日を追うごとに自然の移ろいを感じ、過ごしやすい気候のおかげで心にゆとりが生まれる秋は、さまざまな文化を楽しみ、感性を磨く絶好の季節。

なかでも芸術鑑賞は、その場に足を運ぶという行為も含め、後々まで記憶に残る。たとえ個々の作品の詳細はあやふやになっても、数年後、数十年後の体験で何らかの出来事と符号し、かつて見た作品の意図を理解できることだってある。芸術には、時間を超越した価値があるのだ。

会場にはアウディのモダンなEV「e-tron GT」のアートラッピングカーが!

会場には、大山エンリコイサム氏のアートをボディにラッピングしたAudi e-tron GTが展示される。
会場には、大山エンリコイサム氏のアートをボディにラッピングしたアウディ e-tron GTが展示される。

この秋、文化活動の選択肢にぜひ加えてほしいのが、10月22日から六本木ヒルズ カフェにオープンする「CADAN ROPPONGI presented by Audi」。CADANは日本現代美術商協議会の通称で、日本のコンテポラリーアートシーンをけん引する主要ギャラリーが所属する協会団体。今回はその中から気鋭のアーティストおよび作家を選出し、10点の作品を展示、販売する。

また、会場内にはアウディの最新EV「e-tron GT」を、東京とニューヨークの2拠点で活動するアーティスト、大山エンリコイサム氏の手で新たな風を吹き込んだコラボカーが展示される。先進的なデザインやテクノロジー面に加え、生産体制のカーボンフリーも進めるなど、常に時代の先をいくラグジュアリーカーブランド、アウディと現代アートの融合は一見の価値あり。

展示作品に刺激を受け、やがてそれが社会活動においても何らかのヒントとして身についていくに違いない。より豊かで持続可能な未来を築くためのヒントを見つけに、六本木へ行こう。

展示作品の一部をご紹介!

40代以下の将来性ある作家であること、日本の現代美術の今を体現する作品であること、そして、アウディのブランドコンセプトと何か響きあう要素があること。以上をセレクション基準として、多数の応募作品の中から選定された10作品が展示される。

二艘木洋行『サイン入りポスター』(TALION GALLERY/2016年)

ペイントツールで描いたデジタルイメージを複層的に再構成してキャンバスに出力。作家自身の名前を、画面いっぱいに油彩を含ませた筆で描いている。 (c)Hiroyuki Nisougi “Signed Poster” 2016 Courtesy of TALION GALLERY
ペイントツールで描いたデジタルイメージを複層的に再構成してキャンバスに出力。作家自身の名前を、画面いっぱいに油彩を含ませた筆で描いている。 (C)Hiroyuki Nisougi “Signed Poster” 2016 Courtesy of TALION GALLERY

前田紗希『21_7』(MISA SHIN GALLERY/2021年)

キャンバスにマスキングテープのみで「境界」を作り上げ、ペインティングナイフと油絵具で何層ものトライアングルを描いた。「隣り合うものによって変化する答え」は初めからないものとするかのように、万物の関係性とその根本を模索した。 (c)SAKI MAEDA photo by Saki Maebata Courtesy of MISA SHIN GALLERY
キャンバスにマスキングテープのみで「境界」を作り上げ、ペインティングナイフと油絵具で何層ものトライアングルを描いた。「隣り合うものによって変化する答え」は初めからないものとするかのように、万物の関係性とその根本を模索した。 (C)SAKI MAEDA photo by Saki Maebata Courtesy of MISA SHIN GALLERY #前田紗季

大野智史『Passion、初恋。』(小山登美ギャラリー/2015年)

「自分の身に起きた、これまで経験したことのない初恋の初々しい感情の昂ぶりを、クラッカーが心の中で弾けたように絵画の中で空間が広がっていくように描きました」(アーティストの弁) (c)Satoshi Ohno, Courtesy of Tomio Koyama Gallery, photo by Kenji Takahashi
「自分の身に起きた、これまで経験したことのない初恋の初々しい感情の昂ぶりを、クラッカーが心の中で弾けたように絵画の中で空間が広がっていくように描きました」(アーティストの弁) (C)Satoshi Ohno, Courtesy of Tomio Koyama Gallery, photo by Kenji Takahashi

SHIMURAbros『TRACE‐ROAD‐Wall Street』(東京画廊+/2019年)

2009年から制作している“Trace”シリーズは、Googleストリートビュー上のイメージの歪みを、ミラーやフィルターなどの光学的素材を用いて造形した立体作品。見る者にイメージが生み出すトポスのリアリティを問いかける。Photo courtesy of the artist and Tokyo Gallery+BTAP
2009年から制作している“Trace”シリーズは、Googleストリートビュー上のイメージの歪みを、ミラーやフィルターなどの光学的素材を用いて造形した立体作品。見る者にイメージが生み出すトポスのリアリティを問いかける。Photo courtesy of the artist and Tokyo Gallery+BTAP

■:「CADAN ROPPONGI presented by Audi」

日程/10月22日(金)~11月3日(水)
10月22日、11月1日、2日:11:00~20:00(最終入場19:30)
10月23日~31日、11月3日:11:00~17:30(最終入場17:00)
会場/六本木ヒルズ カフェスペース

■:特別イベント『Herb & Dorothy』

アートのドキュメンタリー映画『Herb & Dorothy』をイベント限定で再上映(限定人数での映画上映と作品鑑賞)。

慎ましい生活を送りながら、30年間にわたってお気に入りの現代アートをこつこつと買い集め、いつしか全米きってのコレクターとなってしまった老夫婦の、微笑ましくも感動的なアートへの愛が詰まったドキュメンタリー『Herb & Dorothy』。監督はニューヨーク在住の日本人女性ジャーナリスト、佐々木芽生。2008年ハンプトン国際映画祭ドキュメンタリー部門「金のヒトデ」賞受賞。
慎ましい生活を送りながら、30年間にわたってお気に入りの現代アートをこつこつと買い集め、いつしか全米きってのコレクターとなってしまった老夫婦の、微笑ましくも感動的なアートへの愛が詰まったドキュメンタリー『Herb & Dorothy』。監督はニューヨーク在住の日本人女性ジャーナリスト、佐々木芽生。2008年ハンプトン国際映画祭ドキュメンタリー部門「金のヒトデ」賞受賞。

日程/10月25日(月)~29日(金)17:30開場・18:00上映開始(~20:00)※上映時間は87分。お申込みは問い合わせ先サイトにて。

問い合わせ先

CADAN ROPPONGI presented by Audi特設サイト

※新型コロナウイルスの影響により一部情報が変更となる可能性があります。最新情報は公式HPなどでご確認ください。 

この記事の執筆者
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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