯に向き合える「グローブスペックス」代官山店

代官山のやや奥まったエリアにリニューアルオープンした「グローブスペックス」代官山店。エキゾチックな印象の植栽が目を惹く。
代官山のやや奥まったエリアにリニューアルオープンした「グローブスペックス」代官山店。エキゾチックな印象の植栽が目を惹く。

先述のTV番組でも紹介されていたように、従来「グローブスペックス」の各店舗は、代表である岡田哲哉氏が自ら欧州等で買い付けたヴィンテージ家具などを軸に、ショップデザインが行われていた。ところが新型コロナウイルス流行の影響で海外への渡航が難しくなったことから、新代官山店の店舗づくりはやり方を大きく変えたという。

「グローブスペックス」のイニシャルを配したタイル貼りの床が、オーガニックで明るい印象を店内にもたらしている。
「グローブスペックス」のイニシャルを配したタイル貼りの床が、オーガニックで明るい印象を店内にもたらしている。

海外のアイウエア見本市で「ベストストア・アワード」を受賞したこともある旧代官山店は、ヨーロッパや英国、アメリカなど世界から集めた家具を使い、2つの建物を「家」と「ファクトリー」という別々のコンセプトでつくり込んだ空間が特徴だった。今回、旧店舗の家具などを使いつつ新しい店舗をつくるのにあたって、「OLD JOE」フラッグシップストア等を手がけた「ROBERT HOUSE」の渡辺慎吾氏に店舗デザインと施工を依頼。その結果、インダストリアルなテイストとクラフト的な質感がミックスされた、明るく男性的で、なおかつクラシックな雰囲気を備えた店舗に仕上がっている。

金箔で描かれたサインアートにも注目を

「NUTS ART WORKS」によるサインアート。金箔とガラスでつくられたサインアートは、1920年代に欧州にあった技法を再現したものという。
「NUTS ART WORKS」によるサインアート。金箔とガラスでつくられたサインアートは、1920年代に欧州にあった技法を再現したものという。

ファサードや店内の要所要所に配されたサインアートは、「NUTS ART WORKS」の比内直人氏が担当。特にエントランス両脇のガラスに金箔で描かれたサインアートは、1920年代ごろに欧州に存在していた技法を比内氏が独自に研究し再現したものという。また、ショップの内外に配された植栽や装花は、中目黒「chibi」のオーナー芳賀規良氏によるもの。オーガニックな印象の空間に、さらに生命力ともいえるような空気をもたらしている。

ヴィンテージの家具や調度品が、柔らかなライティングとともに、落ち着いた雰囲気を生み出している。ゆっくりと、丁寧にアイウエアを向き合えそうだ。

アイウエアは、その人の容姿やファッションの一部であるのと同時に、人間にとって重要な視覚に大きく関係する。それゆえ、ある程度リラックスした状態で丁寧に選びたいもの。この新しい「グローブスペックス」代官山店ならば、アイウエアと向き合う時間を、より快適に、楽しむことができそうだ。

ちなみに店内に流れる音楽はレコード(ヴァイナル)によるものが主で、ガラードのターンテーブルを使い、マッキントッシュの管球アンプでJBLのフルレンジユニットをドライブし再生されている。ヴィンテージオーディオが生み出す、ヒューマンな魅力を備えた心地よいサウンドは、長居したくなる雰囲気づくりにひと役買っている。

問い合わせ先

  • グローブスペックス代官山店 TEL:03-5459-3645
  • 住所/東京都渋谷区猿楽町11-19 アルファースト II 1F
  • ※新型コロナウイルスの影響により一部情報が変更となる可能性があります。最新情報は公式HPなどでご確認ください。
この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
菅原幸裕