遡ると、非常に長い歴史をもつHERMÈS(エルメス)のシューズ。20世紀初頭、乗馬用からスタートして、旅行用のルームシューズやリゾート地ではくサマーサンダルなど、顧客のニーズに合わせて製品を展開していきました。
さらに、1988年にピエール・アルディがレディスシューズコレクションのアーティスティックディレクターに就任して以来、メゾンを代表するシューズが次々と登場しています。今回ご紹介するショートブーツ「デフィレ」、ロングブーツ「ドレサージュ」も次なる定番となりそうな逸品。ランウェイに登場したシンプルシックなブーツの魅力を紐解きます。
シンプルなデザインのなかに、クラフツマンシップが宿る。エルメスの新作ブーツの魅力とは?
今回ご紹介するのは、ランウェイに登場したカーフスキンのショートブーツ「デフィレ」とロングブーツ「ドレサージュ」の2点。前後に施されたサドルステッチとアスティカージュ仕上げがポイントです。
高い職人技を必要とするステッチの美しさが際立つ!ミドル丈のブーツ「デフィレ」
シンプルで端正な佇まいの「デフィレ」。いちばんのデザインポイントは前後のセンターに入ったサドルステッチ。さらには、ステッチの縁に施されたアスティカージュです。
360度美しいディテールデザイン
ステッチで縫い合わされた断面にご注目を。アスティカージュとは、美しい製品に仕上げるための一連の断面加工を意味します。該当する箇所に、まず防水加工を施し、漉き、均一感のある美しい表面に整えます。その後、ポリッシュ、ネン引き、染色、ワックスがけを繰り返し、ムラのない見た目になるまでレザー表面を艶出しします。
この工程は、湿気を完全にシャットアウトして行う必要があるうえ、長時間の緻密で丹念な作業が必要。エルメスのクラフツマンシップを象徴するディテールといえるでしょう。
サドルステッチとアスティカージュがヒールまで施されているのもポイントです。スムースな足入れはもちろんのこと、足のラインが美しく整うディテールにご注目ください。
レザーの美しさが際立つロングブーツ「ドレサージュ」にもご注目を!
サイドから見たラインが優美なロングブーツ「ドレサージュ」にも、ミドル丈のブーツ同様にサドルステッチとアスティカージュ仕上げが施されています。
1足にかかる縫製時間は約2時間!縫製技術の美しさが際立つディテール
1足にかかる縫製時間は、なんと1時間50分! エレガントな佇まいは職人技の賜物なのです。足を入れる度に心が豊かになるブーツを、ぜひチェックしてみてください。
今回は、エルメスの真髄=クラフツマンシップとエレガンスが宿るシンプルシックなブーツをご紹介しました。新たに「マイ定番」にしたくなる、合わせやすく飽きのこないシルエットと佇まい。長く愛用したい2品です。
※掲載した商品は、すべて税込です。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 木村 慎
- WRITING :
- 門前直子
- EDIT :
- 石原あや乃