「コンバース」の“クップ”シリーズをご存知だろうか? アウトソールをドレッシーなカップソール仕様に変更したもので、簡単に言えばアメリカンカジュアルの代名詞ともいえるコンバースのスニーカーをヨーロピアンテイストにアレンジしたモデル。とは言え、車でいうマイナーチェンジにも似た、絶妙な塩梅の変化がマニア心を大いにくすぐってくれる。

そもそも一般的なスニーカーには、主にカップソールとバルカナイズソールというアウトソールの取り付け方法がある。バルカナイズとは、アッパーとソールをラバーテープで巻き付けて高温の熱と圧力で接着する方法で、オールスターの作りもこれに該当する。方や、カップソールとはソールをアッパーで包むようにはめ込んで、糸で縫い合わせたりボンドで接着する製造方式。耐久性や屈曲性など、ぞれぞれに一長一短あるが、見た目にも少し雰囲気が異なる。今回紹介する“クップ”シリーズは、ヨーロピアンテイストを謳っているが、確かにカップソールに変わるとどことなくすっきりと洗練された横顔になったのがよく分かる。

オールスターを上品なドレス顔と、思い切ったチェルシーブーツにモディファイ

写真左から/スニーカー¥16,500・スニーカー¥15,400(コンバースインフォメーションセンター)※税込価格

写真左のモデルは、オールスターをチェルシーブーツ風にアレンジした意外性のある一足。ヒールループやサイドゴアなど、チェルシーブーツの特徴的なディテールを踏襲しながら、トウデザインは完全にオールスターなのが面白い。とはいえ、変化球的な変わり種ではなく、素材使いやシルエットで端正な佇まいに仕上げた秀逸なアレンジ。見慣れたトウも、見ようによってはフォーマルなストレートチップにも思えてくるから不思議だ。もちろん、履き心地はスニーカーのそれなので、長時間履いても疲れにくいのが嬉しい。

白いローカットのスニーカーは、オールスターをベースに、ハト目のないシューレースや立体のヒールラベルといったディテールをアレンジ。素材には滑らかなスムースレザーを採用し、清爽なピュアホワイトカラーに箔プリントのゴールドロゴが、リュクスなアクセントを添えている。すっきりとしたシルエットも含めてドレス顔のオールスターといった趣で、ジャケットスタイルをドレスダウンをさせたい時などにおあつらえ向きの1足といえるだろう。

問い合わせ先

コンバースインフォメーションセンター

TEL:0120-819-217

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PHOTO :
多田悟(Rooster)
STYLIST :
仲唐英俊(TABLE ROCK.STUDIO)
WRITING :
佐藤哲也