『Precious』12月号、連載『現代の紳士たち』にご登場くださった鈴木亮平さん。
一年以上に渡る公開延期を経て、10月に公開を迎えた、映画『燃えよ剣』の近藤 勇役や、11月19日より公開の映画『土竜の唄 FINAL』での怪演など、その振り幅の大きさから、観る側からもっとも信頼される俳優のひとりとなった鈴木亮平さんに、ご自身の仕事に対する姿勢や、プライベートについて、一問一答形式でお答えいただきました。
今回は、仕事論に迫る前半をお届け。本誌未公開カットを含む、Precious.jp独占です!
——この夏、ドラマ『TOKYO MER』での喜多見医師と、映画『孤狼の血 LEVEL2』での、冷酷なヤクザ・上林という、まさに対極ともいえるキャラクターで世間を魅了されました。あえて共感するところが多かったといったら、どちらでしょうか。
『孤狼』は物語としてすごく良い作品でしたし、上林も悲しい過去を持つ男でしたから。ただそうだとしても、あの異様な凶悪さはまずいですよね(笑)。
共感するのが仕事の一部なので、どちらも同じくらい理解したつもりですが、『MER』は、実は当て書きして脚本を書いてくださったものなんですよ。僕の普段の立ち振る舞いも自然に反映してくださった。そういう点では、すんなりと演じられたかなと思います。
——悪役と正義のヒーロー。演じていて楽しいのはどちらなのでしょうか?
それはもう、人を救う役の方が楽しいです。振り切れる分「悪役の方が好き」と仰る俳優さんもいますが、やっぱり、役であったとしても、残虐なことをすると、心身共に僕自身が無事ではいられないというか…同じくらいのダメージをくらいますから。悪役を演じるのは、なかなか苦しみを伴うものなんです。
——原作がある作品に携わるとき、原作は読みますか?どれくらい役に反映するのでしょうか。
今回の映画『土竜の唄 FINAL』もコミックが原作ですが、原作があるときは必ず一度は目を通して世界観を理解するようにしています。でも必ずしもそれを真似しようとか、その通りにしなきゃいけないとは思っていなくて…キャラクターが実際に肉体を持った時、人間としてどれほど魅力的なのか、が伝わるように努めています。
——心に残った台詞は書き留めておくと伺いました。これまでにもっとも印象的だったものを教えてください。
好きな台詞は本当にたくさんあって、コレというひとつは選べないですね…。どれも宝物のように大切なので。でも最近でいうと『MER』で、僕が演じた医師の喜多見が、妹を殺したテロリストの命を救ったとき、同僚に「こんなこと(犯罪者を救うこと)に意味があるのか」と問われてこう返すシーンがあるんです。
「わかりません。でも、命を救えてよかったと、今は思っています」。この台詞はすごくいいなと…言葉の力を感じましたね。
——今、いちばん会いたい人はいますか?
渡辺謙さんです。『西郷どん』で、演技のことだけでなく、人生の先輩としても学んだことがたくさんあります。ずっと励まし見守ってくださった。今じゃないかもしれませんが、自分がもっともっと成長して、いつか違う“場面”でお会いしたいと思っています。
——『西郷どん』はご自身の大きな転機になった、と、本誌インタビューでも伺いました。
はい。でも転機というと、実はもう一作品あって。『西郷どん』と、その直後に撮影した映画『燃えよ剣』。このふたつは僕にとってセットなんですよね。
大河ドラマでは、自分がただその人物であるという感覚を初めて味わうことができて…『燃えよ剣』は、時代設定は『西郷どん』と同じなのですが、原田(眞人)監督の画に対するこだわりや、テンポの早い台詞回しなど、画と音でエンタテイメントに落とし込むアプローチに刺激を受けて。
同じ時代、同じ世界を表現しているのに非なる二作品に巡り会えて、俳優として、新しく目指すものが見えてきたなという感じがしました。
以上、『Precious』12月号未公開のインタビュー「仕事編」をお届けしました。
後編では、最近のマイ・ブームや魅了的に感じる異性についてなど、鈴木さんのプライベートに迫ります!
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- Precious編集部
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- EDIT&WRITING :
- 水田静子、小林桐子(Precious)