今年、10周年目を迎えるマクラーレン・オートモーティブが11月14日、富士スピードウェイを舞台に2年ぶりとなる「マクラーレン・トラックデイ・ジャパン2021」を開催した。今年は日本で開催されてきたマクラーレン・トラックデイ・ジャパン史上最多の135台のマクラーレンとオーナー達が集まり、各々のこだわりや想いを語らいながら、マクラーレンでの走行を楽しんでいた。
オーナーだけでなく家族も楽しめるイベント
「マクラーレン・トラックデイ・ジャパン2021」はマクラーレンオーナー向けに2013年から開催しているイベントで、今回で8回目。圧倒的な走行性能を誇るラグジュアリーなスーパーカーブランドだけに、サーキットが実に似合う。
この日を待ち望んでいたオーナーのみならず、同伴した家族やパートナーも楽しめるよう、イベントラウンジにネイルコーナーが設置されていたり、オーナードライバーには「CACAZAN」(カカザン)のディアスキン製ドライビンググローブのプレゼントオーダーも。
また、スペシャルゲストとしてアスリートの山本 篤が登壇したほか、自動車雑誌「カーグラフィック」代表の加藤哲也氏と、当サイトでも筆を振るうモータージャーナリストの大谷達也氏も登壇。トークショーではマクラーレンのブランド哲学、クルマ好きが心踊る本誌的な魅力など、歴代モデルをテストしてきたプロとしての立場から語り合った。
レーシングドライバーの運転で「720S」のパフォーマンスを体感!
正午過ぎからはオーナーカーが続々とコース上に集結。希少モデルも含めた135台のパレードランは、上方に開くディヘドラルドアが特徴のマクラーレンだけに、美しくも勇敢な猛禽類の群れ(猛禽類は群れないが……)のような迫力だ。そんな光景を目の当たりにすると、圧倒的パフォーマンスも感じてみたくなるもの。イベントではもうひとつの目玉企画として、インストラクターの運転による同乗走行も実施しており、メンズプレシャスも貴重な体験にあずかることができた。
ステアリングを握るのは、現在スーパーフォーミュラとスーパーGT(500クラス)に参戦するトップレーシングドライバーの松下信治選手。乗るのは、マクラーレンの中核を成す「スーパーシリーズ」の「720S」。記者が助手席に座るや、松下選手はピットアウトから猛ダッシュ。富士スピードウェイの各コーナーを最短距離で抜けていった(つまり極力直線的に走っている)。受ける横Gはすさまじいが、強固なシャシーと高精度でタイヤの接地を維持するサスペンションなどのおかげで、クルマ自体はとても安定している。タイトコーナーで後輪が滑り出しても、アクセルペダルとステアリングホイールを巧みに操作して(すべて最小限に収めているのがプロ!)、ノーズは常に進行方向を向き続けるのだ。
圧巻はメインストレート。1,475メートルという世界有数のロングストレートで、松下選手は310km/hまで加速、そのあとに待ち受ける第一コーナーに向けてしっかりと無駄のないブレーキングで90km/hまで減速し、抜けていった。
モータースポーツで得た先進の技術を惜しみなくロードカーにフィードバックするマクラーレンを操る楽しみは、日常の領域でも十分に堪能できる。今回、プロの手でパフォーマンスをフルに発揮するという貴重な体験で感じたのは、「安心感」だった。求めるスピードにたやすく応じてくれるだけでなく、安心をもたらすのも現代のスーパーカーに求められる役割だ。マクラーレンが愛される理由は、そんなところにあるのだろう。
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- MEN'S Precious編集部
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